解決済み
理論的には会社によるが基準的には評価損のマイナスが妥当だと思います。 金融商品に関する会計基準上は、評価益なら純資産に、評価損なら損失に計上しましょうとは言われておらず、時価が取得原価を上回るか下回るかで区別しています。 「時価が取得原価を上回る銘柄に係る評価差額は純資産の部に計上し、時価が取得原価 を下回る銘柄に係る評価差額は当期の損失として処理する。」金融商品に関する会計基準18項(2)より したがって、この規定に素直に従うのであれば、時価が取得原価を下回っている限り損失で処理するため、投資有価証券評価損△○○円となるでしょうね。 この場合、普通に考えれば異常値のため、注記等による説明を追加することも考えられます。 仮に評価益で開示しても、部分純資産直入法の適用を会計方針として明示しますから、評価益が計上されることも異常値ですので、この場合にも注記により補足することが考えられます。 会計理論に基づいて考えるならば、 全部純資産直入法を原則法としながら、部分純資産直入法を認める理由として、従来から保守主義に基づき低価法(評価損の場合には損失計上)を認めてきたことが挙げられます。したがって、保守主義の考え方に基づくならば、利益を少なめに認識する点にあるため、評価損をマイナス計上することは利益をより多く計上するものであり、その趣旨に反するものと見ることができます。 したがって、前期末時価から上がった部分全てを純資産に計上する、つまり評価損のマイナスをその他有価証券評価差額金に振り替えることが考えられます。 一方で、評価損のマイナスとする処理が会計理論に反するものかというと、決してそうではないと思います。 少し余談ですが、元々は当座企業という、短期間で清算する企業ものでした。なので、会計期間はその最初から最後までを対象に、その間の損益を計算しました。 しかし、現在の会計は企業が半永久的に継続するという継続企業を前提にしています。これだと会計期間が定められないため、1年や四半期など一定期間に無理矢理区切っています。 したがって、仮に設立から清算までの全会計期間を対象とした損益計算書があったとしたら、その損益計算書は、設立から1年毎に作成している損益計算書の累積値と一致するはずですよね。 この点、1年という区切りがなければ前期に評価損が計上されず、当期末に純資産計上されるのみであったと考えられるため、 前期に計上した評価損を当期においてマイナス計上することは、この全体期間という視点では妥当な処理と考えられます。 このように、会計基準は背景も含め、様々な考えに基づいて作成されるものであり、どれか1つを一貫して考えることができません。1つだけ一貫しているとすれば、会計基準により作成される財務諸表が投資家に有用な情報を与えるという目的です。この有用な情報というのが具体的でないためその状況、基準によって様々な考え方がありますが、目的は有用な情報という一点に尽きます。 したがって、視点を変えれば合理性が説明できてしまうものなので、その会社が財務諸表を開示するにあたって、投資家が求める情報を開示できているかという視点に立つことが判断基準であり、会社の規模やビジネスモデルなど個別の状況に応じて判断のされ方が異なり得ることが考えられるものと考えられます。
会社計算規則にも財務諸表等規則にも、そんなに機微にわたって、ああしなさい、こうしなさいと記された項目がないので、明確ではありませんが、以前、試算表レベル(後T/B)では、投資有価証券評価損益勘定を用いて洗い替えについてもモノを表示するとともに当期発生の評価損を投資有価証券評価損と表記している予備校の模範解答を見たことがありますが、予備校によって解答も異なりましたので(他の予備校は、洗い替えの評価損益と当期発生の評価損を通算して表示)、さらに明確ではありませんが、おそらく投資有価証券評価益でもってP/L上は表示するものと考えられます。 財務諸表等規則等に従う外部公表用損益計算書と私的な紙切れの試算表とでは求められる水準が異なり問題としては、後T/Bの時点でしか出題できなかったのではと…最札いたしますが、出題する側としても明確にルールが示されていないようなものを出題できないものと認識しておりますが。 予備校系のテキストでも、他の専門書などでも、そのことについて明確に記したものは見たことがありません。当然、そのような事象がおこるということを皆さん、認識しているとは思いますが。
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