全商簿記2級は3番を落としても、 仕訳と4番の損益計算書・貸借対照表ができるかがまずは重要です。 正直、4番は仕訳の次に簡単です。 パターンも決まっていますし、付記事項と決算整理事項のパターンもある程度決まっています。 仕訳と2番はできていると言う事なので、 ここでは4番を中心に解説していきます。 【全商簿記2級 第83回:大門4】 この問題は定番問題で、損益計算書と貸借対照表を作成させる問題です。 付記事項・決算整理事項ともに標準レベルの問題です。 解き方としては、付記事項と決算整理事項の仕訳を書き、 元帳勘定残高(期首に該当)の金額をもとに、期中取引でどういった処理がされているのか?を計算しつつ、財務諸表に勘定科目と金額を記載していきます。 どういった勘定科目が資産・負債・純資産に該当するかも理解しておきましょう。 ★付記事項★ ①商品の注文を受けて【内金】200,000を受け取っていて、 売掛金の回収額として処理したので、これを修正する。 ■売掛金 200,000 / 前受金 200,000 売掛金の回収と言う事なので、売掛金が減ります。 事前にお金を受け取っていたのですが、それがなくなってしまったので【前受金】自体がなくなるということです。 ただ、今回は上記の説明を修正すると言う事なので、 逆仕訳になります。 ★決算整理事項★ a.期末商品棚卸高 1,630,000 ■仕入 1,870,000 / 繰越商品 1,870,000 繰越商品 1,630,000 / 繰越商品 1,630,000 この形は定番です。 元帳勘定残高から【繰越商品 1,870,000】がありますね。 これが期首の時点での金額です。 決算時点では、1,630,000分だけ減っていると言う事です。 【しーくりくりしー】で覚えてください。 b.貸倒見積高 ⇒受取手形と売掛金の期末残高・それぞれ2%を見積もり、貸倒引当金を設定する。(差額補充法) この問題も難しくはないですが、 財務諸表に記載する際が少し戸惑うかもしれません。 仕訳自体は簡単なので、絶対に理解してください。 受取手形・売掛金それぞれの貸倒引当金から求めましょう。 ●受取手形:1,800,000×2%=36,000 ▲売掛金:(2,300,000+200,000)×2%=50,000 ※売掛金の処理は注意してください。 付記事項にて、売掛金が増加しています。 元帳の金額と足して、貸倒引当金を求めていきます。 最後に、差額補充法では元帳の貸倒引当金の金額と、 今回二つの貸倒引当金を出した金額の差額分を補充します。 つまり、ここで【貸倒引当金繰入】という物が出てきます。 二つの貸倒引当金を足し、元帳の貸倒引当金を引けば答えが出ます。 ■貸倒引当金繰入 79,000 / 貸倒引当金 79,000 c.備品(減価償却) ⇒定率法・償却率25% 試験では、定額法と定率法の両方ができるように。 定率法:(取得原価-減価償却累計額)×償却率 ※基本は備品のみに適用されます。 建物は定額法が一般です。 上記の式に当てはめればできるので、特に難しくありません。 元帳の備品と備品減価償却累計額を引っ張ってきましょう。 (1,200,000-300,000)×25%=225,000 ■減価償却費 225,000 / 備品減価償却累計額 225,000 上記仕訳は【間接法】の書き方です。 全商簿記では、直接法はほとんど出題されないのですが、 仮に日商簿記を受験される場合は、この違いも覚えておいてください。 ※直接法で書けと記載がない場合は、間接法である上記仕訳で問題ありません。 d.有価証券 売買を目的とし、時価で評価する。 帳簿価額と時価の差を求める必要があります。 今回は【帳簿】の方が大きいので、損失が発生しますね。 1株60,000を24株保有しているので、それをかけます。 時価の方も同様です。 ※ちなみに、この帳簿価額は【元帳の金額】と一致します。 帳簿価額 1,440,000-時価 1,368,000=72,000 ■有価証券評価損 72,000 / 有価証券 72,000 時価の方が少ないので、【有価証券評価損】という勘定科目が発生します。 相手勘定は有価証券です。 ※仮に、時価の方が大きければ【有価証券評価益】です。 e.消耗品未使用 34,000 消耗すべき商品を使っていないという事です。 つまり、【消耗品】の増加です。 相手勘定はその費用に対するので、【消耗品費】です。 ■消耗品 34,000 / 消耗品 34,000 f.保険料前払 ⇒保険料のうち168,000は本年3月1日から1年分を支払った。 前払高を次期に繰り延べ。 この問題で重要なのは、冒頭にあった(決算年1回 12月31日)です。 3月1日~1年分の保険料を支払いました。 今回聞いてるのは、前払分を次期に繰り延べよう。 ⇒決算である12月31日以降の分を前払計上しないといけないということです。 3月~12月までが10ヶ月分です。 それ以降の1と2月の2ヶ月分が前払保険料と言うわけです。 計算方法としては、保険料の168,000を2でかけて12で割れば求められます。 ■前払保険料 28,000 / 保険料 28,000 g.利息未払 5,000 特に難しくありません。 利息の5,000をまだ支払っていないので、支払利息と未払利息を計上します。 ■支払利息 5,000 / 未払利息 5,000 これで付記事項と決算整理事項の計算は終わりました。 あとは、元帳の金額と付記事項・決算整理事項で発生した勘定科目や金額を書けばいいだけです。反復練習が必要です。 文字数の関係で、損益計算書と貸借対照表の求め方については省略します。 後日、わからない事がありましたら遠慮なく質問してください。 その際に回答します。 他の過去問の一部わかりにくい付記事項・決算整理事項の解説もしておきます。 ★第82回:大門4 付記事項 備品Bを消耗品費で処理していたから、これを修正する。 修正前:消耗品費 / 備品 修正前はこうしていたけど、修正したから逆仕訳になります。 ■備品 / 消耗品費 ※仮に、この仕訳を出せなくても貸借対照表に既に【備品 1,800,000】と記載されています。ということは、備品が増えたのは一目でわかりますので、 ここから仕訳を出す事もできます。 備品減価償却:定額法 ⇒出てきましたね。前回は定率法で計算しましたが、 今回は定額法による問題です。 建物でも使えますので、是非とも理解してください。 定額法:(取得原価-残存価額)÷耐用年数 基本的な公式はこうなります。 備品A:1,500,000÷10=150,000(残存価額はないので省略) 備品B:300,000÷5=60,000(同上) 付記事項の備品B300,000がこの金額になるので、足す必要はありません。 ★第80回:大門4 利息未収:14,000 ⇒利息未払の逆だと思ってもらえれば大丈夫です。 未収と言う事なので、いずれは受け取る金額の事です。 ■未収利息 14,000 / 受取利息 14,000 ※なお、第80回では総勘定元帳の損益勘定と貸借対照表に関する問題です。 損益計算書と同じ感じですが、資本金が発生する事に注意してください。 過去問を中心にやっていくのがベストだと思われます。 一部初見問題も出題される事もありますが、 解けない場合は捨ててください。 できる所を中心に、 時間が余ったら捨て問に取り掛かってください。 頑張ってください。
とりあえずやれるだけやってみましょう!!
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