建設業の主任技術者について

Question

建設業の主任技術者についてお世話になります。建設業（清掃施設工事及び機械器具設置工事）の主任技術者についてですが、財団法人建設業技術者センターのＨＰでは、監理技術者の資格要件しか記載されていませんが、主任技術者についてはどのような資格要件になるのでしょうか？建設業法第7条第2号の内容は、建設業許可を受ける資格要件であって、実際に現場での主任技術者の要件では無いように思いますが。また、監理技術者の資格者証はありますが、主任技術者にも資格者証はあるのでしょうか？
よろしく御願いします。

補足

詳細な御説明有難う御座います。前から、モヤモヤしてた事がよく分かりました。
では指定建設業以外の業種での主任技術者(監理技術者）の資格要件で技術士で無い場合と指定学科以外の学歴しか無い場合は、一つの監理技術者の資格をとるのに10年（工期を総合して計算した場合10数年？）かかることになってしまうという事で宜しいでしょうか？（清掃施設+機械器具設置の２つで30年近く？）

Answer 1

質問内容の主任技術者の資格要件ですが、建設業法第7条第2号の営業所に置くべき技術者（専任技術者）の資格要件とまったく同じです。同法の第26条の第1項から第3項までが主任技術者、同法の第26条第1項から第5項までが監理技術者の設置について述べています。
また、建設業法第15条第2号の特定建設業の専任技術者については、監理技術者の資格用件と同じになります。
ただし、建設業許可の28業種の内、「指定建設業」と呼ばれる業種については、同法第15条第2号の専任技術者と監理技術者は1級の国家資格者（1級施工管理技士、1級建築士、技術士）に限定されています（国土交通大臣の認定技術者は除く）。

※指定建設業は「土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、鋼構造物工事、ほ装工事、造園工事」
（建設業法施行令第5条の2）

質問内容の2業種の主任技術者については以下の要件となります。

①清掃施設工事の主任技術者の資格要件
（1）技術士（衛生工学部門（科目は「廃棄物管理」に限る）又は総合技術監理部門（科目は「廃棄物管理」に限る））
（2）同工事に関し、10年以上の実務経験
（3）同工事に関し、指定学科で大学又は高等専門学校は卒業後3年以上、高等学校は卒業後5年以上の実務経験
（指定学科は土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科）

②機械器具設置工事の主任技術者の資格要件
（1）技術士（機械部門又は総合技術監理部門（機械部門に係るもの））
（2）同工事に関し、10年以上の実務経験
（3）同工事に関し、指定学科で大学又は高等専門学校は卒業後3年以上、高等学校は卒業後5年以上の実務経験
（指定学科は建築学、機械工学又は電気工学に関する学科）

※技術士は第2次試験合格者
※※指定学科は建設業法施行規則第1条

主任技術者の「資格者証」はあるのか？

建設業法第27条の18に基づく監理技術者資格者証みたいなものはありません。つまり、主任技術者には「資格者証」がないんです。これは上記の主任技術者の資格要件から、実務経験又は国家資格しかありません。この許可2業種に限らず、それぞれの業種についても実務経験の場合は「実務経験履歴書」、国家資格の場合は国家資格の証明書や免許証等で、主任技術者の確認を取っています。

詳しいことは、国土交通省 近畿地方整備局 建設産業課の「建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者」のPDFをみたら分かります。
http://www.kkr.mlit.go.jp/kensei/kensetugyo/

（補足の回答）
監理技術者の資格要件について、指定建設業7業種以外の21業種では実務経験10年以上のみの要件だけでいくと、

「実務経験の中で、元請として4500万円以上の工事で、指導監督的な実務が2年以上含まれていること」
（建設業法第15条第2号ロ）

があれば、特定建設業の専任技術者及び監理技術者に該当してきます。

よって、質問内容の清掃施設工事業及び機械器具設置工事それぞれの分で10年以上の実務要件のみで監理技術者の資格要件を満たすのは、

①清掃施設工事での10年以上の実務経験＋元請4500万円以上の工事で、指導監督的な実務が2年以上を含む

②機械器具設置工事での10年以上の実務経験＋元請4500万円以上の工事で、指導監督的な実務が2年以上を含む

※上記の①及び②を含む「指定建設業」以外の業種の指導監督的実務経験は、
発注者から直接請け負った「元請工事」のみ
（建設業法第15条第2号ロ）

①＋②＝20年以上（最短実務経験の場合）

となります。