解決済み
下の課題文を200文字で要約してください。 【課題文】これからの消防に望むこと(抜粋) 元大阪市消防局長岡武男 消防の世界では理屈よりも行動が大切であり、すべてはその結果で評価される。そのため現場での経験が理論よりも重視される傾向があり、専らそれによって物事を判断しようとする経験主義に陥りやすい。 しかし、また同時に「現場はいつも新しく、同じ現場は二度ない」ともよく言われる。 だからこそ経験に基づく知識の普遍化が必要であり、とくに経験の乏しい消防人にとっては理論を学び、本番に備えるしか道はないのである。 私が消防士になって最初に面食らったのは、しばしば先輩から「これは何度くらいで引火するのか?」に類する質問をされることだった。少し化学をかじってはいたが、恥ずかしいことに引火点や発火点の知識をほとんど持っていなかった。言い訳になるが、モノを作る過程では融点や沸点は基本であるが、燃焼はモノが壊れる過程なのであまり考えたこともなかったのである。 そんな経験から言うと、熱エネルギー利用を対象とする燃焼工学を除けば、わが国では燃焼爆発現象や消火作用などを学び、研究する、いわゆる火災科学 Fire Science という分野はまだまだ一部の大学や研究機関に限られており、社会の認知度も低く、火災そのものを学ぶ機会は非常に少ないと思う。 しかし今や消防に向けられる視線は厳しく、「なぜここに消防用設備が必要なのか?」 「なぜこの壁を消防隊は破壊したのか?」、「なぜここまで燃え移ったのか?」「消防車の数が少ないのではないか?」あるいは「多すぎるのではないか?」などの問いに対して、はたして消防は科学的論理性をもって答えていると言えるだろうか。 驚異的な進歩を続ける「 CT社会の中で、まもなく人工知能(A I)は現行のスプリンクラー設備を圧倒するような自動消火設備を実現するだろう。 監視カメラやセンサーに一体となったAIが、火災を瞬時に見きわめ、必要最小限の放水を実施することでムダな水損も生じないだろう。 そんな時代を目前にして、従来型の経験主義に覆われたままの消防であり続けるなら ば、これまでのような市民からの温かい応援は期待すべくもない。 火災を科学する、消防を科学する、という姿勢を大切にしない限り、社会の消防に対する期待は「男ましい火消し」でしかなくなるだろうし、いずれ極限作業ロボットに置き換わってしまうであろう。 私たちのライフスパンはあまりに短く、これまで幾度となく.災を繰り返してきた海 溝型地震でさえ、その経験や教訓を継承することはむずかしい。 しかし、まったく経験したことのない事象に対しても、少なくとも消防は決して「想定外」と口にすることがないよう、歴史事実から学び、科学的理論を追究し、次に備える姿勢が求められている。 自治体消防発足から70年余、ポストコロナ社会はあらゆる分野に大きな変革を迫る だろう。 今こそ経験至上主義から脱却して、科学的な知見に根ざした消防行政を目指すことが これからの消防が選択すべき道であろう。
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元大阪市消防局長が、現場経験の重要性と理論的な学びの必要性を説き、火災科学の普及の必要性を訴える。従来の経験主義にとらわれたままでは、AIの自動消火設備に取って代わられる可能性があると述べ、火災科学の研究や教育が急務であることを指摘する。消防が科学的な理論に基づく活動を行うことが求められており、市民からの信頼を維持するためにも、現代の技術を積極的に活用した消防体制の整備が必要であると訴える。
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