食品メーカーの採用・配属には、生産技術や品質管理など人数が要る技術職、開発職、研究職などがあります。開発職・研究職は農大からだとかなり厳しいです。研究職は就職すれば大学パンフレットに載るぐらいには偉業だと言えます。 農大の入試では6年連続志願者が減少しています。※PDFファイル https://www2.sundai.ac.jp/news/2023news/2023s_bunseki_shiritsu_download.pdf#page=68 人気の入試方式は共通テスト利用です。MARCHなど上位大学の共テ利用と異なり、共通テスト試験日のあとに出願が可能で、自己採点結果を確認したうえで出願できます。最近では共テ2科目型も導入しました。ライバルである日本大学の生物資源科学部が共テ利用を実施していない点が追い風になっています。 河合塾の偏差値の分布では、偏差値37.5が3入試、40.0が2入試、42.5が5入試、45.0が3入試、47.5が3入試、50.0が3入試、52.5が4入試となっています。 https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/2860/difficulty/ 他の大学では、明治農は57.5が3入試、60.0が5入試、62.5が4入試です。日本大学の生物資源科学は偏差値40.0~62.5。法政の生命科学部が52.5~57.5。立教の理学部生命科学科が57.5。東京薬科大の生命科学部が45.0~50.0。農大は周囲がライバルだらけなんですよね。 2008年に法政が生命科学部を設置したとき、受験生がそちらに流れてしまいました。文部科学省が環境・農学系の新設を推進しているためブームになっています。今後、立教大が環境学部を、中央大が農業情報学部を、北里大学が獣医学部グリーン環境創成学科を、順天堂⼤学が⾷農学部を、東洋大学が環境イノベーション学部を、それぞれ設置することが確定しているため、農大は厳しい状況です。MARCHに競り勝つことは無理筋でしょうし、日東駒専も総合大学としての魅力・ブランドを持っており熾烈な学生の奪い合いになりそうです。 農大より下の神奈川工科大学も工学部応用化学生物学科の設置を発表しています。大学ブランドで勝っていても、通学の利便性の点で少しは神奈川工科を選ぶ学生が出てくると予想されます。こうした経営環境を鑑みるに、10年後までブランドを防衛できるかが焦点だと思います。 対策として、農大は徐々に一般入試から総合型・公募・指定校にシフトしています。一般の定員を絞ることで高い偏差値を維持できます。全学部で評定要件なし・小論文なし・面接のみのキャリアデザイン総合型選抜が募集されています。公募型一般学校推薦型選抜は評定要件3.5と応募しやすく、小論文なし面接のみです。以下に入学者数と、それぞれの入試の定員が掲載されています。 https://imgur.com/a/3tavVFt 経営上の課題はもう1つあります。千葉にある東京情報大学です。ここも学校法人東京農業大学が経営しているものの、上手くいっておらず、総合情報学部は偏差値42.5、看護学部は37.5で、学生の大半を一般入試以外で集めている状態です。
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