財閥系の総合商社に勤務しております。商社に勤務している人間としてあまりに寂しいご意見のため、回答差し上げます。 確かに商社の仕事というのは、なかなか一般消費者の観点からは見えにくい仕事が多いため、その存在価値を理解するのは難しいかもしれません。したがって、商社各社がなくなった場合、現在の商社の事業内容別にどのようなことが起こるかを具体的に考えてみたいと思います。 ■小売業やメーカーにとっての仕入れ業務 例えば飲料メーカーが缶コーヒーを作るとき、商社からコーヒー豆を買い付けます。もし商社がなければ、メーカーの社員が直接ブラジルの農家を訪問して買い付けの交渉からしなければなりません。もしそうなると、非常に高額な調達コストがメーカーに発生することになります。そしてそれはそのまま売値に反映され、消費者は缶コーヒー1本に何百円も出すことになります。 このように、商社が介入することでメーカーや小売業にとって調達コストが安くなっています。特に日本のような島国では重要な機能です。 ■メーカーの海外販売 例えばトヨタのような巨大グローバルメーカーにとって、車を販売するのに商社は必要ありません。しかし、同じ自動車メーカーでも、いすずや三菱自動車などは海外販売は商社に任せているケースが多いです。これははっきり言えば、メーカーの側にそこまでのチカラがないためです。外国語を駆使し、海外でモノを売るバイタリティのある人材は、そこまで日本国内には多くありません。トヨタのような超巨大メーカーであれば商社に負けない優秀な海外販売部隊があり、商社なしでも販売できます。それ以外のメーカーは、人材が多く集まっている商社に頼っているのが実情です。自動車に限らず、ユニクロなども海外販売では商社と現地JVを設立し、人材を派遣してもらって販売しています。 これは日本がグローバル化してもっと外国語に堪能な日本人が増えれば、直接販売できるメーカーが徐々に増えてくると思います。 ■資源 最も重要な商社の機能として、資源権益への投資があります。特に三菱商事と三井物産の2社ですが、鉄鉱石、原料炭、天然ガス、原油、一般炭、銅などの非鉄金属、などの資源権益を大量に保有しています。これらの資源は発電などのエネルギーだけでなく、自動車を作るにもビルを建てるにも大量の鉄や銅が使われており、すべての産業に欠かせません。 商社が資源権益を抑えていなければ、国と国との関係が良いときは権益を持っていなくても資源を売ってくれるでしょうが、関係が悪化すれば売ってもらえなくなる恐れがあります。現にロシアは天然ガスの欧州への販売を停止するなど外交カードとして利用しています。 また、商業としての重要性は言うまでもありませんが、日本が国際的な発言力を持つためにも非常に重要になります。国際政治の場では発言力=軍事力であり、戦争を行うためにはそれに耐えうる資源を持っている必要があります。日本企業が資源権益を抑えているという事実が、日本の国際的な発言力の礎となっているということをご理解頂けると幸いです。 質問者様のご理解が深まれば幸いです。
なるほど:3
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ありがとう:1
必要ですね 商社が無いと、例えば事務用品を買う場合でも ボールペンはボールペンメーカーに発注して コピー用紙は用紙メーカーに発注して・・・ 膨大な手間がかかります。 商社がまとめて取り扱ってくれるから いろんなメーカーの品物を一括して注文出来るし メーカー側も商社に卸すだけで多くのお客様に 商品を提供出来るのです。
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