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司法書士試験の過去問で質問です。

司法書士試験の過去問で質問です。wセミナーの直前チェック、民法Ⅰ(総則・債権)P54の過去問についてです。 (問題) AがBの詐欺により、Bとの間でA所有の甲土地を売り渡す契約を締結したという事例に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはどれか。 (中略) エ Aは、詐欺の事実に気づいて売買契約の意思表示を取り消した場合において、Bへの所有権移転登記を経由していた時は、Bが第三者に転売した後であっても、Bに対しその登記の抹消を請求することができる。 (解説) 〇 本肢においてBが転売した第三者が善意であるか否かは明らかにされていないが、第三者が善意であれば、Aはその者に対抗できないことになる。しかし、対抗できるか否かの問題と詐欺による取消しを主張しうるか否かの問題は別問題であり、第三者の善意・悪意を問わず、AはBに対して登記の抹消を請求することができる。 上記のような解説があり、よく理解ができなかったため、ネットで検索してみたところ、下記の判例が出てきました。 前提条件として、A(取消権者)からBへ不動産の売却が行われ、登記の移動も行われているとする。その後にBからC(第3者)へこの不動産が売却されたものとする。 Aが詐欺を理由に取消を行い、取消前にBC間で売買と登記の移転が行われた場合は民法第96条3項によると「詐欺ニ因ル意思表示ノ取消ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス」と規定され、Aは登記の有無にかかわらず善意のCに対抗することはできないと考えることができる。判例においても、X(取消権者)がAに不動産を売却し登記の移転を行い、AはY(第3者)にこの不動産を譲渡して仮登記を行った。その後XがAの詐欺を理由とし取消を行い、Yに仮登記の抹消請求を起こした。原審はXの請求を認めたが、Yが自分は民法第96条3項の「善意の第3者」であると主張した請求を違法とした事例において、最高裁はYを「善意の第3者」としYに所有権を認めると判事した。(最判昭49・9・26民集28巻6号1213頁) 上記の解説と判例をすり合わせて考えると、問題文中のAは、第三者には請求できないが、Bには請求できる(しかし、現実的に登記は戻ってこない)と考えればよいのでしょうか? なお、こんな資料も見つけました。 登記原因の無効または取消しが第三者に対抗することができない場合(例えば、通謀虚偽表示による無効、詐欺による取消し等)には、第三者である登記名義人が登記の抹消を承諾しない限り、

補足

抹消の登記を申請することができない。なお、「真正な登記名義の回復」を登記原因とする所有権移転の登記を共同申請することはできる。 上記判例と、上記資料を見ると、直前チェックの解説が間違っているように思うのですが・・・どなたか解説をお願いします。

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回答(1件)

  • ベストアンサー

    直前チェックの解説が間違っているとは思えませんが。 つまり、Aとしては詐欺の相手方であるBに対しては、詐欺により売買契約の意思表示を取り消せます。その結果、売買契約自体が初めから無効であったことになります。従って、AはBに対して、所有権移転登記を抹消するように請求できます。 ただ、取り消しによる効果を第三者であるCに対抗できるかどうかは別問題です。Cが取り消し前の善意の第三者であれば、Aは取り消しによる遡及的無効をCに対抗できません(もっともCが保護されるためにはCが所有権移転登記をうけていなければならないかどうかについては、登記必要説と登記不要説があります。判例は仮登記の事例なので、はっきりしません)。 ここまでが、民法の話。 A→B→Cと不動産が売買され、それぞれ所有権移転登記がされている場合、登記名義をAに戻すには、不動産登記法上、二通りの方法があります。 ①Cの登記をCとBの共同申請で抹消、次いでBの登記をBとAの共同申請で抹消。 Bに抹消登記を請求をしても、まず、Cの登記を抹消しなければ、Bの登記も抹消できませんね。 ②C→Aに「真正な登記名義の回復」を原因として、CとAの共同申請で所有権移転登記をする。 Bに対する抹消登記請求権では、Cに対して移転登記を請求できませんね。ゆえに、Cが任意に移転登記に応じてくれなければどうしようもない。 ①、②どちらの方法でもCの協力を得るのは難しいと思います。 最終手段は裁判です。 Aは、B、Cに所有権移転登記抹消請求訴訟を提起する。又はCを相手に真正な登記名義の回復を原因として所有権移転登記請求訴訟を提起する。 Aは裁判でBの詐欺により売買の意思表示をし、それを取り消したから、売買が遡及的に無効になり、登記も無効になった旨を主張立証しなければなりません。それができないと敗訴です。また、それができたとしても、Cが取り消し前の善意の第三者であると主張し、Cの主張が認められると、Cには取り消しの効果を対抗できないので、Cには敗訴します。 質問者様の仰るとおり、民法上AがBに所有権移転登記の抹消請求ができるといっても、実際に登記名義を取り戻すのは難しいと思います。

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