解決済み
共用部分は区分所有者全員の共有ですから、原則として共用部分の保存行為以外の管理とか変更は集会の決議によって実行しなければなりません。(区分所有法17条~18条) ですから、たとえ管理者であっても保存行為以外の管理行為はできません。区分所有法26条には管理者の権限が規定されています。そこには「1項 管理者は、…集会の決議を実行し、…規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」「2項 管理者は、…区分所有者を代理する。」と定められており、つまり、管理者には集会決議と規約に定められた行為を実行する権利と義務があって、保険金請求や受領に関して区分所有者を代理するということです。 ですから、管理者が単独で行えることは、保存行為と規約に定められた行為のみであって、それ以外の管理行為には集会決議が必要であるということです。 ここで、保存行為と管理行為について簡単に述べておきます。保存行為とは、たとえば切れた電球を交換するとか、割れたガラスを入れ替えるとか、故障した機械を修理するとか、つまり原状を保存する行為です。管理行為とは、たとえばセキュリティを高めるために防犯カメラを取り付けるとか増設するなどの行為です。 さて、お尋ねの管理所有についてですが、集会決議の必要な管理行為について、便宜的・形式的に共用部分を管理者の所有物とみなして、管理者が集会決議なしでも単独で行えるように定めたものです。(区分所有法27条) 本当の意味で管理者の所有にするわけではありません。 すなわち、管理者の権限を便宜的に広げるための規定です。しかし、区分所有法17条に規定された形状または効用の著しい変更を伴う行為は、管理所有者でもできません。やはり集会決議が必要で、しかも原則として区分所有者及び議決権数の4分の3以上の多数決を得なければなりません。 この17条でいう変更行為とは、たとえば、建物1階の壁の一部を取り除いてエントランスに宅配ボックスを設置するなどの行為です。これは管理所有者でも単独ではできません。 ちなみに、国交省の標準管理規約では、管理組合の理事長を区分所有法上の管理者とするという定めを置いていますが、管理所有者を置くというような定めは設けていません。
管理者:管理する者 管理所有者:管理のために共用部を所有扱いにした者。 物件の管理をするにあたって、所有者でないと事務手続きが煩雑になる場合があります。 管理者は共用部の所有者ではないので、管理組合に書類の署名押印を貰いに行く必要があります。責任者を決めていない管理組合の場合、全員の承諾を書面で貰う必要があるかも知れません。 これは非常に面倒なので、運営上、共用部を管理者の所有扱いにすることで運営をスムーズにする事が考えられます。これが管理所有です。
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