解決済み
マンション管理士、平成22年の問14です。〔問 14〕甲管理組合は、工務店Aに対して、マンションの敷地にある別棟の集会所の建替え工事を発注し、工事完了後、Aから当該集会所の引渡しを受けた。この場合における工事の瑕疵に関わる修補の請求又は損害賠償の請求に係る次の記述について、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 選択肢② 甲がAに対して相当の期間を定めて瑕疵の修補の請求を行うとともに、損害の賠償を請求したが、Aが瑕疵の修補義務も損害の賠償義務も履行しない場合、契約の目的を達することができないとして、甲は、契約を解除することができる。 これは、請負契約だから、工事完了前に限り契約の解除が出来る、という規定が適用されるため誤りだと思いました。しかし、違う理由で誤りでした。自分の、誤りの判断の仕方は、間違っているのでしょうか??
もしかしてなのですが、自分の考えは、あくまでも工事完了前の話であって、問題文に工事完了後と書かれているため、自分の考えは適用されないということでしょう?
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第635条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。 「仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないとき」の設例だから、しかも請負工事の対象が「建物その他の土地の工作物」だから、試験問題はこっちを聞いているのでしょう。 第641条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 マンション管理組合は、何も自分の気分が変わったからという理由で、損害賠償までして契約解除したいと言ってるわけじゃありませんよね。 もちろん、工事完了後なんだから641条が適用されず、だから解除できないのはその通りなんですが、工事完了後でも瑕疵があったら契約解除できる規定がある以上、635条が適用できるかどうかを考えるのが普通の考え方です。 で、瑕疵があって契約目的が達成できないので適用できそうだけど、建物その他の工作物だから解除できない、という流れでしょう。
本問の選択肢②を誤りとする根拠を民法635条に求めるのか、それとも、641条に求めるのか、ということですよね。以下、比較対照できるように2つの条文を貼り付けておきます。 第635条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。 第641条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 あなたは641条を適用して誤りだと判断したわけですが、しかし、641条は「完成しない間」を前提としていますね。本問はすでに工事が完成し引き渡していることが前提です。確かに641条を反対解釈すれば、工事完成後は契約解除ができないという解釈が成り立ちますが、反対解釈というのは明文規定が他にない場合に引き出す法解釈のテクニックであることにご注意ください。 ここではそんなテクニックは必要ありません。それよりも635条ただし書きがピタッと本問の前提条件に当てはまります。したがって、635条ただし書きを根拠とすべきだと思います。
そうだねえ。問題文にしっかり「工事完了後」と書いてあるので、あなたはまず「落ち着いて問題文をよく読むこと」を心がけるべきだと思います。 その上で、規定の正確な理解を深めることが肝要でしょうね。 この問題は基本的なことしか聞いていません。ヒネリも何もない問題なので、この辺は正確に回答できる必要があると思います。 もっとも、本試験においては「結果オーライ」になることもありますし、それで合格であればそれこそ「結果オーライ」でしょうけども。 正確な理解が出来ていないと、変なところで足下を掬われることになりかねません。「1点に泣く」事態を防ぐなら、冒頭の指摘を真摯に受け止められるべきかと思います。
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