手元の『図書館情報学用語辞典 第2版』では、 「公共図書館が高齢者の身体機能や情報ニーズの特性を考慮に入れながら,その情報要求や読書要求に応えるために実施するサービス.成人サービスとしての側面と障害者サービスとしての側面を持つ.高齢者サービスの例としては,アウトリーチサービスによる図書の提供,大型活字本や拡大読書器の設置,図書館施設面での配慮,高齢者を対象とした催し物,レファレンスサービス,レフェラルサービスがあげられる.これらの高齢者サービスはいずれも障害者サービスの面を重視したものである.」 とありますね。 具体的に年齢を切ってサービスしている話はあまり聞きません。 まぁ、講座などはマーケティングの意味で、団塊の世代や80前後の人達など対象を選んだ内容を行うことは有りますが。講座の内容は、例えば相続や終活や年金や健康などから、セカンドライフを充実したものにするための文科系講座(例えば、高齢者向けのPCやカメラの使い方や歴史系講座など)もあります。専用のコーナーを作っている図書館もありますね。 田舎の方に行くと、住民やユーザーの半数近くが高齢者だったりします。そうなると、選書から何から成人サービスの基礎がその人たち向けになりますので、もはや高齢者サービス云々の話ではなくなります。マイノリティで特別な配慮が必要な人達が、普通のサラリーマンだったり普通の専業主婦だったり普通の小学生になりますから^^; ハンディキャップサービスの面から言えば、大活字や拡大読書器など以前に、カウンターに老眼鏡や拡大鏡が置いてあるなんてレベルからあります。(大活字や拡大読書器は、高齢者だけが使うものではありません。) 建物のバリアフリーは高齢者に関わらず当然の配慮ですし、アクセシビリティの向上も高齢者向けに限定せず広く行われています。例えば、図書館への来館が困難な人には郵送する、というようなことです。まぁ、予算の制限はありますが。 高齢者という意味では、2009年の著作権法改正で、「視覚障害者等のための複製等」が拡大されたこともあり、寝たきりや筋力低下などの理由で活字の本が読めない高齢者にも資料提供ができるようになっています。 後は、福祉施設などへの団体貸出などの施設間連携ですかね。 ちなみに、用語辞典だと「公共図書館」となっていますが、高齢者向けの図書館サービスは、公共図書館だけが行っているわけではありません。 昨今は福祉施設や高齢者住宅や病院やその他高齢者と密接な結びつきを持つ施設にも図書室や図書館がありますからね。単に、高齢者住宅の図書館のサービス対象に住民である高齢者以外が含まれないので、敢えて「高齢者サービス」と呼ばないだけです。
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