列車は非常ブレーキをかけても止まるまで数百メートルの距離が要ります。 そこで、万一にも、1本の列車が事故に遭遇した場合には、まず他の列車にも知らせて併発事故を防ぐことを第一に考えなければならないのです。 特に幹線では、列車の最高速度は120km/h~130km/hという高速度で運行されています。 この速度からでは列車の制動距離は実に600m近くになるのです(というか、普通鉄道では600以内に止まれることが、国土交通省が定めた基準)。 そのため、基本的には「列車防護を行う係員」として、緊急時には他の列車を止めるというのが、実は車掌の一番重要な任務なのです。 それ以外には、単にドアを開閉するだけではなく、ご乗客の安全確認、そして駅を発車するときは車掌も信号機を確認して運転士に合図を送る(言ってみればダブルチェック)を行って、日々の安全を心がけているのです。 つまり車掌は「運転取扱に関わる業務」を行う「列車防護を行う係員」というわけなので、原則的には不可欠なのです。 しかし鉄道会社が経営を持続するには人件費の削減などの企業努力も重要になります。そこで、 地下鉄とかモノレールのように、特に安全が確保された設備を持っている場合とか 短い列車を低速度で運行する路線や回送列車などで、列車防護は運転士ひとりで出来るような”防護無線”などが完備されている場合、 または単線のローカル線のように同じ区間には他の列車が来ないので、何かあっても列車防護をする必要が無い線区などに限っては、 信号保安設備*¹の設置とデッドマン*²またはEB*³装置を取り付けてあることを条件に 車掌の乗務を省略したワンマン運転も認められているわけなのです。 なおワンマン運転ではドアの開閉も運転士が行いますが、車内放送とか空調(車内温度の管理)は自動的に行われる車両が用いられています。(元運転士)
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