解決済み
成年後見人と成年被後見人の利益相反行為についてお尋ねします。 (解説1) 成年後見監督人が選任されていない場合において、成年被後見人が所有する不動産を、その成年後見人が代表取締役を務める株式会社に売却するときは、利益相反行為に該当する。 このため、特別代理人の選任があったことを証する情報を提供して、所有権の移転の登記を申請する。 と、解説書に書いてあります。 このケースにおいて、成年後見人は、株式会社に売却しているので、利益を受けるのは株式会社であると考えれば、利益相反行為には該当しないように思えてしまいます。 というのは、次のような解説もあるからです。 (解説2) 未成年の子が所有する不動産を、親権者が代表取締役である会社に売却することは、親権者と子との間の利益相反行為に該当しない。 解説2は、他の解説書にも、同様の説明がされており、その理由として、利益を受けるのは会社であって親権者ではないから、子と親権者との利益相反行為ではない旨解説されています。 そうすると、解説1においても、解説2と同様の結論が導き出せそうですが、どうして、解説1の場合には、成年後見人と成年被後見人の利益相反行為になるのでしょうか。
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親権者と成年後見人は同じ法定代理人ですが、その性質は大きく異なります。これは、親権者が「子の利益の為に」(820条)広い監護権を持っているからです。 そこで具体的には「子の利益」と「取引の安全」との調整の観点より、外形的客観的に子の不利益となるものだけが、利益相反取引とされるのです(外形説)(最高裁判例平成4年12月10日) これを前提にまず説明の都合で(解説2)を先に検討します。 この場合、外形的にみれば「利益を受けるのは会社であって親権者ではない」ことから、利益相反取引となりません。外形説の適用ですね。 次に(解説1)をみれば、「成年後見人が代表取締役社長である会社」に成年後見人自身が被後見人の土地を売るというケースです。これを実質的に見れば(実質説)完全な利益相反取引ですね。実質的にみて代理人が自分自身に売っているのと同じですから。 同じ法定代理人であっても、親権者は特別なのです。 ちなみに蛇足ですが、(解説2)では登記権利者である会社側からみれば、完全な利益相反取引ですから、会社法としての社内手続きが必要であることに留意ください。
私も解説2で考えていました。 成年後見人の利益相反行為は860条で規定されていますが、その内容は826条の親権者の利益相反行為の規定を準用しているだけなので、親権者と成年後見人とで差が出るのはおかしいですよね。 解説1の出典はどちらでしょうか。
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