高圧ガス（液化ガス）をタンクローリーから受け入れる場合に必要な法的な届出についての質問です。

Question

高圧ガス（液化ガス）をタンクローリーから受け入れる場合に必要な法的な届出についての質問です。次の条件の場合、どのような届出や申請が必要になるのでしょうか？
特定高圧ガスの消費届が必要だとは思うのですが、そのほかにも申請や届出が必要でしょうか？

・受け入れるガスの種類 ： 水素、ブタン
・1,000Nm3以上のタンクローリーからの受け入れ
・受入れ場所 ： 高圧ガス製造設備
・高圧ガス製造設備のガスの種類と処理量
水素 ： 600,000Nm3／日
ブタン ： 90,000Nm3／日
その他

補足

ミスター高圧ガスさん
ありがとうございます。
前提条件が不足しておりましたので追加します。
ローリーには大きなカードルが積まれており、その圧力は２０MPaです。
カードルと高圧ガス製造設備はフレキシブルホースと配管で接続します。
その途中に減圧弁を入れて０．４MPaまで減圧して工程内に受け入れ、工程内を循環させます。
この２０MPaから０．４MPaへの減圧が高圧ガスの消費に該当するのではないかと理解していますがいかがでしょうか？
そのため特定高圧ガスの消費の届出は必要ではないかと思っています。

Answer 1

お疲れ様です。ミスター高圧ガスと申します。

高圧ガスを受け入れる場合には、高圧ガス取締法時代に「受入の届出」なるものがありましたが、現在ではこの届出については廃止されていますので、タンクローリで受入をするからといって特別な届出はありません。

【補足への回答】
補足ありがとうございました。
「ローリーには大きなカードルが積まれており・・・」と書かれていますが、一般的にはそういう車輌はローリーとは言わずに、水素の集結容器を積載したトレーラ（別の言い方では水素ローダ）のことかと思います。また、こういうのは、この業界では「受入」とも言わずに、単に、「水素ローダにより貯蔵する」と表現しています。
一般的に流通している４７（リットル）の一般継目無し容器を使用して貯蔵＆消費する場合と使用形態は同じで、違いはこの貯蔵している容器の内容積の違いだけですね。

「高圧ガスの消費」とは、「高圧ガスを燃焼、反応、溶解等により廃棄以外の一定の目的のために減圧弁等単体機器である減圧設備のみにより瞬時に高圧ガスから高圧ガスでない状態へ移行させること及びこれに引き続き生じた高圧ガスではないガスを使用することをいう。」とあるので、今回のように20(MPa)→0.4(MPa)に減圧するのは、「高圧ガスから高圧ガスでない状態に減圧設備で瞬時に移行させること」に該当し、さらに工程内で「燃焼、反応、溶解等」をさせれば引き続き使用することに該当するので、高圧ガスの消費といえるでしょう。（下記ＵＲＬ１０ページの「第24条の２関係（消費）」参照）
http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/230704-1.pdf

また、特定高圧ガスの消費とは、高圧ガス保安法第２４条の２に規定してあるとおり「(前略）又は液化酸素その他の高圧ガスであつて当該ガスを相当程度貯蔵して消費する際に公共の安全を維持し、又は災害の発生を防止するために特別の注意を要するものとして政令で定める種類の高圧ガス（以下「特定高圧ガス」と総称する。）を消費する者（その消費する特定高圧ガスの貯蔵設備の貯蔵能力が当該特定高圧ガスの種類ごとに政令で定める数量以上である者(後略））は、事業所ごとに、消費開始の日の２０日前までに、消費する特定高圧ガスの種類、消費（消費に係る貯蔵及び導管による輸送を含む。以下この項において同じ。）のための施設の位置、構造及び設備並びに消費の方法を記載した書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 」とあり、この政令で定めるガスの種類と貯蔵設備の貯蔵能力が高圧ガス保安法施行令第７条第２項に規定があり、圧縮水素は容積300（ｍ3）以上貯蔵していることが前提となるので、今回のように容積1,000（ｍ3）の圧縮水素を貯蔵しているので、特定高圧ガスの消費に該当すると考えられます。

ただし、一つ例外がありまして、貯蔵している者と消費する者が別々の場合は特定高圧ガスの消費というようには言わないことが「Q&A」に書かれています。例えば、A事業所が貯蔵し減圧、B事業所が減圧されたガスを使う場合には、A事業所が減圧後に引き続き使用していないので、こういう稀な場合は、特定高圧ガスの消費にはならないということです。

この水素ローダによる圧縮水素1,000（ｍ3）を購入し、質問者さんの事業所の管理下において、そのまま消費すれば特定高圧ガスの消費になります。その場合は、高圧ガス保安法第２４条の２の特定高圧ガスの消費の届出が必要ということになります。