阪大医学部卒の者です。 旧帝医学部(特に阪大)を目指す利点に何があるかというご質問ですが、いろいろあると思います。 阪大は五大閥の一つで、多くの関連病院を持っています。しかも、一つ一つが大規模で、差があまりなく、大阪駅から1時間以内で電車で行ける範囲に集中しています。 具体的には、大阪府の堺市以北、泉佐野市、兵庫県の宝塚市、川西市、尼崎市、芦屋市、西宮市の国公立病院のほとんど全てと関西労災病院、警察病院、厚生年金病院、住友病院などです。裕福な自治体が多く、民度も比較的高いです。地方大学であれば喉から手が出るほど欲しいような病院ばかりがふんだんにあります。 オール阪大の病院がほとんどです。国立循環器病センターは京大も入っていますが、お膝元で阪大のお家芸ということもあり、部長以上の管理職は阪大が優勢です。 このため、阪神間に居住していれば、転勤しても通勤の方角が変わるだけで、転居の必要がなく、生活ぶりは変わりません。また、大学で研究生をしているときが苦しいですが、大阪は病院が多く給料も比較的高いので、アルバイトで生計が立てやすいです。このため、卒業後の待遇は大変恵まれています。似たり寄ったりの病院ばかりなので、不平不満が出にくく、人事上の問題が日本一少ないと言われています。そのため、医局の雰囲気は和気あいあいとしており、「皆で儲けましょ」という何とも浪花らしい雰囲気があふれています。少し暢気すぎるのかもしれません。 また、大阪は腕を磨くには適した土地です。大阪人は健康に無関心な人が多いのか、教科書に出てくるような典型的な症状の揃った患者さんが搬送されてきます。医師の腕は重症患者をどれだけたくさん診療したかで決まってきますが、大阪は症例に事欠きません。特に救急救命センターなどに勤務すればまたたく間に腕が上がるでしょう。 京大の場合、関連病院の分布が静岡県から福岡県にわたっており、しかも地方の割合が比較的多いので、転勤が大変です。日赤、済生会という名誉ある病院も京大閥ですが、いかんせん給料が安いことでも有名です。また、地方では地元の大学とのあつれきがあります。最近では大津市民病院の事件が記憶に新しいところです。 東大の場合、アカデミックポストが多いのが特徴で、開業医になるとか美容外科をやりたいとか思っていても言い出しにくい雰囲気があると聞きますが、阪大の場合、そのようなことはありません。また、都内は私立医大が乱立しており、生活費が高い割にアルバイト料が安いと聞きます。 なお、大学で研究をしながら臨床に従事することもできます。第1内科は東大第3内科と並んで日本で最大級の医局です。第2内科の内分泌代謝学、第3内科の免疫学、第1外科の心臓外科、第2外科の肝臓外科などは世界的に有名でノーベル賞がいつ出てもおかしくはないです。 関連大学としては、愛媛大学、兵庫医大があります。この他、和歌山医大や滋賀医大などにも教官を送っています。 日本医学会の会長は長らく東大閥が独占してきましたが、現在は阪大出身者が就任しています。 適塾由来という名門医学部で、医学界に確固たる地歩を持ち、医学界の頂点を目指せる大学だと言えます。 研究をしたければ環境が整っているし、お金儲けに徹したいと思えばいくらでもできる、個人の自由でどんな道でも選択できるのが、阪大の良いところです。 白い巨塔で東教授が、母校の東都大学教授にはなれなれず失意を抱いた時期があったものの、浪速大学に来てみると実入りが良く、まあ悪くはなかったなと回想するシーンがあります。端的に言えば、阪大はそういう感じですね。是非、財前五郎を目指してください。
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