解決済み
私は高校二年生の女子です。 進路について 「検察官」 にとても興味があります。 自分なりにも調べてるみたのですが、「旧司法試験」「新司法試験」「法科大学院」など少し複雑でよく理解できていません…。 「検察官」になるためにどういった過程が必要なのか、高校生のうちに何をすべきなのか、どなたか教えていただけないでしょうか?
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現在、法科大学院で学ぶ者です。 現在高2ということであれば、検察官になるためには以下の道をたどるのが最も一般的です(厳密には抜け道がありますが、それは特例的なのでここでは省略します)。すなわち、「①大学修了」→「②法科大学院修了」→「③新司法試験合格」→「④司法修習・二回試験」→「⑤検察庁採用」という流れです。それぞれの段階について、コメントをしておきます。 ①について。大学は必ずしも法学部を修了しなくても構いません。むしろ、法科大学院に入学することのみを視野に入れるのならば、他学部あるいは法学部の法律学科以外を選考するほうが有利である場合もあります。また、3年次に卒業単位を取得しており成績優秀であれば飛び級も可能です。 ②について。法科大学院には、2年コース(既習コース)と3年コース(未修コース)があります。ただし、「法学部卒業→既習コース」、「他学部卒業∨社会人→未修コース」というわけではありません。つまり、法学部が未修コースに入学することも、他学部・社会人が既習コースに入学することも可能です。そして、両コースの違いですが、それは「基礎(基本)科目」を履修するか否かです。すなわち、未修コースの場合には、一年次に基本科目を講義形式で受けることになりますが、既習コースの場合にはそれをパスすることができ、「未修コースの二年次配当科目」にあたる演習授業から履修することが出来ます。なお、法科大学院は総じて留年率が非常に高い傾向にあり、入学後に退学・休学という例も多く見ます。 ③について。新司法試験は、法科大学院を修了した後の5月に行われます。ただし、受験回数・年数に制限があります(法科大学院修了から5年以内に3回まで)。そして、近年の合格率は3割弱です。なお、今後10年程度は合格率上昇が見込めないといわれています。(合格率下降は十分にありえます) ④について。司法試験に合格した後の秋ごろから1年と6ヶ月間、司法修習に臨むことになります。司法修習というのは、実務研修及び法曹としての適性審査の意義を持ちます。よって、法曹三者のもとにそれぞれ従属し、法文書(訴状、判決文)作成技術等を学ぶことになります。なお、司法修習は無給であり、修習費用は貸与制になっています。そして、修習の最後には二回試験と呼ばれる最終試験があり、これに合格しなければ法曹となることは出来ません(近年この二回試験の不合格者が増えてきていることが問題となっています)。 ⑤について。検察官になるということであれば、検察庁に採用されなければなりません。いわゆる任官です。そして、任官基準としては、「新司法試験合格者の上位3割以内」というのが暗黙ながらあるようです。ですので、検察官になるためには新司法試験を上位で合格する必要があるでしょう。 以下余談です。 司法改革が行われて新司法試験ができたイマ、検察官(法曹)になるのは以前より容易になりました。しかし、容易になったとはいえ、最難関の国家試験である点に変わりはありません(検察官志望ということであればなおさらです)。また、法科大学院に進学するということは、経済面・キャリア面で大きなリスクを負うことでもあります(実際に、法科大学院修了者の就職難が問題になっています)。それでも法曹になりたいか。この点を良く考えて、進路選択をする必要があると思います。 と、ネガティブな側面が目立つ文章になりましたが、あなたが立派な検察官になられることをお祈りしています。 お互いに、法曹を目指す者として頑張りましょう。 補足============== >>高校生のうちに何をすべきなのか 第一には、少しでも法律を学ぶ環境が整っている大学に進学するために、受験勉強をすることです。 第二には、論理的思考力を身につけておくことです。そのための参考書として、「野矢茂樹、“論理トレーニング101題”産業図書、2001」をオススメします。高校生でも十分に理解できる内容だと思いますし、現代文の理解にも役立つでしょう。 法律の勉強はしなくていいの?と突っ込まれそうですが、個人的には高校生のうちからがっつりやる必要はないと思います。それよりは受験勉強に力を入れましょう!それでも余裕があるよという場合には、柴田孝之先生(LECの専任講師)の「S式柴田の生講義、自由国民社」(憲、民、刑、訴訟法、商法がそれぞれ出版されています)を眺めてみても良いかもしれません。賛否はあるでしょうが、入門書としての「明解さ」はこのシリーズがNO1だと思います。さらに高校生が読むということを考えると、特にオススメです!
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