解決済み
手話を学ぼうとしておられることそのものには感心します。がんばってください。 しかし「シゴト」にしようと思っているなら、手話の技法やサークル的な楽しさにばかり目を奪われないようにしてください。 ※ 耳の痛いこと書きますが、覚悟して下さい。「英語の手話」と書き込んでいる時点であなたは勉強不足です(理由はのちほど)。 ① 今でも日本の手話通訳は「福祉」の一環としてとらえられています。英日通訳という職業のことを「福祉の仕事」と呼びますか? 言わないでしょう? でも、ろう者は援助してあげなければならない “かわいそうな人々” だ、だから福祉で通訳を付けて救ってあげねば、というのが日本政府のスタンスです(正しい見方ではありませんが)。この分野で圧倒的に女性が多いのはそういう背景があるのです。 ② 英語の通訳者は ―― ピンからキリではありますが ―― 尊敬され憧れられるスペシャリストですし、好待遇も期待できます。 それに対し、日本で「手話でメシを食っている」人は本当に少数です。通訳者の大多数は地域登録ボランティアです(つまりおカネはもらえない ➡ おカネを稼げる別の仕事もしなければならない)。これでつながりましたね、女性が多いわけが。良し悪しは別にして、安心して手話に携われるのは専業主婦 ―― 別の稼ぎをしなければならないわけではない立場の人々です(こんなこと言ったら叱られますが)。あと、ひっきりなしに依頼が入るという業務量でもありません。ろう者の人口は全国で10万人もいない、と考えられています。 ③ 大抵のことは自分でしてしまうろう者たちですが、役所でのやり取りのような、ややこしい内容の現場に立ち会う通訳者の責任は重大です。病院で医師から受けるような健康や生命にかかわる説明を通訳するのもプレッシャーがかかります。 ④ そして最も難しいのが「割り切る」ことです。仲良くなったろう者にはずっと付いていてあげたい、何でもしてあげたい、と思うのはムリもありませんが、どこかで線を引かないと「通訳業務」なのかヘルパーさんなのかが分からなくなるし、他の通訳者とあまりにも違うレベルのサービスを提供すると不満や苦情のもとになります。「では△△時ですので今日はこれまで、サヨウナラ」と帰るのが何と難しいことか。 ********** うるさいこと言ってごめんなさい。国内でもこれだけハードルの高い仕事 ―― しかし金銭的には恵まれない仕事です。アメリカ手話(ASL といいます。英語の手話ではありません)で何かをする、となるとこの比ではありません。 報酬とかそんなのは関係ないというスタンスで働くのは立派ですし、本当の意味でろう者のお役に立って喜んでもらえるのはカネには代えられない満足感を味わえるでしょう。 なんにせよ、サークルなどでのろう者との交流で「なんだか楽しそうだから仕事にしよう……」というノリで手話を進路に選ぶのだけはお勧めしません。 しかし上記を覚悟の上で手話やその周辺のシゴトに取り組むのなら、モノの見方がグンと広がります。手話はれっきとした言語ですから、音声の日本語に対してもとても敏感になれますし、もしかすると別の言語への架け橋になるかもしれない。 取り組み始めて5年以上たったのにまだ一人前になれない中年者が若い方々にお伝えしたいことです。健闘を祈ります。
< 質問に関する求人 >
手話(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る