国によっても、時代によっても、あるいは陸海空軍の違いによっても様々ですので、「絶対にこうだ」という事ではなく大まかな話としてお聞き下さい。 軍隊の階級のうち、「士官」と呼ばれるのは少尉から上です。ヨーロッパでは、もともと士官は貴族階級がなるものでした。そんな時代の名残が長らく残ったのが給与や食事で、士官は長らく年棒制(兵隊は月給)、食事は兵隊は国が支給しますが士官は自腹です。 海軍など、士官がコース料理で兵隊とは別だったとか言われるのは上流階級だった事と食費は自腹だった事がもとで、士官が費用を分担してコックを雇っていた時代もあります。 話がそれましたが、このように、「士官」は兵隊とは全く別の世界です。ヨーロッパは、日本風に言えば武士、それも足軽などではなく上士の階級でなければ昔は士官になれなかった訳です。 その後、近代の軍隊になると貴族階級だけでは士官が足りず、「士官学校」を設立し、そこを出れば貴族階級出身でなくとも士官になれる道も作られました。 でも、いずれにせよ士官は貴族階級や士官学校出という特別な選ばれた人だったわけです。 ご質問の「少佐・中佐・大佐」は士官の中でも上位の階級です。 なお、大佐の上には「将」があります。大将、中将、少将(場合によっては準将も)などお聞きになった事はありませんか。 もともとは、軍隊の階級の最上位は「大佐」で、その上の「将」は階級ではなくポストに与えられる名称だったそうです。例えば、陸軍の部隊全ての最高責任者、海軍の艦隊全てをまとめる最高責任者は「大将」で、そのポストを外れると「大佐」に戻る、という感じです。国によっては今でも階級の最上位が大佐という形態を取ってるそうです。昔、リビアの独裁者として有名だった「カダフィ大佐」も、リビア軍の最高階級が大佐だった事によります。 士官学校を出て少尉からスタートし、大尉まで5~10年。少佐からはさらに遅くなり、中佐になるのは20年前後。士官学校出でも軍人生活を中佐で終える人もいました。また、「将」がポスト名ではなく実際の階級ななってる国も多いですが、士官学校を出ただけではどんなに優秀でも「大佐」まで。「将」の階級を得るためには「海軍大学校」「陸軍大学校」のように士官の中でさらに選ばれた優秀な人材を教育する学校を出る事が1つの条件になっている場合もあるようです。 海軍は艦長をつとめる艦艇の大きさがあるのでイメージつかみやすいかもしれませんね。 「大佐」は戦艦や空母の艦長で、部下は1~2千人。「中佐」は巡洋艦の艦長で部下が数百人、「少佐」は駆逐艦や大型潜水艦の艦長、大きな軍艦の砲術長、機関長、通信長などの各部署の長で部下は数十人。「大尉」は駆逐艦の副長(ナンバー2)や小型艦の艦長。 中少尉は魚雷艇や掃海艇など小型艇の艇長になることもありますが、殆どは航海士などのスタッフや高射砲の指揮官などのクラスです。 軍隊が近代化し、人数も多くなると士官学校だけでは足りず、一般の大学卒や兵士から叩き上げで士官になる道が開かれた国もあります。これに対し士官はあくまでも士官学校か大学卒に限定されるが超ベテランの兵士の最上位は曹長(下士官で階級は士官ではない)だけど給与その他待遇を士官と同等にしている国もあります。 戦前の日本はごく少数ですが兵士出身の士官もいました(最高でも少佐までですが)。これに対しアメリカ軍は兵士上がりでは上級曹長という下士官までしか行けませんが、待遇は中佐や大佐と同レベル、というやり方です。 なお、同じ階級でも陸海空軍で呼び名が異なる場合があります。アメリカ軍では 陸軍、空軍、海兵隊 大佐 Colonel(カーネル 彼らが発音すると「カーノー」と聞こえます) 中佐 Lieutenant Colonel (ルテナントカーネル 同じく ルテナカーノーと聞こえます) 少佐 Major (メージャー) 海軍 大佐 Captain (キャプテン) 中佐 Conmmander (コマンダー これも「カマン(ダ)に聞こえますね」) 少佐 Lieutenant Commander (ルテナントコマンダー 同じく「ルテナカマンダ」に聞こえます) 陸軍空軍ではCaptain(キャプテン)は大尉なのですが、海軍では大佐は艦長クラスですからキャプテンになったそうです。 なお、同じ英語なのにイギリス海軍には中少尉の区別がないとか、細かな違いがあります。また、アメリカ陸軍と空軍が同じ階級呼称なのも、空軍の母体が陸軍航空隊だった事によるものです。早い時期から空軍が独立していたイギリスは空軍の階級呼称は陸軍とは別になってます。
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