解決済み
まず、行政書士ブームが下火になってきたことが挙げられるでしょう。 適当な(いい加減なという意味でなく)努力をすればなれる「先生」として行政書士は(「カバチタレ!」ブームなどもあり)熱狂的に受け入れられてきたわけですが、取っても仕事にはならないことが有名になりすぎました。一方でブームによって大量に行政書士会に落とされた受験料・登録料・会費は行政書士会をすっかり金満体質にしてしまい、行政書士会はブームが下火になるとともに合格者数の確保のためにテストの易化という禁じ手を使いました。結果、能力も意識も凡人以下のいい加減な行政書士が増えてしまい、ブームがその分早く去って行きました。 一方で、行政書士合格という実績は社労士の受験資格として使えるという事実があります。試験も、資格試験予備校や通信講座が必要とされるちょうどいい程度に難しい。行政書士と違い何をやる仕事かというのは比較的わかりやすいですし(正しいかどうかはともかく)、いわゆる「ブラック企業」の跳梁跋扈など必要とされそうなシーンも日本社会に比較的広く見られる。 社労士は女性に人気が高いんですが、会社勤めをしていて、女性から見て「差別されている」と思うことが多いんでしょう(実際に差別であるかどうかは別として)。そんな女性たちが結婚・妊娠・出産・育児という休業期間を経て、年齢的にもう会社勤めには戻れそうにもないししたくもないし、何か手に職を…と思った時にたどり着きがちな資格なんじゃないでしょうか。労働法知識を武器に男女差別職場をバッサバッサと切り倒す、という夢も見られますしね。 まあ実際にはそんなヒーロー的な活躍を出来る場は滅多になく、既にお答えがでているような会計ソフトに置き換え可能な地味な仕事が社労士の主な仕事なわけですが。 宅建はいつの時代も一定のニーズがあると思います。衣食住と言って人間が生きていく上で欠くべからざる三つの事柄のひとつについて重要な役割を果たす資格なわけですし、士業化に伴って注目度も増しています。行政書士受験生が腕試しに宅建を受ける時代はもう終わるでしょうね。 司法試験は…そうですねえ、制度改革が大失敗でしたねえ。ロースクールに通えば7~8割方は弁護士になれるという当初の触れ込みは何だったんでしょうか。最初本当にそれをやったら弁護士の粗製乱造になってしまい、結局合格率の引き締め。ヘタをすると鬱にもなりかねないような過酷な勉強を学生に課しても、修了までにかなりの受験生が経済的事情や勉強への疲れで脱落し、司法試験に受かるのはごくごく一部になってしまいました。 晴れて合格しても、司法修習生の間の費用が本人負担になってしまい、ロースクールに通うために作った借金がまた膨らむことになってしまいました。さらに、司法修習生を終えても、実績のある法律事務所で修行できる恵まれた新人弁護士は、ロースクール時代から「一流の学校の中でも優秀な生徒」として目をつけられていた学生だけ、そうでない新人弁護士は修行先を探し回った挙句結局見つからず、仕方なく専用電話として携帯電話を一台契約して自宅開業。仕事が取れずやめていくのは行政書士とよく似ています。 一方で、本当に優秀な学生はロースクールなんてしち面倒臭いことをしないで、予備試験でどんどん受験資格を得ていく。一目見てわかるくらいこっちのほうがロースクール生より優秀なので、大手法律事務所はこっちを取り合う。 私は個人的に、ロースクールは廃止して、予備試験合格者に「弁護補助士」資格を新設したらと思っています。そうすれば予備試験合格者は経済的に安定しながら将来へ向けての勉強もできることになります。まあ、雇ってくれる弁護士は自分で見つけてね、という制度にならざるを得ないと思いますが。 公認会計士、これも残念な資格になってしまいましたね。監査法人に就職しないと意味が無い資格なのですよねこれ。リーマン・ショックの時に公認会計士がものすごく不足することが明らかになり、合格者を増やしました。そもそも、監査法人の求人数に合わせて合格者数を決めてたような資格です。 で、ショックが過ぎ去ってみれば有資格者がダブつき始めて、求人数は激減、にも関わらず「規制改革」のひとつの目玉でもあった以上政府としても元に戻すわけにもいかない、結局「待機組(監査法人が求人したら応募しようと待ってる人たち)」ばかりが増えてしまいました。 税理士。ある税理士いわく、税理士資格は「足の裏についた米粒」だそうです。その心は「取らないと食えないが、取っても汚くて食えない」。科目積み上げ式という独特の制度は「少しづつ頑張ればオレだって」という夢を見せてしまいます。頑張って5科目積み上げても「実務経験」の壁があります。「税理士の実務経験積みたいので雇って下さい」なんて言って雇ってくれるところがあるわけがない。結局ここで挫折です。 早い段階から目標税理士という人も、大学で会計科目をふたつ取って、税理士事務所に徒弟制度のように就職、実務経験はこれ以上ありませんが、その一方で税法科目を勉強するのはすごく厳しい自律心が要ります。毎日の労働とその後の勉強でストレスから脱毛症になったりする人もいるそうです。 そこまでして取っても、税務署の退職組は税制の隅から隅まで知り抜いていてちょっとやそっとで太刀打ちできませんし、監査法人就職を諦めた公認会計士合格組の「天下り登録」も増えています。これも強敵です。 実はあるんですよね。税理士として生きていく方法。海外の会社ですが、Googleは利益と比較したら払っている税金はとても少ないことで有名です。世界中のタックス・ヘイヴンに利益を流すことにより極限まで節税しているわけです。日本でもこういうギリギリの節税法というのはもちろん需要があります。それに通じている税理士は引っ張りだこです。もちろん、表立って教えてくれる人は誰もいませんので、自分で研究するしかないわけですが。 まあひとつひとつ見ましたが、もう底が割れちゃった行政書士はともかく、他の資格は「成功する可能性はなくはない」だけに厄介です。個人的には「資格を取って仕事しよう」という考え方が、職業選択の余地を狭めているように思います。 資格を取って成功できるような人は資格がなくても成功できるくらいビジネス的な能力の高い人です。そうでない人は、資格を取ったからっていきなり能力が身につきはしません。 悲しい現実ですが、これを受け入れるしかないかなと。
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社労士は前から資格学校のラインナップでよく並んでいる気がします。ただ、業界としてはそんなに元気か?とも思います。一頃の年金相談なども下火だと思いますし、会計ソフトなどの進化で、社会保障関係の処理も経理担当者レベルで大方できるようになったからです。 あとは、程よく合格者が出にくいので合格まで時間がかかる割に、一般人でも頑張れば合格できる可能性を感じさせられるため、収益性がいいのではないでしょうか?
会社が元気になってきたからですよ。 土地の売買が盛んになれば、司法書士。 利益についての争いが多くなれば弁護士。 元気が無い時は会社の中で処理しなければならない事だったのですが、元気になってスペシャリストに依頼することが出来るようになったのです。
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