臨床心理士はどのくらいいるのだろう？ 法科大学院が残残な結果を出しているところですが、臨床心理士がうまくいくのでしょう…

Question

臨床心理士はどのくらいいるのだろう？
法科大学院が残残な結果を出しているところですが、臨床心理士がうまくいくのでしょうか？
大学院生が野良になりつつある中、臨床心理士の就職率ってどうなのでしょうか

Answer 1

臨床心理士の人数は、H21年度時点で21,407名です。
http://www.fjcbcp.or.jp/nintei_1.html

しかし、国家資格と、単なる一民間資格を比較の対象にすることが妥当とは思えません。さらに、法科大学院の結果（つまり司法試験合格率ですか？）と、臨床心理士の業務判定は意味が異なりませんか。もし同列で語るのであれば、法科大学院出身者の業務と、臨床心理士の業務を比較して、こちら側はうまくいき、こちら側はうまくいっていないということを比較することの方が妥当と思います。

私は法曹界には明るくありませんので、臨床心理業界でいえば、臨床心理士になりたいという人は増えても、学びの姿勢がどんどん受動的になっているように思います。もっと学生さんたちには、自らボランティアに出たり、実習や見学をどんどん進めていく気概がほしいですね。また、個人として優秀な人は多いのですが、組織として動くことを知らない人が多いと思います。これは教育で何とかできる問題というより、より多くの折衝経験を積んでいかないといけないのですが、心理臨床の悪癖なのか個人志向が強いので、どうしてもその部分は弱いように見えます。

参考までに、受験者に占める合格者のパーセンテージですが、臨床心理士はだいたい60％くらいといわれています。ただし、毎年100％近くの合格者を出している大学院もあれば、毎年全滅している院もあるので、臨床心理学に偏った教育、偏った臨床志向をもってはダメだ、ということがいえるかもしれません。

教育が今後うまくいくかということは、ホームページで公開されている認定協会による専門職大学院の大学院評価をみると、少なくとも末端の臨床心理士はともかく、認定協会はこのように認識しているのだな、というものがわかるかもしれません（これをお手盛り感満載ととらえるか、すばらしい教育だととらえるかは、その人の考え方次第なのかなと思います。私はため息をつきましたが）。

就職は、厳しいです。大学院生というか、臨床心理に限らず、博士号取得者の就職難は今にはじまったことではありません。業績を残さないのであれば誰もそんな人材を引っ張るところはありませんし。

年収は東京でもっとも多い層が200万～300万円台を占め、非常勤職が多いというのは事実です。でもその中で少ないチャンスを活かして機会を掴んでいる人と、ぜんぜん掴めない人の差ってなんだ？と問われますと、実力は当然のこととして、「院・運・縁・恩」だと思います。人の紹介も多い世界です。大学院が同じだったり、勉強会でその人柄と力をかわれたりする人のつながりってこの業界では大事ですし、ちょうどその時と自分が合うとかの運もあります。恩師の紹介も多いわけです。

つまりところ最後の「あ」は、どれだけ人と出会っているか、強引にいえばそこで愛されているか、そんなところが大事なのだと思います。