先日とある番組で長距離トラック運転手の仕事を紹介してました。 大阪で積んで400キロ離れた富山に翌日卸す。 富山で地場の…

Question

先日とある番組で長距離トラック運転手の仕事を紹介してました。
大阪で積んで400キロ離れた富山に翌日卸す。
富山で地場の仕事をして同じ場所に戻りそこから積んで大阪の出発した場所に卸す。2泊3日の行程でした。
大型の低床で手積み手おろし無し。
稼げる月は70万円ほどになるって言ってたんですがどうやったらこんなに稼げるんですか？
1ヶ月のスケジュールが知りたいです。

Answer 1

現役長距離大型トラック運転手です。

私はトラック運転手暦30年以上で、2トントラックからステップアップして、長距離大型仕事がメインですが、長距離仕事が無い時やトレーラー運転手の人手が足りない時は地場仕事に戻る事も有ります。

基本的に、月曜日早朝に出発。拠点は東京です。先月の、とある1週間の流れを書きます。

月曜日早朝、東京の運送会社車庫を出発。首都高は料金高いので回避して、千葉県佐倉市の工場に到着。重機の部品等を積み（全て機械積み）、特殊な荷締め道具（レバーブロック、スタンションロック等）でガチガチに荷締め。同時に外装品等の美装品は、毛布に包んだりシェイプラップでグルグル巻きにして傷入り回避養生をする。荷物にシート掛けをして、荷主立ち合いで出発前チェック。

許可が出て出発、行き先は長崎県佐世保市。高速道路をひた走り、430休憩（４時間走り切る前に30分以上強制休憩、義務化）を繰り返して一日の労働時間上限まで西へ向かう。

宿泊を伴う場合、最長16時間までの労働が認められている。が、それは単発日の場合のみ。体調や休憩場所確保の為、車庫出発から14時間で本日の休憩場所（新名神高速道路の甲賀土山パーキング）に到着。食事をして、荷物とシート養生のチェックをして、車内で就寝。最低9時間以上、本来11時間以上は微動だに出来ません。

翌朝、携帯で遠隔点呼。アルコールチェック、血圧チェック、免許証をテレビ画面で点呼係とやり取り。

朝食を摂り、荷物の確認やホイールナットの打音チェック等をしてから出発。再び430休憩を意識しながら一路西へ。途中、山陽道の三木パーキングで早目の昼食と給油。再び走り出し、16時位に山口県の佐波川パーキングに到着。急いで駐車場所を確保（2024年問題で、夕方には大型車駐車スペースは埋め尽くされる）して、パーキング内の吉野家で早目の夕食。隣のセブンイレブンで翌日の食パン等を購入してからトラックで就寝。
また最低9時間、標準11時間は走行不可。

翌朝、また配車係と遠隔点呼。そしてパーキングから出発して、1時間半程走ると関門海峡を渡り（1km強の海上大橋）、九州入り。南下して鳥栖（とす）ジャンクションで西行きに。そのまま走り続け、吉野ケ里遺跡やハウステンボス等の看板を横目に走り続け、佐世保で降りる。そして目的地で荷降ろしをして、帰り荷が有れば積み込み。無ければ次の積み込み地へ。帰り荷の行き先で仕事を受けるか断るか決める。関東方面なら受けて、積み込み終了したらシート掛け。

荷主の許可を受けてから、走ってきた道を戻る。納品先は千葉県袖ケ浦市、距離約1350km。
佐波川パーキングを出てからの時間計算で、広島県の宮島パーキングに夕方着。夕食後、就寝。道中、430休憩時にコインシャワーのあるパーキングに寄って体を洗っています。

翌朝、点呼…東へ走り出し、昼間の点呼…
新名神高速道路の草津パーキングで430休憩と給油。再び走り出し、愛知県の刈谷パーキングに夕方着。昼食を摂り、点呼係と連絡…就寝…起床。
儀式を終え、出発。一路千葉県に向かう。

新東名高速道路をひた走り、首都高速からアクアラインに入り海ほたるパーキングで食事。点呼…就寝…起床…出発。
袖ケ浦インターで降りて、受付に記帳し順番取りで並ぶ。携帯で呼び出され、指定の所へ先導されてシート養生を外す。
着荷主チェックでOKが出たら、荷卸し（クレーン吊り、一体3トンの鉄鋼材を4体荷降ろし）。受領書を貰い、配車係に予定を確認後車庫に戻る。

翌日は休みなので、自宅に戻る。

こんな1週間でした。月曜日から土曜日まで全て外食で、シャワーや洗濯もパーキングで。ガソリンスタンドの宇佐美は一般道の所だとシャワーが無料で借りられるのですが、自分で掃除するのが面倒なのとトラック停めるスペースが無い時は諦めます。

1週間で走行距離は約3000km、軽油消費は900L。高速道路代は日を跨いでいるので深夜割引適用、往復で70000円位。

1週間での外食費は2万円、コインシャワー300円×5回で1500円、洗濯は一回、1200円。揉みほぐしマッサージ60分3300円位。飲み物代（お茶、エナジードリンク、眠気覚ましドリンク等）5000円。

こんな流れを週ごとに積み先や卸ろし先が変わり、地図を確認しながら積み荷の容姿などを事前チェックして、空いた時間にシートの破れなどを直したり車庫でオイル交換したり。

コレを1ヶ月ずっと行い、給料は総額で70万円+役職手当（部長職）10万円で総支給80万円です。そこから税金等を引かれると…（汗）

ですが、この稼ぎは年に数回のピーク時のみ。長距離仕事も帰り荷が無いと受けませんので、地場専門になる月も有ります。

クレーン付き大型車で朝から晩まで工事現場内クレーン作業者になったり、大型タンクローリーで油槽所からガソリンスタンド等に燃料を運んだりして、帰社後は人事担当者兼務なので求人募集の面接を行ったり…休む暇が有りません。

そんな月は総額で40万円位になります。

稼げても、必要経費が多過ぎて結局地場仕事の稼ぎと大して変わらなかったりします。

長文になりましたが、仕事の流れを書きました。大型ウイング車などは、もう少し件数が多いと思います。

私は基本的に四軸低床クレーン付き平ボディ乗りですので、ほぼ貸し切り仕事です。

参考になれば幸いです。