解決済み
麻酔科の先生にご教授頂きたいと思い質問させて頂きます。 現在、オーストラリアの病院のリカバリー室に勤務しています看護師です。 アメリカではPACUと呼ばれているユニットです。 日本では私が知るところ、まだ設置している病院は少ないかと思うのですが、人工呼吸器からおりれないケースを除き、こちらでは病院内の全手術患者がリカバリー室でナース主体で抜管して覚醒後、病棟へ戻ります。 基本的に外科医・麻酔科医はよほど難しいケースを除き、不在です(彼らは次の手術の準備をしており、抜管後、無事かどうかだけ確認して次のケースの挿管に入ります)。 病院のポリシーで決められてるリカバリー退室基準があり、抜管後も落ち着いており、基準を満たしていればナース判断で患者を退室させます。 退室基準は主にセデーションスコア、ペインスコア、気道の安全性、術後合併症の有無から構成されています。 そのうち、気道の安全性には 1:枕から完全に頭を浮かせられる(頭を持ち上げられる) 2:咳ができる という2点が患者自身が気道を守る反射が回復している基準として明記されています。 このような状況下で今日、勤務中にちょっとトラブルがありました。 40代前半の鼻中隔造鼻術の女性患者さんでしたが、リカバリー室内での抜管はスムーズでバイタルサインも安定しており、ペインスコアも0でした。呼びかけに即反応があり、コミュニケーションに関してはこちらの問いに首振りや「んん」程度の声で答えることはできており、「Is everything okay?」の質問にも笑顔で反応していたので覚醒レベルとしてはなんの問題もないと判断しました。 また、咳ができるか、枕から頭を浮かせて保持できるかというオーダーにもしっかり応えることができたので、書類・規定上の退室基準は満たしていると判断し、病棟へ転送しました。 問題はここから浮上するのですが、病棟到着後に突然患者が声が出ない、と訴え始めました(全く発声が不可なのではなく極度の嗄声という感じでした)。 私としましては、咳もでき、気道保護のための頭部前屈動作にも問題がなく、質問への反応も声で話さないにしてもきちんとした反応はあったので、規定の項目にはないものですし、あえて言葉の確認まで執拗にしませんでしたが決められている規定の退室基準はクリアしているとの判断でした。しかし、病棟側は喉頭痙攣が起きる可能性を挙げ、退室基準を満たしていない、と主張してきました。 この件を受け、麻酔科医へはすぐ現状を報告しましたが、元より少し思い込みの激しい患者さんだったようで、あまり真剣にはとっておらず、術中はLMAチューブ(ラリンジールマスク)使用、筋弛緩剤は不使用のため声帯に直接害が加わるような要素はないとの説明と共に様子観察と症状が消失するまでは経口摂取は水のみで、という口答指示を受けました。 結局、患者さんはすぐにまた話し始め、結果的には何の問題もなく終わったのですが、今後もっともっときちんと安全なケアを提供できるよう、不明な点を明確にできたら、と思いました。 以下、明確にしたい疑問点です。 1: 今回のケースにて、患者が声が出ない、と訴え始めた際に考えられた原因をしいて挙げるなら、術中の鼻腔へのコカインスプレー投与か局所麻酔が流れ込んだ、という可能性があると思ったのですが、LMA使用時の声帯への流入は考慮するに値するものでしょうか? 2: 頭を持ち上げることができ、咳ができるが声が出ない、という状況での気道の安全性のアセスメントと、この状況で喉頭痙攣が起きる可能性について 3: また、抜管後、患者を病棟へ戻す判断をする立場として、上記2点に加えて発声の有無の確認は必須でしょうか? 自分でも帰宅後から色々可能な範囲で調べてみましたがなかなか直接関係する教材、文献が見つけられず難航しております。 諸先生方のご見解をお聞かせて頂けたら幸いです。また、リカバリー室勤務(抜管を含めた術直後)の看護師としてもっと知識を深めるためによいお勧めの教材がありましたら合わせて教えて頂けると有難いです。 どうぞよろしくお願い致します。
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1 考慮しなくて良いと思います 局所麻酔薬が少量垂れ込んだ程度で声が出なくなるとも思えないですね。挿管チューブにキシロカインゼリーを使用する施設もありますが、そのような場合でも抜管後会話は可能です。 また、局所麻酔薬のたれ込みが原因だとしたら、声門の運動神経が麻痺しているはずなので、咳もできません。また、改善は緩徐に出てくるはずです。今回の状況がわかりませんが、「すぐに出た」という表現を見る限りでは、回復は早かったのではないでしょうか。だとすると局所麻酔薬の可能性はほぼゼロといってもよいでしょう。 2 可能性がないとは言えませんが、評価項目にする必要があるかは疑問です。 喉頭痙攣が起こるリスクについて病棟が指摘しているのはドクターの判断でしょうか?的外れなような気がしますが。処置のため鼻腔に異物が残る以上、喉頭に血液や残存薬剤などのたれ込みがある可能性はあるわけで、通常時に比べると喉頭痙攣のリスクは高くなるとはいえますが、それは例えば「今ないから大丈夫」と言えるものではありません。病棟に戻ってから残存薬剤が声門に垂れ込み、喉頭痙攣を起こす可能性も理論上はゼロではありません(そのようなこと聞いたことはありませんが)。なので、そのリスクを考えるのであればいつまでも退室できません。 また、嗄声があったことから喉頭痙攣のリスクを挙げられても、症状と内容が合っていません。ほとんど言いがかりのような気がします。 3 必須とはいえないでしょう。 せっかく回復室にいるのであれば発声は見ても大した手間じゃないですし、良いかなとも思います。ただし、「発声ができる=気道の開通性」というわけではないので、気道評価としては微妙なところです。気道が通っていて十分な換気量があれば起動は保てているわけですからね。 それに、どこまで嗄声として判断するかの基準も難しいでしょう。 気道リスクとして厳密にするなら喉頭ファイバーで声門を見るなどの対応が必要となってきますが、鼻の手術でそこまでする必要はないでしょうね。
なるほど:3
声帯に局麻が流れ込んでも、まず表面に知覚消失しか起きないでしょう。すなわち、運動機能は低下するとはまず思えず、声帯麻痺にはならないと思われます。よって否定的。 頭部挙上などはあくまで筋弛緩作用の消失と意識の確認が目的です。ですので、喉頭痙攣(かどうかは別にして)が起こらないと判断する理由にはならないでしょう。 発声はなるべく確認するべきでしょう。声帯麻痺の有無を判断できますので。 病棟に聞いてみたら? では、あとどのような条件をチェックしたら、喉頭痙攣の起きる可能性を否定できるとお考えですか?って。 個人的には、ある程度の時間をかけて診る、が大切かなと。特に肥満患者さんは、パニックになって高度の吸気努力→肺水腫→再挿管なんてことがたまにありますからね。 海外の状況を知ることができ、とても興味深かったです。
1: 今回のケースにて、患者が声が出ない、と訴え始めた際に考えられた原因をしいて挙げるなら、術中の鼻腔へのコカインスプレー投与か局所麻酔が流れ込んだ、という可能性があると思ったのですが、LMA使用時の声帯への流入は考慮するに値するものでしょうか? 余程コカインを使用していなければ関係ないでしょう 2: 頭を持ち上げることができ、咳ができるが声が出ない、という状況での気道の安全性のアセスメントと、この状況で喉頭痙攣が起きる可能性について 声が普段通り出るのを確認するしていれば防げたでしょう 喉頭と鼻腔は接近しています 神経質な患者さんなら起きやすいでしょう 3: また、抜管後、患者を病棟へ戻す判断をする立場として、上記2点に加えて発声の有無の確認は必須でしょうか? 鼻腔、口腔や咽喉頭の手術では発生の確認はベターでしょう いつから普段通り発声が出来ましたか 原因は喉頭痙攣もありますし、神経質な性格もあるでしょう
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