東大法科大学院に在籍している者です。 裁判官や検事になるにあたって司法試験の成績が重要という誤った認識が広まっていますが、全くそんなことはありません。 法曹三者の就活事情にもかかわることなので、以下説明させていただきます。 まず、弁護士ですが、就職活動は基本的には司法試験受験前に終わります。優秀な生徒を囲うことが目的ですが、一方で司法試験に合格できない人に内定を出してしまうというリスクもあります。 そこで、司法試験合格率が高い属性から優先的に拾うことになり、結果として予備試験合格者、東大ロー、京大ロー出身者などがそのほとんどを占める、という徹底した学歴偏向へとつながるのです。逆に言うと、司法試験の順位は一切関係がありません。 また、弁護士の場合は年齢が極めて大事です。司法試験の合格率は若い方が高いからです。年齢が高いとそれだけで合格推定の程度が下がるので、大学浪人・司法浪人関係なく、若干不利になります。 一方、検事・裁判官の就活は、司法試験合格後の司法修習から始まります。なお、司法試験の成績が全く関係ないということは検事の先生及び裁判官の先生から確約を得ています。 この2者は、司法試験合格者から確実に内定者を拾うので、年齢による合格推定の程度の違いや、学歴による合格率の違いを一切考慮する必要がありません。そのため、新規採用者の属性を見ると、年齢・学歴がバラバラです。 では、何を重視するかと言うと、司法修習での起案の成績です。司法修習では、何回も何回も起案を繰り返すのですが、そこで最低評価のCを1度でも取ると、それだけでかなり厳しくなります。逆に言うと、現実的かどうかはともかく、司法試験の成績が悪く、浪人もしていて、学歴がない場合であっても、修習中の起案の成績がよければ検事・裁判官になれます。私の知り合いでは、司法試験1000位台(合格者の上位70%)から裁判官になれた人もいます。 よって、検事・裁判官になるなら年齢など一切気にしなくてもいいですが、合格後の司法修習でいかに頑張れるかがポイント、ということになります。
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