陸上自衛隊の特殊作戦群にしか学ぶことが出来ない訓練はありますか？特殊部隊戦術、専門教育、人質救出など。

Question

陸上自衛隊の特殊作戦群にしか学ぶことが出来ない訓練はありますか？特殊部隊戦術、専門教育、人質救出など。

Answer 1

その名称の通り"特殊作戦"に関わる訓練ですが、元特戦群群長の荒谷卓氏が群長を務めた後にインタビューで「特殊作戦といってもその国の特殊部隊がそれぞれどういった任務を課されているのかによって全く違うものになります。正規軍の様なスタンダードなかたちというものはありません」とおっしゃっている事から、特戦群の特殊作戦と他国軍特殊部隊の特殊作戦は厳密には異なる事が伺えます。ただ後述する様に一部の特殊作戦に関する訓練は被ります。
https://musubinosato.jp/wp-content/uploads/2020/01/01608e0b970a9e2922140a0bf31e61c1.pdf

日本は具体的な情報は一切挙げていませんが、師匠にあたる米側が挙げている公開情報としては、米陸軍ジョンFケネディ特殊戦スクールアンドセンター/最先端特殊作戦センターの公式サイトから閲覧可能な機関紙「Special Warfare(特殊戦)」の2013年度版14ページ( https://www.soc.mil/SWCS/SWmag/archive/SW2701/JAN-MAR_2013web.pdf )にアジア･太平洋地域担当の米陸軍グリーンベレー第1特殊部隊グループと特戦群が毎年秋にJBLM(米ワシントン州の米陸軍施設)で合同訓練している他、「日本の部隊(特戦群)は防御部隊としてしか訓練できない為、教える事が出来るスキルは他のパートナー(友好国の特殊部隊等)に教えるスキルとは異なる」等と記載、2017年度版83ページ( https://www.soc.mil/SWCS/SWmag/archive/SW3004/30-4_Oct_Dec_2017_vWeb.pdf )には沖縄の米陸軍トリイステーションに駐留するグリーンベレー第1特殊部隊グループ第1大隊と特戦群の関係性や日本国内における各種合同訓練(習志野及び沖縄での直接行動･人質救出･都市移動･ヘリ及び車両での機動性等様々な訓練を実施した)が普通に記載され、グリーンベレーの隊員らと共に特戦群隊員も写っています。
更に同センターに留学し、Qコースを突破すればグリーンベレーと同等の訓練を受けた事になります。これは自衛隊の中でも特戦群(特戦群の中でも極一部の隊員)にしか出来ません。

あとは元米陸軍第75レンジャー連隊その後グリーンベレーの"ジャック"と元第75レンジャー連隊その後CIA準軍事部門SAC(特別行動センター)の請負人の"デイブ"が番組ホストを務め、各国の特殊部隊員や諜報･情報機関等で勤務経験のある者がゲストに呼ばれ、インタビューや3人で"特殊作戦･秘密作戦･インテリジェンス(諜報)"等について語り合うマニアックなチャンネル「The Team House」があり、2週間前に元グリーンベレー第1特殊部隊グループの隊員で特戦群の創設期に特戦群と関わった事もある隊員が出演しました。
それでホストに特戦群の設立目的やどの様な任務を行うのか等を聞かれ「full spectrum of special operations(全範囲(領域)における特殊作戦。我々と沢山の訓練をしたetc..」等々おっしゃってましたが具体的な訓練内容については一切明かしていませんでした。
https://youtu.be/rOgFCTTiHlA (1:26:37〜特戦群に関して)

因みに米海軍特殊作戦コマンドの機関紙にはカリフォルニア州コロネード基地における海自特別警備隊とネイビーシールズによる合同訓練等に関して記載され、特警隊員の写真やある特警隊員のフルネームまで記載されていましたがこちらは既に削除されています。

日本国内では自衛隊の両公式特殊部隊は機密性が非常に高いですが、米側がここまで内部情報を公開していれば十分でしょう(ただ日本政府や防衛省･自衛隊がこの件に関してどう思っているのかは不明)。
これ以上の事は特戦群に所属する者や一部関係者にしか分からず、当然その様な機密情報は今後も明かされないと思われます。