機械設計の「バラシ」作業の存在理由が分かりません。 組図から1つ1つの部品にバラス、という認識でいるのですが そ…

Question

機械設計の「バラシ」作業の存在理由が分かりません。

組図から1つ1つの部品にバラス、という認識でいるのですが
そもそも組図を作るには1つ1つの部品のCADがあるのでは？設計に携わっていない者にも分かるように、ご教示願います。

Answer 1

ここで言われている「組図」は、正確には計画図だと思われます。
下記理由で計画図中の バラシ＝製作図の作成 を行う必要が有ります。
（会社によって違うことも有ります）
そもそも、この計画図や組立図と製作図は使用される目的が違います。
計画図は設計段階での検討に使われたり、組立図、製作図は組立現場で
使用されたり、製作図は機械加工等の現場で使用されたりします。

１．計画図中には、全ての部品が書かれていないことも有ります。
２．計画図は各部品の干渉や、機械要素部品の取り合いを確認する
意味も有り、正確な形状が描かれていない場合もあります。
３．計画図を幾ら正確に書いても組立図にはなりません。計画図ー＞
（バラシ作業）製作図ー＞組立図（組図）のように作業が進行し、
組立図を完成させます。
４．機械加工（製作）に際しては製作図を正確に描かなければ製作する
ことができません。計画図中の各部品は、製作図（部品図やバラ図と
呼ばれることも有ります）として描かれていません。
５．バラシ作業から作成される製作図は、機械加工等に対する作業指示です。
寸法公差、幾何公差、表面粗さ、表面処理．．．これらの指示は
製作図中に記載されるもので、計画図に記載されるものではありません。
６．バラシ作業で部品リストが作成され、加工部品、購入部品に分別され、
加工部品は製作図を元に資材部や購買部から発注されます。
７．CAD/CAMで工作機械に対する指示を与える事も可能な場合が有りますが、
CADで作成した情報だけで工作機械が加工できるとは限りません。

書ききれませんが、これで 製作図＝バラシ作業 が必要なイメージできたでしょうか。

Answer 2

組図にある部品のＣＡＤは、２Ｄの場合、部品の形状を全て表していません。
３Ｄなら表してありますが。
また、寸法公差や表面粗さ等を表していません。
部品を製作する為の情報が足りてないということです。

一度、部品図を見て、そこに描いてある情報が、
組立図から読み取れるか見てみると分かると思います。

Answer 3

図面を書くとき
まず外形寸法の制約があります。
ワーク寸法が決まっています。
持たせる機能により機構がきまります。
機構を動かす為のアクチュエータが決定します。
アクチュエータのレイアウトが決定します。
アクチュエータの固定方法を決定します。←ココ重要

この段階ではベースやフレームからアクチュエータにアクセスできる形状を決めるだけで具体的な寸法を決定していません。
他の寸法と違い制約を受けない（他の制約が優先される）からです。
全体が成り立ったら部品図を書きます。
全体図では部品の加工ができないからです。

Answer 4

計画図のことを組図っていうところはあるな。

設計図とはまず言わないけど（素人を除いて）。

手書きの頃なんて、いちいちボルトなんて書いてちゃ仕事にならんので、バラすときに任せちゃったもんだ。

CADを使う今でも、データが重くなったり画面が重なって見づらいから、センターラインで済ませることはよくある。

これじゃ、部品は作れない。

ちなみに組図は本来組立に使うための図面で、組み上げるために必要な寸法などが描いてある。

±０．０５の部品を１０個積み上げても、必要な公差は±０．０１だったりするから、調整方法とともに管理する寸法を指示したりね。

部品図が正確にできているかどうか、CAD状で部品を組み上げて行く場合があるが、これは再組立図と読んでいるよ。

ちなみに、組図からバラすと言っても、他回答のように材質・仕上・公差などまで考慮しないとならないから、寸法だけ分かってもまともな図面は描けない。

まともな設計者になるための修行の一つだね。