後継者の少ない伝統的な職業

Question

後継者の少ない伝統的な職業日本の伝統的な技術の職業で、引き継ぎ手の人手が少なくなってきている職業は何でしょうか？

一つ日本舞踊というのは聞いたことがありますが、他にもありますか？

伝統工芸、伝統的な技術など、職業になるもので何かご存知のものがあれば教えていただきたいです。

よろしくお願い致しますm(_ _)m

Answer 1

引き継ぎ手がないという意味を一般の人（特に美大進学にも取り組んでいない高校生レベル）は、「なり手が少ない、それを作る技術の承継がない、なくなく作り手は引退し、そのものが作られなくなって途絶えてしまう、だから救うために若者が成り手にならないと、そして根性を持って勤め上げれば、将来自分が伝統工芸の担い手と着目してもらえる」というハッピーエンド的連想をまずしてしまうのですが、そういう認識ではまったく、他の人と違って進路を誤ってしまいますので、ご自身が業界の実情を見抜き現実的に行動できるKEYとなることを書いてみますね
なり手がないというのはもともと自分は名もなき分業の職人であり自分の子息を後釜にして経済的にも困窮し将来性もない状態にしないということです。

まず一つ目のKEY）高級品を作る伝統工芸品は、今は特定のネームバリューのある作
りてによる１点ものの美術品のようになって久しい。

昔は「日用品を作る産業としての大きな業界」の頂上に、そういった一級の作り手がやはり金持ち御用で存在する余裕があった。

今は日用品は、樹脂や新素材や外国産の加工しやすい木材など
で、機能性の高い仕様で工場でIC機器をもって作られホームセン
ターで売られていて、いちいち職人が手作業で単独のイメージ
をもって古来の形のままで木材を削って漆を塗られるようなもの
ではない
日用品需要がないのでもはやそういうものの作り手として
生き残っているのは、観光や文化の広告塔としての
何代続いているとかという由緒のある家とかで京都の伝統作法や
芸能の家元や寺社などのところから受注を受けそれを
納めることになっていてその勝ち組でも仕事は減りつつある

二つ目のKEY） そのものの作り手としての世間的に認知されるのは
その伝承者の家の当主やそれを販売する老舗の販売店だけ

しかもそれらは、品物の製作の指揮を事細かく指揮して、
実際にそれを製作するのは「名もなき職人」でそれも一人では
なく分業でそれぞれの工程をレベル高くこなすもの

親方に弟子入りして、独立ができるなどというものは
正直、そうでなくても教室レベルで習いで通っている中で、うま
くできる人でもいずれできるような敷居の低いジャンルのもの
レースドール、草木染とか藍染とか、陶芸教室など
その産地でその作り手として、対外的に職人が持ち上げられるこ
とはない。
むしろ業界人の中で、その工程をたぐいまれな技術で仕上げる
ことができる名人と認知されて、業界内での表彰を受けつづける
ような人がいたりするだけ。
私はこれだけでも立派なこと（プロの中で認められている）だと
感服する。

三つ目のKEY） 伝統工芸に実際に従事しようとする若者は、すでにそれを
「現実的に見据えて」動いている
業界には素人いちいち教えることも多量の材料費と教える
人件費をむだにするので募集しているのは弟子の下積みという
ことに名を変えた、単なる使い捨ての力仕事や清掃要員。
（弟子入りなどという気負いなどまったくない、単に長年従事して
いるだけの）近所のパートのおばさんの技量の熟練度に驚愕するはず

美大への進学を目指す者は美術で高校内ですでに秀でている上に
そのなかでの受験の競争に勝つために学業にも美術教室にも
通いスキルを身に着けている
美大卒業後も自分としての独自性を模索し、場合により伝統工芸の
世界にも足を置き、そのノウハウを吸収し本来の自分の専門とそういう
ものを融合させるなどの試みなど珍しくはない

美術の才能がなくても、そういう業界に就職したい人は
京都の伝統工芸の専門学校に３年みっちり通ってずぶの
素人を脱却して、そういうメーカーや修復会社に着実に
就職していく

最後に書くのは、「スター的存在にあこがれる人は実は適性がないかも」ということです。
「謙虚にその業界の名もない歯車の一員となり業界で自分に課せられた仕事をお互いに完遂して信頼できる仲間と仕事がしたい、そのもの製造に関われること自体が喜び」という謙虚さのある人だけが適正があるということになるのかもしれません。

すでに美大や京都の伝統工芸の専門学校などに入るといったことの踏み出さずに、この知恵袋で、なり手がない、自分にもやれるかも、他力本願でありながら自分がその特殊な職業で着目されるスター的存在への憧憬も見え隠れする質問に、ある伝統工芸品の筋金入りのコレクターである私が投稿するだけではなく、業界の方が現実的なアドバイスを真摯になさることもあるのですが、なんと驚くことに質問をしていて、そういった方への返信さえもしないが実に多いのです（笑）。まさにその厳しい業界に身を置くなど適性がないことがらちまち露呈するのです。

Answer 2

茅葺屋根職人。