大学の非常勤講師の雇い止め 五年間働いた大学の非常勤講師の雇い止め問題をいろいろと見ていました。

Question

大学の非常勤講師の雇い止め

五年間働いた大学の非常勤講師の雇い止め問題をいろいろと見ていました。正直、なぜ常勤の仕事に応募しなかったのか、そのための業績をつくらなかったのか、ふしぎでなりません。もちろん応募してもだめであり続けたパターンもあるのでしょうが、見た限り、業績がとにかくない例ばかりでした。

また自身のアイデンティティを研究者というよりは教育者であることに見出し、常勤の教員がろくに教育をしないと批判している例もあったのですが、こうした人だと尚更常勤にはつけないので、自分で自分の首を絞めているようにしか見えません。

皆さんの周りの状況やご意見をお教えいただければ幸いです。

Answer 1

それはちょっと違うかなぁ

大学の講師の場合

常勤さん足りませんよ、募集していますよ、よかったら正社員の道あるよ

こういう募集の仕方がそもそもあんまりない。
それは各自の研究室で自分のところの卒業生で大学に残る人間を中心に組む勢力と、きちんと業績のある経験者を公募で外部から募集したり、そういう方が中心です。

非常勤の人たちは、もともと、非常勤だけど、足りない穴を埋めませんか
ということで契約した人が多いと思います。

そら、ずっと仕事をくれるのは嬉しいけど、そういう席は余っていないもの

だから、ベテランと言っても契約するコマ数は少ないし、収入もそれほどでもない、大学のコマの増減、ようは需給に合わせて働く人たちなんです。

この人たちにとってみると5年ルールというのは困りものの制度でもあるのです。

お互い合意の上での「穴埋めは穴埋めです」「今年の穴は大きかったり小さかったりする」そんな仕事を毎年やっている人に5年たったら無期にできますなんてことは意味がないじゃないですか。むしろ、大学側の「相手に言われたら無期にしなきゃいけない」という恐怖感を与えるだけマイナス要素が強いんです。

なので、本当は法律を作るときに、こういう制度が合う人も合わない人もいるので、困ったときに労働者の方から「権利を行使しない宣言」が出来るようにしましょう

こういう事ならよかった
この人は宣言しているから、雇いやめとか考えずに、需要があるときずっとお願いしよう。宣言してもらえると無期を考えなくていいから安心です

だって非常勤だもの、末永く、都合のいいように使ってください。
これが一番の良好な関係なんです。

うまく伝わるかどうか…・
「君とは一生結婚できないけど、都合のいい間は、末永く愛人でいようね」
「私もそれが一番助かる、お互い都合のいい時だけ、いい関係でいましょう」

非常勤にはこういう関係を望む人もいる

Answer 2

まず、常勤ポストが、人件費抑制のため、国立大学を中心にどんどん削減されています。そして、常勤ポストとして公募されるのは、たいてい、准教授以上。ですので、常勤にアプライしようとすれば、准教授にふさわしい業績を上げざるを得ず、そのためには、期限付きの助教なり研究員のポストにアプライするよりないわけです。
そして、その業績にカウントされるのは、多くの場合、研究であって教育ではありません（明治の齋藤孝教授のような特別な教育法を開発した人でもなければ、簡単に教育の良しあしの評価はできませんし、かりに開発したとしても、5年での評価は難しいでしょう。）。
しかしながら、研究に関しても5年で成果が上げられる研究というのは、正直言って、深みのあるものではなく直ちに結果が出る者に限られるわけで、特に、基礎分野では5年で成果が出ることなど、まずないわけで、そうなると、とにかく研究成果を上げるために、教育の工夫をするより、研究に没頭せざるを得なくなるわけです。つまり、応募者としてもやりたくてこういうやり方をしているわけではなく、状況が必然的にこういう結果をもたらしているだけです。

そもそも、この問題の背景には、左記に挙げた常勤ポスト減という問題のほかに、もう一つ、「労働契約法」という一般企業における非正規労働者の処遇改善を目指した法律を大学教員にも当てはめたことに問題があったわけで、当初は、大学教員であっても有期雇用の上限を5年とされることについて、文部科学省がその問題点き気づかず、後になって、大学の教員等の任期に関する法律という別の法律で、大学教員については、5年でなく10年とすると改めるという、大失策をしでかしています。要するに、国の方が、こういう不安定な状況にある教員のポストをどう扱うべきかという明確な方針を持っていないことが問題だと思います。