このような訓練は、昨年度初めて実施され、今年度、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県などいくつかの都道府県が実施しました。もっとあると思いますが、把握していません。 これらは、保育士養成の短大や専門学校に委託して行われる公共職業訓練で、この訓練を雇用保険受給資格のある方が受講した場合は、2年間まるまる失業給付が受給できます。 ただでさえ授業料等が無料のうえに、そういったおいしすぎる特典がついていますので、ほぼ一緒に授業を受けるいわゆる本科生(受託学校に200万円くらいの入学金・授業料を払って授業を受けている「本当の」学生)からは、不公平すぎるといった声があがっており、実際、その格差は数百万円にのぼります。 一国民として見てみても、この類の職業訓練はごく一部の限られた人だけを特別厚遇するもので、「えっ、一人の訓練生に何百万円もお金かけちゃうの?ちょっと大盤振る舞い過ぎない?」という感じがします。 また、元々、こうした委託訓練を受託した短大・専門学校は、本来、若い女性を対象とした学校であるのに、男女雇用機会均等法の関係で職業訓練入校選考において男女差別を行ってはならないため、男性受講者が入ってきた学校では、混乱が起きる危険性があります。 おそらく、今年度受託した学校は、こうしたトラブルに懲りてもう2度と受託しないのではないかと思われます。 さらに、この類の職業訓練では保育士の訓練と介護福祉士の訓練が今行われていますが、介護福祉士については、資格取得制限が厳しくなり、来年度生以降は、短大・専門学校を卒業しただけでは取得できず試験に合格しなければならなくなったため、そういう意味でもこうした訓練が実施される可能性は小さくなりましょう。 従って、来年度、このような職業訓練が継続して行われるかどうかについては、あまり期待しすぎないほうがよいのではないでしょうか。
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