本願寺派僧侶です。 ご質問の件、我が国の監獄教誨の始まりが明治5年に浄土真宗の僧侶によって始まった(真宗大谷派僧侶の鵜飼啓潭師が名古屋監獄で、真宗大谷派僧侶の蓑輪対岳師が巣鴨監獄(現・府中刑務所)で、翌年には浄土真宗本願寺派僧侶の舟橋了要師が岐阜監獄での教誨を許可された。)こともあり、また浄土真宗本願寺派明如宗主、真宗大谷派厳如宗主が監獄への教誨師派遣に積極的に協力されましたので、明治期には本願寺派(西本願寺)・大谷派(東本願寺)の活動が顕著となりました。 さらに各施設に対しご本尊、仏具等の寄贈も積極的に行われ(現在も40余りの施設に現存)、両本願寺による常駐教誨師を派遣体制が続きましたので本願寺派と大谷派が全国の監獄教誨独占の観を呈するようになった経緯があります。 もちろん、浄土真宗の僧侶だけではなく、全国で各教宗派の僧侶・神官が監獄教誨を申し出て、各地の監獄教誨の活動に参加はされております。 第2次世界大戦後は官制教誨師制度は廃止され従来の教誨師は一般刑務官に転官しましたが、宗教教誨の実施は「日本宗教連盟」による教誨師の斡旋という宗教家による協力という形となり、昭和31年には「全国教誨師連盟」が結成され(初代総裁は浄土真宗本願寺派の大谷光照門主が就任)、現在は浄土真宗本願寺派の大谷光真門主(現門主)が後任の総裁に就任されています。 近年も教誨師の人数的には、浄土真宗系が530名前後(本願寺派約300、大谷派約230)と多いですが、浄土宗さんなどの真宗以外の浄土系の教誨師も100名以上はいます。その他禅宗系約190名、真言系約140名、日蓮系約130名、天台系33名と他宗派さんもいます。仏教系以外では神社神道系・教派神道系で約200名、 カトリック系約60名、プロテスタント系約180名程度だと思います。 宗教教誨では特殊教誨(遭喪教誨・忌日教誨・棺前教誨など特殊な場合)を除き、「集合教誨」(総集教誨・グループ教誨)と個別に行なう「個人教誨」がありますが、実施回数年間19,400回のうち仏教系が59.0%であり、次いでキリスト教系が22.3%であり、神道系が18.6%、その他0.1%です。 ご質問に戻りますが、現在では特に本願寺系僧侶でなくても各宗派の教育課程・研修等を経て推薦を得ますと、地方の仏教会長の承認を得て各都道府県の教誨師事務所に届けられ、都道府県の仏教会長より施設に登録され施設で承認され辞令があり教誨師となることができます。なお、施設側で教誨師が定員の時は待機となります。 がんばって目指してください。
なるほど:7
< 質問に関する求人 >
僧侶(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る