複合機，プリンター設計の志望動機． 当方就職活動中の大学生です． 設計職に興味があり，様々な企業の設計職を受けて…

Question

複合機，プリンター設計の志望動機．

当方就職活動中の大学生です．
設計職に興味があり，様々な企業の設計職を受けております．
しかし先日，ある複合機やプリンターの企業のOBと会った時に，「プリンターのどこに興味があるの？」
という，質問に満足に答えられませんでした．
今でも，自分の中で納得のいく回答が見つかりません．

皆様は，私のような質問をされた場合どのように回答するでしょうか？
是非参考にさせていただきたいと考えております．よろしくお願いします．

Answer 1

プリンタの修理屋です。

そのＯＢさんは「やめておけ」と言う意味で言ったのでしょうね。
それには強く同意します。

したがって、あなたが求める回答にはならないはず。

長引く不景気の影響もあるのですけど、世間の個人ユーザーさんは、いまだに大量の印刷をしたいのでしょうね。
その結果インク代のコストが問題となって、非純正インクを使用して、それによるトラブルの問題を抱えています。
最近はレーザープリンタにシフトするユーザーもいますけど、問題が変わるわけではありません。

歴史を見るとはっきりするのですけど、Windows95 が登場したとき、「これからは電子メールの時代。ペーパーレスの時代が来る。」と言われていました。
ところが、紙の消費は増えました。
それによってプリンタの需要が高まってプリンタも多く売れたというわけです。
それから２０年も経ち、先ほどの不景気の影響や森林保護なんて言う話も出て、やたらに印刷することもなくなってきました。

企業のオフィスでも、フロアの隅の方に大きな複合機を１台置いて、それですべてを済ませるというスタイルが多くなっています。
昔は、そういう機械も置きつつ、それぞれのデスクにインクジェットプリンタがあるなんて言う事も多かったです。

自分の守備範囲では、調剤薬局さんは大口のお客さんでした。
一か月に処方した薬のデーターを月末に集計して役所に請求していましたので、月末になると緊急での呼び出しが多かったです。
土日も深夜も関係ないような状態でした。
ところが、電子レセプトに移行して、そういう仕事もなくなりました。
昔は耐久性の高いＡ３プリンタが多かったですけど、今では安いＡ４機になっています。

プリンタ産業はインクやトナーなどの消耗品で利益を上げる産業です。
非純正品を使われたり、台数自体が減れば利益は出ません。

追い打ちをかけたのがスマホやタブレット。
最近あった補欠選挙の出口調査ではタブレットを使っていたそうです。
昔はアンケート用紙に書き込んでいました。
（１年前くらいの選挙で息子が出口調査に回答していましたが、その時は紙）

アンケート用紙の印刷も、その後の集計もいらなくなったわけです。

タブレットが普及することで、やっと現実が追いついてきたというわけです。

現実的な問題で行くと、プリンタの機能面ではほぼすべての事をやりつくしたという問題があります。
紙に印刷するだけなら20年くらい前のモデルで十分すぎる性能がありました。
その後に、年賀状、フチなし写真、レーベル印刷などの提案があって機能を追加して行ったのですけど、悪く言えば生き残りのための押し売りです。
重宝した人はいたでしょうけど、使わない人も多かったようです。
最近の機種ではそういう機能の見直しが進みました。

設計の現場は知りませんけど、現在は基本構造を大幅に変更するようなことは無いでしょうし、コストダウンを目的とした小変更が多いのでは？
ひょっとすると量産機は日本人が設計していないかも。
一部の高級機を除いて海外生産にシフトしています。
当初は日本で設計・試作を行って、生産のみを移管していたようですけど、どうやら現地で設計しているような気配です。

これが私の目から見たプリンタ産業の事情。
日本国内の話が中心ですけど、海外では少し事情も変わるかも。

それでも志望するというのであれば、設計ではなく「開発」とした方が良いでしょうね。
全く新しい印刷方式と言うのは、どこの会社でも求めているはずですしね。
そういう物を開発できれば世の中がひっくり返る可能性はあります。

かなり高いハードルになるでしょうし、（会社として）そういうバクチを打とうとすれば、まともな人間は採用しないかも。