有給休暇の消化と上司からの出勤命令について 現在の職場を来月退職するのですが、有給休暇がかなり残っているので、…

Question

有給休暇の消化と上司からの出勤命令について

現在の職場を来月退職するのですが、有給休暇がかなり残っているので、全てとは言わずともある程度消化して辞めたいと考えています。

しかし、上司からは『こちらの出勤命令に従ってもらう。こちらには（そのような命令を）行使する権利があり、従業員は従う義務がある」というようなことを言っています。

私としては、有給休暇も権利だと思いますし、上司の命令に従うことで、有給休暇を使わずに退職しないといけないのはおかしいと考えています。

労働基準法などの知識に乏しいので、社労士試験の勉強などをされている方など知識をお持ちの方にお聞きしたいのですが、（有給休暇を消化しようと考えている時期であっても）上司の言っている出勤命令には必ず従わなければならないのでしょうか？

また、そもそも、そのような権利は存在するのかどうかについてもご意見いただけると幸いです。

Answer 1

労働者が年次有給休暇の日を指定したなら、それだけで、その日は有休の日になります。会社の承認・許可は必要ありません。
一方、会社には時季変更権がありますが、それを使えるのは事業の正常な運営が妨げられる場合に限られます。

時季変更権とは、実際には「休暇の日をあとにずらす」(労働者に改めて日を指定してもらう)ものです。
ところが、退職する人が「退職日まで、権利のある日数分連続して有休を取る」と指定した場合、あとにずらす余地がありませんので、時季変更権は行使できないことになります。
※具体的にいうと、土曜・日曜祝日が所定休日、今年10月31日退職、有休の日数が20日の場合に、「10/3～31の労働日20日間をすべて有休にする」という指定があれば、繰り上げて取ってもらう以外に時季変更の余地がない。

「年次有給休暇は、法律上どのような要件が充たされれば取得できますか」
http://www.jil.go.jp/rodoqa/01_jikan/01-Q10.html

「使用者が従業員の年休の請求を拒否できるのはどのような場合ですか」
http://www.jil.go.jp/rodoqa/01_jikan/01-Q11.html

「1か月後に退職を控えた従業員が退職日までは残った有給休暇を全て使い、出勤しないと言い出しました。引継の問題もあり、大変困っていますが認めなくてはなりませんか」
http://shizuoka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/houritu/qanda/jirei02.html#q5

Answer 2

会社は業務命令を行い社員に仕事をさせることができますが、それは法の範囲内での話です。
有給休暇の使用は労基法で保証された労働者の権利ですから、会社はそれによって従業員の有給休暇使用を拒否することが出来ません。
有給休暇を認めずに仕事をせよと言う業務命令は上記に反する行為ですから、その業務命令は認められないことになります。
なお、業務の都合による有給休暇の時季変更権を行使する権利が会社にはありますが、変更する時季が存在しない退職時の有給休暇に対しては時季変更権を行使することが出来ません。