教えて!しごとの先生
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日本の銭湯は基本的に重油でお湯を沸かしていると思うのですが、古い銭湯だと廃材を燃やしてお湯を沸かしている所も少数あったと…

日本の銭湯は基本的に重油でお湯を沸かしていると思うのですが、古い銭湯だと廃材を燃やしてお湯を沸かしている所も少数あったと思います。Q1:廃材を燃やすに際して、行政からはそれなりに指導は入って来ているのでしょうか? Q2:廃材併用しようとするとスペースは結構食うのでしょうか?また現在やっていない所が新規に始めようとしたら、結構大変なのでしょうか? Q3:風呂屋のついでに、ピザやパンや焼き芋や陶器を」焼いたりしている所は無いのでしょうか?

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    江戸時代から銭湯は主に建築廃材の木材(薪)を燃料に使っていましたが、昭和戦後の1960~70年代に(当時は)木材よりずっと安価で、そして安定的に入手できた輸入重油をボイラーで燃やす銭湯が増えます。 重油ボイラーの方が薪を釜で燃やすより火力調節がはるかに簡単で、炎熱地獄の重労働から解放され人件費の節約にもなったのです。 さらに1990年代以降は都市ガスのボイラーを使う入浴施設が増えました。都市ガスは取扱いが重油よりさらに簡単で、排気もクリーンで煤も溜まらず、大きな煙突も不要です。最近の駅前のビル等に入居しているスーパー銭湯やサウナに大きな煙突が見当たらないのは都市ガスを熱源にしているからです。 しかし昔ながらの薪で沸かす湯は火力が弱いぶん時間をかけゆっくり加熱されるので湯が柔らかいという特性があり、この浴感を守るためあえて木材にこだわる銭湯も一部にしっかり残っています。 また重油代が高騰している一方で建築廃材は安価になっており、重労働で火力調整に手間はかかるけれど、コスト重視で燃料を木材に戻した銭湯も、あるにはあります。「薪で沸かした優しく柔らかい湯です」と宣伝して、家風呂のある人にも銭湯の良さをアピールできますしね。 Q1: 江戸時代以来、建築廃材の最大の引き取り手は銭湯でした。昭和戦後の1950年代も、建築廃材の約60%は銭湯が買っていたとされます。高度成長期以前の日本家屋はほとんど木造で、取り壊した廃材は、その半分以上は銭湯が燃料として買い取り、また新しく建てる家屋の建材として再利用される古材も少なくありませんでした。銭湯で木材が燃やされて生じた灰は、肥料として農家が買い取りました。 かつての日本では、灰まで無駄にしない、エコでサステナブルなリサイクル・システムが出来上がっていたのです。 銭湯はそのシステムの中核をなす重要な存在。かつての銭湯は国民の公衆衛生上必須不可欠の公共的役割を担っていましたから、行政も銭湯が建築廃材を引き取って燃料にすることを規制するよりは、むしろ積極的に推奨してきた歴史的経緯があります。 とは言え、年中ガンガン火を焚く銭湯は火事の火元になりやすく、木造家屋が密集していたかつての都市部では、銭湯は非常に危険な施設には違いありません。特に木材を主燃料としていた時代、木材を燃やすと大量の煤・火の粉が出ます。煙突から火が付いた状態で煤が外に飛び散ると火災の原因になり大変危険なため、かつては銭湯は高い煙突を設けるよう義務づけられていました。 戦前は警察(内務省)が防火行政を担っていて、火気を扱う銭湯の監督官庁も警察庁でした。1931年(昭和6)の警察庁の示達で、銭湯の煙突は全国一律に高さ75尺(22.7m)の鉄筋コンクリート造とすることが義務づけられます。 戦後、公衆浴場法(主管は厚労省)が公布され、銭湯は警察から都道府県知事の許可事業になります。煙突の高さについての規制は各都道府県の条例に当初は戦前のまま踏襲されましたが、重油ボイラーが主体になったことで、次第に緩和・撤廃されていきました。 しかし一部の県では現在も煙突についての独自の規制を設けています。 例えば奈良県の公衆浴場法施行条例では「煙突は高さ18m以上の独立煙突とすること。但し(中略)知事が支障がないと認めたときはこの限りでない」と定めています。 なお建築廃材を有料で(商品として)銭湯が買い取る場合は、基本的に廃棄物処理法に定める「産業廃棄物」には該当しません。 ベニヤなどの合板や木製家具は、接着剤が使われているので燃やせませんが、銭湯が廃材の木材を燃料として使うことを直接規制する法規はありません。 もちろん公衆浴場法・消防法のほか、大気汚染防止法・ダイオキシン類対策特別措置法(接着剤の燃焼はこの法に抵触)・悪臭防止法などの環境法令、これらの法令に基づく都道府県等の条例は、事業者として守らないといけませんが、「銭湯が建築廃材を燃やすこと」に関して特段厳しい法的規制が課せられているとは言えません。 2000年(平成12)制定の建設リサイクル法では、80㎡以上の解体工事で生じた木材はリサイクルが義務づけられチップにしないといけないとか、リサイクル法に抵触する工事は解体業者がリサイクル工程を明記したマニフェストを作成しリサイクル処理業者に発行しないといけないとか、規制が厳しくなりました。 これに伴い銭湯も、解体業者から廃材を直接仕入れられずリサイクル業者を通さないといけないといった影響を受けているようです。 しかしこれも、法令遵守義務があるのは解体業者側であって、銭湯を直接規制するものではありません。 Q2: 湯を沸かすだけの熱量を得るのに、木材は重油に比べれば遥かに大きな場所をとります。薪を投入する釜も、今日使う分の薪を置いて置く釜焚き部屋も重油ボイラーの場合より広いスペースが必要です。 さらに、仕入れた木材をストックしておく置き場も確保しないといけません。建築廃材は、工業製品などと異なり毎日安定的に仕入れられるものではありません。不定期的に、一度にまとめてドンと出てくるものですから、例えばこの先一週間の営業に必要な薪の量を確保するには、出物があったときに全部押さえて在庫として持っておく必要があるわけです。在庫スペースにも用地が必要です。 昭和後期、多くの銭湯が燃料を木材から重油に切り換えた際、重油のボイラー室は木材ほど広い場所が要らないので、余ったスペースを浴室浴槽の拡大に使ったり、露天風呂や庭園を作ったりしました。 一旦このような改造を行った銭湯は、燃料を木材に戻そうとしても、それに必要なスペースがもう無いんですね。材木の形ではなく、木屑を固めて成形されたような燃料を使うのなら別かも知れませんが。 「現在やっていない所が新規に始めようとしたら、結構大変なのでしょうか?」 …銭湯(普通公衆浴場)の営業は、都道府県知事(政令指定都市や中核市はその首長)の許可制です。銭湯に必要な設備や構造を定めているのは公衆浴場法とその施行条例で、立地に関する規制もあります。もちろん消防法や、天然温泉を使う場合は温泉法、Q1で述べた環境法令にも従う必要はあります。 現在でもスーパー銭湯・サウナ・健康ランドや日帰り入浴施設(その他公衆浴場と呼ばれる施設)は公衆浴場法その他の法規に則ってたくさん新規オープンしているわけですし、その手の施設の中には木材で加熱していることを売りにしている所もありますから、不可能ってことはないと思います。 しかし町中の普通の銭湯(普通公衆浴場)というのは日に10軒ペースで廃業しているという完全な斜陽産業ですからね。かつては国民の衛生保持上必須の公共的性格の濃い施設でしたから政策的な手厚い保護は受けている業種なんですが、利用者激減という時代の流れには逆らえません。 政策上の補助を受けられることを理由にあえて新規に普通公衆浴場で営業許可を取る業者もいるやには聞きますが、常識的に、新規参入するに値するような経営環境の業種ではないでしょう。 Q3: 存じ上げませんが…、無いでしょうね。少し厳しい言い方をして大変失礼ですが、燃料に木材を使用する場合の火力・温度調整の困難さをご存知無さすぎです。ガスボイラーみたいに、スイッチを押せば勝手に温度調整してくれるような簡単なものではないのですから。 木材は元の木の種類や、厚み、その時々で含んでいる湿度によって燃え方が全然違います。生木と家屋廃材では燃え方がまったく違う。だから温度を一定に保つには釜の中の薪の燃え具合を絶えず観察して、薪を適宜追加したり減らしたり、空気を送ったりしないといけないのです。 薪でご飯を炊いていた昭和前半まで、家庭の主婦は一度火をつけたら火力を絶えず調整するためにかまどの前を離れられず、これは決して誇張ではなく、毎日何時間もかまどの前に屈んでいないといけませんでした。電気炊飯器の登場が、どれだけ主婦の家事負担を劇的に軽減したか、計り知れません。 家に風呂のある家庭でも、外の竃で誰かが薪をくべ、入浴者に湯加減を訊いて火量を調整しないといけませんでした。素人が風呂を沸かすときでさえそうです。 まして銭湯稼業の場合、釜の火量を絶えず見張り、薪を調節しての火力調整を営業時間中ぶっ通しで行わないといけません。炎熱地獄の重労働です。風呂屋の修行は薪入れに始まり薪入れに終ると言われるほど、経験と熟練を必要とする仕事でした。 そんな過酷かつ繊細な作業に終日取り組みながら、ついでに傍らでピザだの芋だのを焼けるはずがないでしょう。大体、風呂の湯を沸かすのとは必要な火力が全然違います。 風呂を沸かす火力でピザなんか入れたら、一瞬でまっ黒焦げですよ。反対に陶器を焼くレベルの大火力では、銭湯の建物が全焼します。 木材の釜はガスのボイラーみたいにスイッチ一つで火力を自在に調整なんて出来ないし、風呂を沸かすなりご飯なりピザなり陶器なりを焼くのに適した大きさと構造にしないといけません。一つの釜であれもこれも出来るということにはならないんです。

  • ①銭湯経営自体が、行政の許可営業ですからね。 ②私の実家の下町では、廃材と重油の併用が多かったですが それでも、廃材置き場は、まあまあな広さでしたね。 ③そんな時代じゃ無かったので…w

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