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「歌舞伎役者は家業として認められるのに、政治家の世襲は批判される」のは何故ですか? ,岸信夫・前防衛相の辞職に伴い、立候補を予定の長男・信千世氏が、HPに掲載した「家系図」を削除した、というニュースを目にしました。 尚、SNSでは、元首相らが名前を連ねる「家系図」の掲載に批判が出ていたそうです。 個人的な感覚ですが、歌舞伎を始めとする伝統芸能の世界では「世襲制」は批判されず、寧ろ歓迎されるイメージがあります。 一方で、上記「家系図」の一件の様に、世襲政治家は批判を受けがちなことに、疑問を感じました。 詳しい方がおられましたら、回答頂けると幸いです。
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まず、歌舞伎役者の話をします。 歌舞伎役者は、 芸を見せて観客から対価をもらうのが仕事です。 観客の支持があることで、 歌舞伎役者という家業がなりたっています。 一方、世の中には、 歌舞伎に興味がない人はたくさんいます。 歌舞伎役者の家がつぶれようがどうなろうが全く関係ない、 という人の方が、実は多数派です。 そんな多数派の人々にとって、 歌舞伎役者が家業を継ぐことは、 別に迷惑ではないし、損害を被るわけでもありません。 一般の人には実害が全くないので、 「伝統芸能が継承されることは素晴らしい」という話になるのです。 次に、政治家の話をします。 政治家は、あらゆる国民と関わります。 社会に次々と生じる不公平や不正義や歪みは、 みな政治家が解決しなければならないことです。 だから、 「世の中を良くするために働きたい」と考えた人は、 選挙に立候補して政治家になろうとしますよね。 しかし、現実には、 選挙に立候補して当選するというのは、 簡単なことではありません。 どんなに素晴らしい志を持っている立候補者でも、 世襲でない新人は、 「知名度がない」「支持組織がない」「お金がない」 という三重苦に突き当たります。 一方、世襲の新人には、 知名度も支持組織もお金もあります。 世襲の新人と世襲でない新人を比べると、 むちゃくちゃ不公平なのです。 もちろん、選挙で投票するのは私たち有権者ですから、 私たち一人一人が 立候補者の政策をちゃんと吟味して投票していれば、 世襲の有利不利というのは問題にならないかもしれません。 でも、投票に行かない人が多ければ、 支持組織が固い世襲の新人が圧倒的有利。 そうして、 世襲候補が有利な状況が続けば、 「世の中を良くしたい!」と考える多様な普通の人が、 政治の舞台で活躍する隙間がどんどん狭くなっていきます。 「世の中を良くしたい!」と考える多様な普通の人々が 立候補しにくくなっている社会って、 不公平や不正義や歪みがまかり通っているのと 同じではありませんか? きっとどこかに犠牲者がいます。 政治家の家系で育った人が、 政治の目が届かない社会の片隅で生きる人々の苦しさを どれくらい理解できるというのでしょう。 というわけで、 歌舞伎役者の世襲は一般の人に迷惑を掛けないけれど、 政治家の世襲は、 社会のどこかに不幸な人々を生んでいる可能性がある… というのが、 歌舞伎役者と政治家の根本的な違いです。
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