空軍の戦闘機や戦闘ヘリ、陸軍の戦車や歩兵を海外に派遣などはどうやってるんですか？

Question

空軍の戦闘機や戦闘ヘリ、陸軍の戦車や歩兵を海外に派遣などはどうやってるんですか？海軍にたのんでるんですか？
戦争映画を見て思いました。

Answer 1

ケースバイケースで異なりますが、大雑把に。

①船で運ぶ
普通に分解梱包して荷物として運ぶ。現地で組み立て。
そのまま乗る場合はそのまま。
海軍の輸送艦を使う場合もあれば民間の輸送船舶を利用する場合もあります。
というかほとんどは民間の輸送船舶を借りて運びます。

輸送艦や揚陸艦と言った海軍の艦艇を使う場合もありますが、それは橋頭保を確保するといった強襲的な任務の場合に限られ、大半は民間船舶を利用して運ばれます。

民間のフェリーで北海道へ運ばれる10式戦車
https://www.youtube.com/watch?v=eCSAeGVHwRc

②陸路で運ぶ
上に同じ。
鉄道輸送や戦車なら専用のタンクトランスポーターを使うこともあります。
ただ数が限られるためやはり民間の鉄道やトラックも使います。
戦車以外の装輪式車両などは自走していく場合もあります。

③空路で運ぶ
これも民間の航空会社を利用することが多々あります。
湾岸戦争やイラク戦争では米軍は民間の航空機をチャーターして海兵隊員をイラクへ派遣しました。
また戦闘機などの場合は少数であれば自分で飛んでいくことも可能です。
増槽を積んだり、空中給油したり、同盟国の基地を経由したりなどで航続距離の不足を補います。

フォークランド紛争時はイギリスのバルカン爆撃機は多数の空中給油機を待機させ、空中給油を繰り返しながら地球の裏側まで飛んでいきました。
空中給油する給油機に給油する給油機がいてさらにそれに給油する給油機を手配して……という無茶ぶりでしたがこれで成功しているので何ともすごい話。

ブラック・バック作戦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E4%BD%9C%E6%88%A6

Answer 2

①空中給油機で途中、給油をしながら飛んでいく。
戦闘機や攻撃機、輸送機などが大陸間などを移動する場合に使う手段。空中給油機自身が空中給油を受ける事も可能
（空自のKC-767Jは受油口を設置していない。後付可能？なように配管はある？）

プローブ＆ドローグ方式
利点
①フライングブーム方式に比べ比較的簡単な改造で給油機にできる。戦闘機などもバディポッドで臨時に空中給油機に仕立てる事が可能（F/A-18E/FやトーネードIDS、ラファールなど）※ラファールは試験のみ実施

②給油機側は特別な操作を行う必要が無く、そのための操作員も不要。

③給油機のホースを増設することで複数機同時に給油ができる。機種にもよるが、最大3機まで可能

④ヘリコプターや、ティルトローター機への給油が可能
欠点
①フライングブーム方式に比べ時間当たりに給油できる量が少ない。

②給油を受ける側がプローブを合わせる必要があり、高度な技術を要する。このため被給油機のパイロットの技術が未熟であり、かつ被給油機がヘリコプターなどのプロペラ機であった場合、ホースにプロペラが接触することにより損傷を受けるおそれがある。沖縄でのMV-22Bの不時着の原因もこれ。

③フライングブーム方式に比べ気象の影響を受けやすい。
ホースが風に流され易い

④プローブの周囲にはピトー管等の他機器が設けられている場合があり、ドローグの先端がそれらと接触するおそれがある。

⑤プローブの先端から異物が侵入し、燃料に混じってエンジントラブルを起こすおそれがある

フライングブーム方式
利点
①給油を受ける側は給油機のブームが届く位置を保持するだけでよいため、受ける側の負担が少ない。

②時間当たりに給油できる量がプローブアンドドローグ方式に比べ多い。

③アタッチメントを使用すればプローブアンドドローグ方式の給油も行える。

④この方式の給油口は機外にプローブを露出するプローブアンドドローグ方式の給油口に比べて、空力の影響が小さい。よって被給油機の空力的な性能向上にもなる。
欠点
①給油機側にブームを操作する人員が必要なため、一度に1機にしか給油ができない。

②給油開始までの時間や揺れなどの影響はブームを操作する人員の技量に左右される。また人員の訓練も必要である。

③給油機側の改造に手間がかかる。給油を受ける戦闘機や輸送機は、フライングブーム式からプローブアンドドローグ式への改造は容易だが（ベトナム戦争中、アメリカ空軍で試験的に運用されていたF-5Aの特別バージョンであるF-5Cに対する給油を行うためにフライングブームを特別に改造したKC-135が登場した）、給油機側を逆に改造するのは困難である。大型機でしか対応できない（KC-135、KC-10、KC-767、KC46、A330MRTTなど）

④給油を受ける側が小型機の場合は、給油量を絞ってやらねばならない。

⑤もっぱら米国で用いられている方法のため、米国のサポートが無いと持続が困難になる事が多い（革命後のイラン空軍など）。

②大型輸送機で運ぶ
C-5A、C-17A、An-124、An-225など。
C-5A、An-124は戦車を2両。C-17Aは戦車を1両空輸する事が可能。An-225は世界最大の輸送機だけど1機しか存在しない。

③輸送艦などで運ぶ
時間はかかるけど、戦車などの車両を大量に運ぶ事が可能。