食品加工会社に長年勤務し、生産管理、品質管理、購買企画、研究開発を経て、工場次長をしておりました。 食に通じた免許を所有している方が、ユーザー(取引先業者、消費者など)に対して説得力もあり、採用率は高いように思います。菌検査・抗体検査等になれば、バイオテクノロジー、遺伝子工学、衛生工学、生命工学の出身が有利ですね。 市場動向調査・分析・解析、商品企画、見込積算、折衝・交渉、売上見込み、販売戦略、梱包・包装のデザイン・耐久性、工法改善、試作品による改善点の抽出(賞味期限、消費期限、腐食、変色、異臭など)、関連法規・規制・条例(食品衛生法、厚生労働省の告示、PL法、PN制度)等々の知識が必須となります。 百貨店や専門店等で売られている商品・製品をみて、見込積算(材料・素材費、人件費、設備費、加工費:調理・充填・印刷・梱包等、運搬・運送費等々のコスト)が出来ないといけません。 衛生管理では細菌検査、菌検体、データー収集して分析・解析、バイオテクノロジー、遺伝子工学、害虫駆除(ゴキブリ、ネズミ等の赤痢菌、ペスト菌等)、手洗い励行等、基本的な知識は必須です。 私が今まで勤務した食品加工会社の現場を教えましょう。 製菓は臭いに慣れること。チョコレート、ココア等の甘ったるい匂いを1日中嗅いでると吐き気がする。オレンジ等フルーツ特有の酸味の匂いもかなりきつい。終日ベタベタしている。終業後、洗浄・殺菌・滅菌・消毒をする。消毒液の匂いもかなりきつい。目が痛くなるし、咳き込んでしまう。 水産加工業も臭いはキツイ。ハエが飛び回らないようにハエ取り紙の取替え、殺虫剤の散布、ゴキブリホイホイ、ほう酸団子等のトラップ設置は必至です。毎日トラップを交換するが、いつも無数の昆虫が掛かっており、正直気持ちが悪い。 冷凍食品加工は温度・湿度に慣れること。製造ラインは寒くて風邪気になる。(私だけでなく他の社員もよく風邪・発熱で休んでいた)工場内は10度以下に設定しているので特に冬場は寒い。保管庫もマイナス15度なので強烈に寒くて防寒服を着て作業します。吐く息、鼻水がシャーベット状に凍る。 官能検査に気をつけること。毎日、同業者の商品、新商品の味付け、成分分析等、特に試飲試食して官能検査をする時は何種類、幾度も食べて飲んでの繰り返しで体を壊す社員が後をたたなかった。コンビニに納める弁当会社にいた時、工場長は9ヶ月で糖尿病、商品開発部のスタッフは1年で女性3人(急性糖尿病)、男性3人(高血圧、糖尿病)を患って、開発部員総入れ替えの人事異動が行われた。 作業姿は、帽子(会社によっては覆面マスク)、マスク、ビニール手袋、上下つなぎの作業服(会社によっては上下別のもある)、ゴム長、サロン、製造内容によっては保護メガネをつける場合がある。 爪(長い、マニキュア)、アクセサリー(時計、ピアス、ネックレス等)、香水、毛髪(長髪、染髪等)髭、持ち込み禁止品(携帯電話、会社規定外の腰に巻くベルト、バンドエイド、ボールペン等)、規制が厳しい。 現場入場は、まず、手洗い:水洗い30秒以上、石鹸手洗い60秒以上、再度水洗い30秒以上、消毒液に60秒以上両肘まで漬ける、次に、毛髪・糸くず・ごみ付着を両面テープのローラーで除去、そして、エアー洗浄30秒、さらに、粘着マットに乗って靴・ゴム長の裏のごみを除去、最後に、再度エアー洗浄30秒、ようやく、工場に入場となる。入場までに最低20分かかります。衛生面は厳しいです。 指先等を怪我して出血した場合、応急処置のバンドエイドで止血できれば作業に復帰、場合によってはそのまま帰宅してもらうことがある。血液は雑菌と言われ菌混入の恐れがあるので作業場を離れてもらいます。 砂糖、醤油、お酢、みりん等を扱って調味液・出汁を作る時、手にかかると痒くて湿疹が出来る。すぐに洗い流すこと。手肌のあれ、爪が割れることが多々ある。皮膚科でナンコーを処方してもらってた社員は結構いました。 製造ラインに配置されると立ちっぱなしです。座り作業は殆どありません。ライン休憩は製造商品によって違う。4時間休憩なしでライン稼動は結構ある。トイレに行きたい時は、ライン長、班長、リーダーを呼び、トイレに行く間変わりに作業してもらいます。 食品会社及び飲食店では必ず、検便検査(サルモネラ菌など)、定期健康診断では色彩・味覚・嗅覚異常検診があります。味覚障害、嗅覚障害があると商品開発業務に携るのは難しい。色彩については配列・配置・ディスプレイ・レイアウト能力に大きく関わってきます。色覚異常(色盲・色弱)は不利です。 食品業界に必要不可欠な知識・技術は沢山あります。頑張って専門知識を修養・習得して下さい。
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