松浦鉄道のMR400形と500形で質問です。運転士によって運転の仕方が違うみたいで、 それらの車両は自動で直結1段や直…

Question

松浦鉄道のMR400形と500形で質問です。運転士によって運転の仕方が違うみたいで、
それらの車両は自動で直結1段や直結2段に入るみたいなんですが

1・55キロや60キロ辺りで直結2段に手動で切り替える運転士

2・一切手動では切り替えずに自動変速のまま運転する方。（手動切り替えをしない方で33%以上？のみの下り勾配機関ブレーキを使用する方）（もしくは一切使わない方、下り勾配でも使用しない方）

3・数人しか居られないんですが自動変速（手動で切り替えない方）がほとんどの駅、停止時に機関ブレーキを併用して止まる方（少し登ってる所や50キロ位の低速でも）

なぜこんな風に運転の仕方が異なるんですか？

機関ブレーキを一切使わない運転士は機関ブレーキを知らないんでしょうか？

Answer 1

はじめまして。

ＭＲ４００、ＭＲ５００の両方にＤＭＦ１３ＨＺというエンジンを使用しています。こちらのエンジンでは変速運転と直結運転の切換えは手動切換えらしいです。切換え速度は約５０キロから６５キロ辺りです。また直結１段と直結２段の切換えは自動的に行われるそうです。質問者様が運転操作している様子をご覧になられていると思いますが、マスコンハンドルとブレーキ弁の間に小さなレバーを運転士が操作していると思います。これが変直切換えレバーになります。エンジンの種類により変直切換えの速度は異なります。

こちらの車両の制動方式は基本的に基礎ブレーキになります。つまり、ブレーキシリンダに空気を送り、制輪子を車輪に押し付けて減速する方式になります。

ある程度、知識があるかと思いますが、気動車運転では停車寸前まで機関ブレーキや排気ブレーキは使用しません。基本的に自動空気ブレーキを使用しています。なぜなら、速度が落ちてくるとエンジンの回転数が弱くなり、十分なブレーキ力を得られないためです。あるいは、エンジンが故障する可能性もあります。高速で運転を行っている状態ならば、とても有効的かつ、安全に減速力が得られます。

機関ブレーキは本来、下り坂が長く続く際に使用されるブレーキです。これは基礎ブレーキだけ使用し続けて下ると、タイヤと制輪子が摩擦により加熱、ガス化し、このガスが潤滑剤のような働きをし、ブレーキが利かなくなる現象、フェード現象と言います。また、鉄道車両は常にブレーキ管に一定の圧力を保っており、また、使用しているブレーキに応じた空気圧力を常に送り出さなければいけません。ずっと使用し続けると、その空気圧力が不足すること、込め不足という現象が起こり、ブレーキが利かなくなることがあります。

これらの現象を防ぐため、下り坂ではエンジンブレーキ、つまり、エンジンの出力を絞り、そこで生まれる抵抗を利用して速度を抑制します。また、複数車両連結されている場合、運転操作している先頭車両だけにブレーキをかける保ちブレーキがあります。運転操作をご覧になった時、運転士がブレーキハンドルをガチャガチャと頻繁に動かしているかと思いますが、あのブレーキ位置は、抜き、保ち、重なり、常用、非常の順に位置が決まっています。ブレーキハンドルを保ち位置に置くと、ブレーキ管の圧力を元の状態に戻し、先頭車両だけにブレーキがかかる状態になって安全に坂を下れるようになっています。

運転士により操作が異なる疑問ですが、これは様々な状況があるため、正確には答えることができませんが、その日の天候や乗客数により、運転操作はいつも微妙に異なります。また、運転士によって独自にこの操作の方がやりやすい、このブレーキのかけ方なら止まりやすいなどもあります。また、遅れているから一気に下り、その先の制限速度をクリアするためにエンジンブレーキを使わず、空気ブレーキで一気に減速したい、時間に余裕があるから速度を抑制したいなど、ダイヤの状況もあるでしょう。また、機関ブレーキを知らない気動車の運転士はいません。知らないと免許が取れません。電車の運転士は知らない方はいるでしょうけど・・・。ちなみに、機関ブレーキ（エンジンブレーキのこと）を使用すると、運転台にあるランプ類に「Ｂ」というランプがあるかと思いますが、そのランプが点灯時は機関ブレーキを使用しているという意味なので、今度ご覧になるといいかもしれません。ＭＲ６００は排気ブレーキも使用しているようなので、通常の駅停車時にも点灯しているみたいです。