就職のことで現在悩んでいます。 教員を目指していて、現在大阪府の講師の話と自分の母校である、私立高校の非常勤講師の話が…

Question

就職のことで現在悩んでいます。
教員を目指していて、現在大阪府の講師の話と自分の母校である、私立高校の非常勤講師の話が来ています。

いろいろな大人の方々に相談しているのですが、やはり最後は自分で決断しなければいけません。

できれば現在教員をしている方々の話も聞きたいと思いますので、アドバイスをお願いしますm(_ _)m

Answer 1

大阪府内の高校で講師をしている者です。（公立・私立ともに勤務経験があります。）

私の経験からすれば、とりあえず以下の2点は視野に入れておいてよいと思います。

(1)給与・待遇面がどうなのか。

この面からすれば、絶対になってはいけないのが公立高校の非常勤講師です。
なぜなら、完全コマ給（1コマ約2,800円）で、夏休みなどの長期休暇中で授業がないときは一切収入がありません。ちなみに収入のおおよその目安としては、「1週間あたりの受け持ち時間数」×10万円＝年収 となりますから、とても一人暮らしは無理です。
さらに、その少ない収入から国民年金・国民健康保険の保険料をすべて自分で負担しなければなりません。

その点、私立高校の非常勤講師であれば、多くの学校で「1週間あたりの受け持ち時間数」×1万円～1万2千円＝“月収” として8月や3月などの授業時間の少ない月でも固定額が支給されますし、一定の条件を満たせば「共済」にも加入させてもらえますから、年金や健康保険の保険料も労使折半となり、自己負担は半額程度で済みます。

ただ公立・私立とも【どれだけの受け持ち時間数があるかによって、収入が上下します】ので、受け持ち時間数が少ない場合ですと、たとえ私立高校で採用されても、他にアルバイトをしたり複数の高校を掛け持ちしないと一人暮らしができるほどの収入を得ることは難しいです。

なお常勤講師であれば、公立・私立ともに収入面での心配はありません。また公立・私立ともに長くても1年契約で、翌年度に契約が更新できる否かはその時になってみないとわからない点もほぼ同じです。

ただ公立高校は週5日制、私立高校の多くは週6日制ですので、私立高校のほうが出勤日は1日多くなります。しかしこの点も、公立高校で部活の顧問を持たされれば練習や試合の付き添いで土曜や日曜がつぶれることもありますから、どちらがよいとは一概には言えません。

(2)将来的に正規教員（教諭）になったときにどこで勤務したいのか。

①公立高校

②自分の母校である私立高校

③自分の母校とは異なる私立高校

①でしたら、公立高校の常勤講師がよいと思います。なぜなら、特に座学系教科（英語や数学など）の教員になる人物の多くは、高校は進学校～中堅校を卒業しているはずで、特にあなたは私立高校卒業なのですから、公立高校の底辺校の雰囲気や生徒の様子などは知らないと思います。
しかし、公立高校で教諭として採用されればどのようなところへ配属されるかは全く分かりませんし、最初は自分でも選べませんから、“自分の高校時代とは違った世界”を経験しておくのもよいかも知れません。

ちなみに私がかつて勤務した公立の底辺校では、学力面では自分の氏名すら漢字で書けない生徒や、英語のアルファベットをすべて書けない生徒などもいましたし、生活面では鑑別所に入所経験のある生徒（それも複数名）や、在学中に妊娠して「産休」をとって出産した生徒（生徒本人も相手の男も比較的まともだったので、入籍＆無事に卒業できました）もいました。

②でしたら、OB・OGというアドバンテージも働きますから、あなたに教員としての適性と実力さえあれば非常勤講師→常勤講師→教諭とステップアップしていける可能性は大いにあります。但し、学校の経営状態や教員の年齢構成などの諸条件が作用しますので、必ずしも教諭への道が約束されているわけではありません。

③ですと、学力的にそれなりの高校でしたら、その高校のOB・OGがあなたの同僚にいても不思議ではなく、OB・OGというアドバンテージをもった人物と「教諭のイス」を争わなくてはならないことになります。逆に中堅～底辺レベルの高校でしたらそういったことはありませんが、同僚と「教諭のイス」を争わなくてはならないことには変わりはなく、仮に教諭に採用されたとしても、系列の高校がないようなところなら中堅～底辺レベルの生徒の相手をずっとしていくという覚悟が必要です。（まあそういった高校の先生は、教諭としての経験をある程度積んでから他の私立高校で、進学校と言えるようなところへ転職していくケースも多いですが……。）