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司法試験予備試験 民法「地役権」 物権的請求権として、妨害排除請求権、予防請求権が含まれ、返還請求権は含まれないのはなぜですか?
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所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する(民法206条)ところ、所有権以外の権利を原因とした返還請求権は権利を行使した者の元に占有を移転させるため、所有者の自由な使用、収益及び処分を許さず、制限を生じさせます。 だから原則、返還請求権を認めないのです。例外として所有者以外の権利者に返還請求権を認めさせないと当該権利者の権利を侵害し、所有者の権利を制約してもなお当該権利者の権利を保護する事が妥当な場合に返還請求権が認められます。 権利者は所有者に使用を求めることができるにもかかわらず、あえて自らの下に占有を移転させねばならない状況とは、所有者自身が当該権利の行使を妨害していて、占有をしなければ妨害を排除できない状況です。 そして、そのような場合、返還請求権を認めることにつき、原因となる権利はあらかじめ所有者が設定したものであり、妨害の内容は所有者自らが把握しているのですから、所有者は返還請求権を行使されることにつき予想し得るのです。 ここまでで所有者以外の者に返還請求権が認められるための理由が明確になりました。 地役権は設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(民法280条1項本文)です。 設定行為で定めた目的を達成できればよく、地役権者の下に占有を移転させなくとも、妨害排除や予防さえできれば目的は達成できます。 例えば、甲地にいたるための乙地通行地役権は、乙地の所有者がどうあれ、甲地所有者としては乙地を通行目的で通れさえすればいいのです。乙地所有者やその他のものが乙地をどう使っていようと、地役権者としては甲地にさえいければよいのです。 一方で地役権が設定された土地(承役地)は設定されていない土地と比べて安価になるが、売買の対象にはなりますし、そのような土地の所有者の自由な使用、処分を認める必要があります。 処分されたとしても、承継人に対してなお地役権の主張ができます。 こう考えると地役権にとっては返還請求権はオーバースペックな請求権となります。 そのため、地役権には妨排請求権や予防請求権が認められても、返還請求権までは認められないということなのです。
地役権は、土地を通行等に使用する権利なので、返還請求権を観念できないためです。
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