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ご提示のサイトを見てみましたが、意図してなのかそうでないのか、事実と違うことを書いている部分がありますね。 まずご質問の「平均年収のデータ」は、どこかの単位会(都道府県行政書士会)が「専業者に限った平均年収」という統計を会報に出していましたのでその数字が独り歩きしたものではないかと思います。 3年以内の廃業率というのは、私が知る限り有名な「ヒヨコ食い」さんが「新規開業者の数と廃業者の数を突き合せればこうなる」という趣旨でブログに書いていました。ですがそのヒヨコ食いさんが取り上げたのは年度替わりの時でしたので、人の出入りが激しいときですからある意味当たり前です。なおヒヨコ食いについては後述します。 私が見てその記事の中で明確に事実に反すると思えることを列挙しますね。 >「副業の行政書士」も多いです。 どのぐらい以上を「多い」とするのかよくわかりませんが、少なくとも割合からしたらごくわずかでしょう。 なぜかと言うと行政書士の最大の仕事である「役所とのやりとり」が土日は出来ないからです。役所とのやりとりをして欲しいと行政書士に依頼するのは大抵企業ですから、ここのやりとりも週末だけというわけには行きません。 というわけで土日のみ行政書士がやれることと言えば私文書の代筆ぐらいしかなく、単価も安ければ紹介で連鎖して入ってくる仕事でもありません。最初から儲からない仕事をしている人の話を出しておいて「行政書士というものは儲からない」と一般化するのはどうかと思います。 >行政書士は稼げません。 >理由は下記の3つ。 >1.仕事の単価が安い (以下略) 仕事の単価は少なくとも「行政書士の仕事は安い」と言い切ってしまえるほど安くはありません。特殊な許認可の仕事について詳しければ1件あたりの単価にしても7桁に届くこともあります。 >しかもこれ1回きりの収入だし、仕事が終わったらまた新規の案件の営業をしないといけません。 そういう面もなくはありませんが、許認可の仕事を通じて社長さんに可愛がっていただけるようになれば、紹介で仕事が連鎖することもあります。社長さんというのは孤独な仕事なんです。腹を割って話し合えるのは同じ地域で仲良くなった(競合しない)他の会社の社長さんぐらいなので、中小企業の社長さんにアピールすればどんどん仕事はつながっていきます。 >しかもこれからは、AIが書類を作ってくれる時代。 >行政書士自体が必要なくなる時代 なんか評価する人も怖がる人も「AIが仕事をする」を過大評価しているように見えます。 「AをBしてCにしよう」ということを考えたとき、AIは「BしてCにする」ところの手伝いが出来るだけで、AをCにするという最初の発想はどこまで行っても人間がやるしかありません。 そして「Bして」という行為が専門性が高いものになればなるほどAIに取って代わられる可能性は低くなります。なぜかと言うと、ひとつにはAIとしてプログラミングすることが難しいから、もうひとつはそんな需要の少ないAIを作っても割に合わないからです。 登記は定型業務ですからAI化で司法書士の仕事は減るのではないかといわれています。ですが行政書士は残るとすら言う人もいますよ。 >行政書士の仕事の9割は、営業活動です。 そういう人も実際にいます。だけどそれのどこがいけないのでしょうか? 「バッジつけた人間が行った方が説得力がある」と言って自分はほとんど営業しかしておらず、実務は雇った事務員にやらせて最後にハンコだけは押す、という行政書士もいます。逆に営業部隊を雇って自分は書面作りに専念する人もいます。 そんなの、法に反しない限り自由でしょ?営業方針をとやかく言われる筋合いはない。 ただし、駆け出しでまだ未熟なときにそうそう簡単に人を雇うほどの収益は上がらないでしょうから、黒字化するまでにも被用者を食わせることが出来るぐらいの準備をする覚悟は要ります。 >行政書士の代表的な仕事は、下記のとおり。 (中略) >内容証明や公正証書の作成 >法人登記の書類作成 思わずにやりとしてしまいました。 内容証明は確かに扱っている人も多いです。しかし内容証明は国民全てに開かれている制度です。内容証明を作成したのが行政書士である必要はありません。弁護士や認定司法書士など「裁判やるんだったらこっちは臨戦態勢ですよ」というメッセージを送ることができる士業者だから意味があるんです。本業でやっていけてる行政書士は、内容証明の仕事なんて「頼まれたらやるけどね」ぐらいのものでしかありません。 そして公正証書の作成ですか。この人、公正証書って何なのかわかってませんね。 いろんなパターンはあり得るんですが、当事者の間で意見の相違があっていろいろ交渉したあと納得がいく同意がまとまったとして、それを文書にしてもらい、さらにその文書に裁判の最終判決と同じ効力を持たせるために作る、それが公正証書であり、それを作れるのは公証人です。 「手がけてる」と自称している行政書士がいることは私も把握していますが、そういう行政書士がやってるのは法の専門家たる公証人にズタボロに添削され、結局は公証人が一から作り直すようなことにしょっちゅうなります。 そんな一般市民の勘違いに過ぎないことを主力業務にしたらそりゃ短期廃業ですよ。 同様に登記関連も行政書士の仕事ではありません。これは司法書士がやるか、あるいは登記したい本人がやるかです。 >行政書士の仕事は10000種類はあるので、常に勉強が必要です。 私はずっとネットで行政書士のことについて見ているのですが「行政書士の仕事は××種類!」という数字はどんどん大きくなっています。最初は数千種類から始まって、10万種類なんてのも見ました。ですがそれを列挙した資料を見たことがありません。 日本全国でも1年に1件あるかないかの仕事なんて、覚える必要ありませんよね。極論、なんにも知らなくてもいいんですよ。依頼を受けて期日前に調べて形にできるのであれば。 >マーケティングは本で勉強できます >特にWebマーケティングが重要 要するにこの文章は「Webマーケティングが一番!」って言いたかったんでしょうね。でもそれ、違います。行政書士ほど実地営業が大事な仕事もあまりないでしょう。 本読んでWebマーケティングに詳しくなったつもりでWebサイトを作りSEOやリスティング広告をする。あとは依頼の電話を待つだけだ。そういう気分になっちゃった人限定で言えば、9割と言わず限りなく100%短期廃業ですよ。 再び極論すれば、行政書士は相手に「お願いします」と言わせる「頼れる感」さえあれば「依頼を受けた後に必死になって仕上げる」の繰り返しでだんだんスキルはついてきます。自分にそれだけの説得力があるか自信がなければ営業要員を雇えばいい。食わせないといけませんが。 新人行政書士なんて何も分かってないんだから不安で当たり前なんですよ。ですがわからないことを誰かに教えてもらえることを期待したり、デスクの上での勉強でわかった気になったりしちゃダメなんです。体当たりで(主に中小企業に)営業して依頼を取って、必死になって仕上げる。必要なら1日に何度でも許認可の件を訊きに役所に運ぶ。そんなことを繰り返して少しずつ経験がついていくものです。 そういう新人の不安感につけ込み「役立つことを教えてあげる」と言って新人からお金を巻き上げる人を「ヒヨコ食い」と言います。役に立つことはほとんどありません。 仰ってるサイトも挙げられてる本をAmazonにリンクさせてるようですから広告収入は入ってるはずで、規模は小さいながらもヒヨコ食いですね。 ただ、厳しい仕事であること自体は嘘ではありません。でも、起業ってそういうものです。最初は四苦八苦の連続です。経験はあとからついてきます。 「辛うじて食えてるけど今後成長する見込もないし辞めようにも抱えてる案件の振り先がない。こんな状態の中で歳だけは取っていくから転職も不利」なんていう「食えない」より怖い事態もあり得ます。 私からのアドバイスを書いておきますと 1.自分は何を売りたいのか? 2.それを売るために、本当に行政書士資格は必要か? これだけはじっくりと考えておいて下さい。 長くなりましたが、言わずにいられませんでした。 いずれにせよ、ご健闘をお祈りいたします。
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