簿記：貸倒引当金の仕訳について 以下の問題の仕訳を教えてください。 問題：得意先が倒産し、前期から繰り越されてき…

Question

簿記：貸倒引当金の仕訳について

以下の問題の仕訳を教えてください。
問題：得意先が倒産し、前期から繰り越されてきた売掛金のうち￥7,000が貸倒になった。【以下試算表の値】
売掛金 (借)￥571,400
貸倒引当金 (貸)￥14,500

既に貸倒引当金を貯めているので
(借)貸倒引当金繰入￥7,000 (貸)貸倒引当金￥7,000
と思いましたが、答えは違いました。
お手数ですが、答えと、なぜそうなるのか説明をよろしくお願いします。
実際に貸倒が発生したら貸倒引当金を貸倒引当金繰入に変更するものだと思っていました。

Answer 1

こんにちは！

まず、時系列の整理をします！(^_^)

①貸倒引当金の設定
(前期決算整理)
「過去の実績より、売上債権と貸付金はだいたい○○%が回収不可能になる。当期末の売上債権と貸付金の合計額が△△円だから、□□円の貸倒引当金が必要だ。現時点で貸倒引当金は◇◇円しかないから、差額の☆☆円を繰り入れよう」
↓仕訳
貸倒引当金繰入☆☆/貸倒引当金☆☆
※
将来に貸し倒れが起き「貸倒損失」を計上するのではなく、貸し倒れを高い確率で予測できて金額が見積可能なものに関しては早め早めに費用計上をします。それが「貸倒引当金繰入」という費用です。貸倒引当金は貸倒引当金繰入の相手勘定にすぎず、上記の仕訳の核となる考え方は「費用の早期計上(これを保守主義の原則といいます)」です。
↓上記の仕訳の結果
貸倒引当金の金額が14,500になります。

②当期に売掛金が貸し倒れる
①より、当期の貸し倒れを予測して前期決算整理で貸倒引当金が設定されました。なので新たに貸倒引当金繰入という費用を計上する必要はありません。まず、売掛金が貸し倒れる(=回収不能になる)ため、売掛金は減少します。それに伴って、貸倒引当金も取り崩します。ここで貸倒引当金の役目は終わるというわけです。
ただし、当社が保有する他の売上債権や貸付金に関する貸し倒れリスクがなくなったわけではないので、残りの貸倒引当金(14,500-7,000=7,500)については引き続き帳簿上に載り続けます。そして当期決算整理で①と同じ処理が行われます。

Answer 2

すでに前期以前に貸倒引当金繰入として将来の（当期も含む）損失を計上済の場合は、改めて当期の損失を計上するのではありません。その計上済の繰入額の枠を管理するために貸倒引当金勘定の充当を行います。

Answer 3

既出のご回答のとおり、「貸倒引当金/売掛金 7,000」が正解です。

>実際に貸倒が発生したら貸倒引当金を貸倒引当金繰入に変更するものだと思っていました。
残念ながら、ここが間違いの元です。

貸倒引当金は、将来の債権回収不能に備えておくものです。

備えるということは、実際に貸し倒れた時になるべく費用を計上しないようにする、ということです。備えの時に費用を計上して、実際に貸し倒れたら準備している貸倒引当金を使います。

なお、貸倒引当金は、売掛金その他の債権（資産）のマイナスとして表示します。そのため資産に影響します。貸倒引当金を増やせばそれだけ資産が減る、ということです。仮想のものではありません。「資産」は現物だけでない点にも着目してください。

念のため、学習簿記では貸倒引当金は差額補充法です。「貸倒引当金繰入には、差額補充法と洗い替え法がありますが」との回答があるようですが出鱈目です。また、税務は差額補充法と洗替法とを選択適用できます。「法人税法では洗い替え法が規定されています」との回答があるようですが出鱈目です。
http://pboki.com/boki3/allowance/kashibiki.html
http://www.century-partners.jp/article/14672645.html

Answer 4

貸倒引当金は、企業会計基準と税法による場合で貸倒引当金の計上の仕方に違いがありまが、簿記上で学ぶものですから基本的な事で良いでしょう。貸倒引当金繰入には、差額補充法と洗い替え法がありますが、法人税法では洗い替え法が規定されています。
質問の場合は、貸倒引当金残高が￥14,500あるのに対して、貸倒損失が￥7,000発生しているわけですから、貸倒損失は貸倒引当金でまかなう事が出来るものです。そして、￥7,500の剰余金が出ましたから、￥7,500は繰越利益剰余金に戻入することになります。