士業に独占業務は必要ない？

Question

士業に独占業務は必要ない？マンション管理士のブログを見て思ったんですが
そこでは、今は弁護士や会計士なども余ってる
これらは独占業務があるにもかかわらず
マンション管理士は、独占業務がないが
だからといって食えないわけではない
逆に言うと独占業務があるから資格の価値が上るとうと
その独占業務に食わせてもらってるだけではないだろうか
マンション管理士も管理組合のアドバイザーとなれば
これは、弁護士同等の顧問の法律職にかかわりがないのである

とあるのですが
独占業務があるから食えるわけではないということですか？

Answer 1

そうですねえ。最近は弁護士さんでも仕事が無くて困っている人もぼちぼちいると言われていますので、業務独占だからといって安心して収入が見込めるとは言えないでしょう。

業務独占ということで、他の業種・業者（士業者）との間で保護される一面はあるでしょうが、同じ士業者の中では全くの自由競争です。だから、例えば

・依頼人の話をしっかりと聞いてくれる弁護士さん
・何を言っても生返事しか返してくれない弁護士さん

といれば、当然誰だって前者を選ぶ事でしょう。
士業を営む人であっても、営業力のあるなし・実績のあるなし・信用のあるなしで依頼人として頼みたいかどうか変わって来るでしょうから、業務独占であっても喰えるかどうかという点については全く関係が無いということが言えると思います。

一方で、業務独占でなくても、努力次第ではどうにでもなる可能性はあり得ます。
質問にあるマンション管理士もそうですし、中小企業診断士なども名称独占でしかないので、マンション管理士とか中小企業診断士とか名乗らなければ、マンションの管理組合からの相談を請けたり、中小企業経営者からの相談を請けたりすることは不可能ではありません。
それこそ、「ラーメン屋」さんを営むのと何も変わりません。ラーメン屋さんは誰でも営む事が出来ます。しかし、美味しいラーメンを作ってお客さんを満足させ続ければ多くのお客さんが詰めかけるラーメン屋さんになることだって出来ます。
マンション管理士も、しっかりと誠実に業務に取り組めば、「是非あの先生に依頼したい」というマンション管理組合も増えるはずです。

弁護士さんといえども、マンション管理士といえども、いかに「依頼人を満足させることが出来るか」という点にすべてがかかっていると言えるでしょうね。

ただ、「業務独占が必要無い」かどうかは全く別の問題です。
弁護士さんはその重い職責に見合った知識・見識を持っている必要があります。手術に必要な手技を持たず、病気や医薬品に関する知識が全く無い医師が存在する事はむしろ害悪でしかないのと同様に、法知識の無い弁護士が存在されては困ります。同様に、税金に関する知識の無い税理士さんも困りますし、社会保険に関する知識の無い社会保険労務士さんも困ります。
「業務独占」の必要性はあると思います。その「境目」はどこなのか？とかその「基準」はどうなのか？という点については、様々な状況・事情によって考え方も異なってくると思いますので、ここではなんとも言えませんが。