解決済み
行政で林学の技術職として森林・林業に関わっている者です。 林業の仕事の概略と基礎的な用語の解説は 森林・林業学習館「林業という仕事」 http://www.shinrin-ringyou.com/ringyou/ringyou_work.php および、同「森林・林業関連用語の検索」 http://www.shinrin-ringyou.com/search_term/ がわかりやすいです。 >木を切って箸とかタンスを作るんですよね? については、厳密に言えば半分正解で半分間違いです。山から伐り出された木を使って何らかの製品を作るのは、木材産業と呼ばれます。大雑把な区分ですが、「丸太までが林業、丸太から先が木材産業」という認識でいいと思います。 林業の行為の記録ですが、万国共通の「これ!」という様式集ではなく地域や人によって微妙に異なるので、例として林野庁が国有林の管理に使っている記録により説明します。 ・森林調査簿 ある程度ひとまとまりとなった森林(林班。この林班を更に区切って林小班と呼ぶ。)について、面積がどれだけあり、樹齢何年のどんな木がどれだけ(立方メートル単位)あって、土や地形はどうなっているか、また、法令の制限はどのようなものがかかっているか、将来どのような山を目指すか、といった森林の基礎的な現況を記載した台帳。森林管理の根本になるもので、5年に一回改定される。国有林のものを「森林調査簿」、国有林以外の森林(公有林と私有林。あわせて民有林といいいます)のものを「森林簿」という。 ・伐採造林計画簿 5年間を1期として、森林調査簿に載っている森林のうち何らかの作業を予定している森林をリストにしたもの。 ・造林予定簿/造林実行簿 1年間の計画として、どこでいつどのような造林・保育作業(地ごしらえ、植え付け、下刈り、除伐、間伐、農薬散布など)をどれだけの規模でおこなうかを示した計画書。および実際の実行結果はどうだったかを示す報告書。 ・収穫予定簿/収穫実行簿 森林を畑と見立てると、そこに生えている木は作物であり、伐採は作物の収穫とみなすことが出来る。そこで、林業の世界では木を伐採することを収穫と呼んでいる。造林予定簿/実行簿と同様に、「いつどこでどんな樹種を何立方メートル収穫するか」という予定簿、およびその実行簿をつくる。 ・製品生産予定簿/製品生産実行簿 収穫にはすべての伐採を含んでいるので、丸太にして販売する木だけの収穫予定と実行の記録もつくる。 ・林班沿革簿 森林調査簿が林小班単位で現況を示すものなら、こちらは沿革を示すもの。その林小班が設定されてから現在に至るまで、何年何月にどのぐらいの規模でどんな作業をしたか、を記録した台帳。 ほかにもつけている記録や台帳はたくさん種類がありますが、代表的なものはこれぐらいです。なぜ収穫では本数を見ないのかと思われたかもしれませんが、伐採した木を売り払う場合、丸太は工業材料ですので、規格品をつくる必要があります。4mを標準として、3mや6m、7mなどの規格の長さの丸太をつくり、それをサイズ別・品質別にわけて売るので、本数よりも体積ベースで数えたほうが都合がよいのです。同じ長さの丸太を積み上げ、その直径を一本一本測るなどして体積を割り出すことを「素材検知」と言っています。 仕事で怖い目にあったことと言えば、現場に行く途中で物音がしたので見上げてみると、木の上でツキノワグマが食事中だったということがあります。熊鈴は当然携帯していたのですが、クマさんはドングリを食べるのに夢中で気づかなかったようです。また、林業では整備された登山道ではなく道もない急斜面をピンスパイク付の地下足袋で縦横無尽に歩き回ることが多いのですが、足を滑らせて10mばかり滑り落ちたこともあります。幸い怪我はなく、愛用の方位磁石を駄目にしただけで済みました。 職場や請負業者さんの殉職者の事例で言えば・・・雪山をパトロール中に足を滑らせて滝つぼに転落した例、木材運搬用のロープウェイをはって木を集める(架線集材と言います)作業中にワイヤーが外れ、頭の上に丸太が降ってきた例、伐採中に木が倒れずに引っかかったためになんとかしようとしていたところ突然倒れて下敷きになった例、勢いよく倒れた木がバウンドして、その木に跳ね飛ばされた例、運悪くスズメバチの巣に近づいて刺された例、刈払機を持って斜面を歩行中に滑って転んで動脈を切ってしまった例、などなど、枚挙に暇がありません。安全第一で仕事をしたいものです。
なるほど:2
森林組合で事務をしている者です。 林業といっても色々な業種があります。 質問者様が言っておられる、木を伐採し材木を搬出し加工して販売するのも林業ですし 公共事業で森林整備を請け負い、森林公園や樹木の保育作業を行うのも林業です。 私の所属している組合では、植林から全伐(山の木を全て切る事) 森林公園などの整備など山林作業全般を行います。 加工品は手掛けていませんのでタンスなどは作っていません 木を出荷するほとんどの場合、木材市場に出荷をします。 その際、私の地域では、誰の所有で合法的に来れた木材である というような証明書を 最近出すよううになりました。 これは盗伐(人の山の木を勝手に切って出荷する事)を防ぐ目的で 記録を残すようなものではありません。 仕事ないような、上記にもありますが山林作業全般で 植林・造林 スギ・ヒノキ・その他広葉樹を植栽する事 下刈 夏季に植栽した苗木の成長を妨げる雑草を刈る 切捨間伐 成長の遅れた木・成長しすぎた木・不良木を切り捨てる 枝打 枝を鋸や鉈で切りとり、無節の木材が取れるようにする 収入間伐 収入を目的とし切った木を市場に出荷する 全伐・皆伐 山の木を全て切る 仕事をしていて怖い事は 急傾斜の山で作業している時は滑落する可能性があるので足元に注意しなければなりません 数年前に40m滑落して作業員が死亡した事があります。 間伐する木はとても重く、伐切中の木が人間に直撃すると死亡することがあります。 ベテランの方でも強風や枝張りで思う方向に倒せない事があります。 数年前にも作業員がなくなりました。 山林作業で使う道具は、チェンソー・刈り払い機などの刃物が多いです。 キックバック(機械が切り株などではね返ってくる事)で怪我することがあります。 枝打ち機では指を切断する例もありました。 下刈中にススメバチの巣があり、オオスズメバチに10数か所刺され病院に 搬送したこともありました。 休憩中にクマに遭遇したという話も聞いたことがあります。 山は、足場や見通しが悪い事が多く、安全に気を付けて作業していても 危ない、怖いといった事は付き物です。
なるほど:2
< 質問に関する求人 >
林業(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る