解決済み
名の知れた大手の派遣会社でさえ、手の届かない存在。正社員になるなんて、夢のまた夢ではないか」埼玉県に住む木村正則さん(仮名、35歳)は、正社員になることへのハードルの高さを感じている。 都内で生まれ育った正則さんは、留年したことをきっかけに2年生で大学を中退。学生時代からアルバイトをしていたスーパーで配達のアルバイトを続けたが、2〜3年もすると店が潰れてしまった。 アルバイト時代の友人を頼り、埼玉県川越市に引っ越して友人とルームシェアして生活を始めた。それまで日雇い派遣の経験はあったが、初めて派遣会社で長期の仕事を紹介してもらった。書籍を扱う倉庫での仕事。勤務時間は10時から18時まで。3か月おきの契約更新で、時給950円でのスタート。手に職をつけよう、スキルアップしようと、働きながらフォークリフトの免許を取った。すると時給が40円上がったが、現場では「初心者はフォークリフトに乗らせない」とはねつけられ、「これでは経験が積めない」と悩んだ。 働く合間にも、もっと良い仕事はないか探している。月給17万円以上の求人を探すが、「職歴がない自分が月に20万円は手が届かない。夜勤をするか、何か資格がないと難しい。35歳を過ぎると、正社員の求人は見つからない。面接にこぎつけても、年齢に見合うようなベテランであることを求められる。けど、自分には職歴がないから無理だ」と、行き場のない気持ちを抱える。 評判の良い大手の派遣会社はホワイトカラーの仕事の紹介が多く、「残念ながら毛色が違う」と感じてしまう。派遣社員でも大手なら、保養所が使え、健康診断も受けられるなど福利厚生もしっかりしているが、正則さんにとってデスクワークは縁遠い職業だ。 「派遣先の倉庫の管理職は正社員だが、朝8時から夜10頃まで働くことが当たり前。そんな働き方ができるだろうか。正社員は大変なばかりで魅力を感じなくもなっている」と、あきらめ顔だ。 現在の生活といえば、家賃3万5000円と光熱費の約1万5000円を友人と折半するため、ひと月の生活費は約2万5000円。節約するため、弁当や総菜が半額になる閉店間際を狙ってスーパーに行く。いつも決まって定価が400〜500円の弁当を半額で買う。たまの贅沢は、900円の刺身が半額であれば買うくらい。1本100円の発泡酒とつまみを買い物かごに入れ、“自宅呑み”するのが気分転換となる。お金のかかる居酒屋には行けない。 昼ごはんは、倉庫に出入りの弁当屋を利用する。弁当は300円、カレーや蕎麦は200円と格安だ。最初は「まずい」と食べられたものではなかったが、いつの間にか舌が慣れてしまった。時給で働く派遣社員では、風邪をひくのが怖い。休めばその分、収入ダウンだ。この生活をしながら、どうして将来を考えられるだろうか。 正則さんは「就職はタイミングが重要なのではないか。いったん、その年齢なりのレールから外れるとやり直せない。自分は自業自得だ、失敗したな。という気分になる」という呪縛から逃れられない。 総務省の「就業構造基本調査」では、2017年時点で35〜44歳のうち、初職(初めて就いた仕事)が非正規雇用労働者の場合、現在の雇用形態が正社員は76万6500人、非正規雇用が164万100人で、非正規が正社員の倍以上となる。同様に、初職が正社員の場合は、正社員が779万6300人、非正規が187万9700人で正社員であるほうが3倍以上となる。社会人のスタートが非正規か正社員かで、分かれ道となるケースが多いことが伺える。 正則さんは、「もしも戻れることなら、10年くらい前に戻って、最初からフォークリフトの仕事をしたかった。地道にやっていれば、それなりのキャリアを積めたのではないだろうか」と、思えてやまない。そして、今後について「フォークリフトに乗ってまだ半年。まだちゃんと地面を踏みしめてもいないのに、ステップアップなど考えられない。仕事の精度を上げて、きちんと地面を踏みしめないと。それで時給が少しでも上がればいい。望みは、それくらいかな」と静かに語った。 派遣社員でも担当エリアを任され、配置や荷物のスケジュール管理を行っている人もいる。いつか、その立場になることができるだろうか。しかし、倉庫が広すぎて全体が見えないように、先が見えない。目の前のことを一生懸命やるしかない――。正則さんは、もう、正社員という道は諦めている。 35〜54歳の非正規雇用労働者は「中年フリーター」とも呼ばれる。就職氷河期に煽りを受けた世代だ。2015年に三菱UFJ総合研究所が試算したところ、既婚女性を除く中年フリーターは273万人に上るという。政府は、外国人労働者の受け入れ拡大を目指しているが、それよりも先に打つべき雇用対策があるのではないだろうか。中年フリーターを諦めや絶望から救い出さなければならないと言うニュースがありますが皆さんはどう思われますか?
1,202閲覧
1人がこの質問に共感しました
この内容に関しては、まず、 メディアが身勝手にそういう人々の姿を必要以上に煽り、「正社員が良い」と言う風潮を確立させてしまってるのが現実かと思います。 仕事に応募する側として希望の仕事にありつけないのは、みんな同じです。 (みんな、物事に対して同じ事を同じように安易にしか考えてません。) スタートラインは違えど、言い訳する人は努力が足りないように思います。 企業側として、人を集めるために、誇大な広告を使います。 なので、応募者はそれを見抜かないと騙されるのです。 企業はいかに儲けるか、それに尽きるからです。 なので、騙される応募者にも問題はあります。 そして、、メディアはそれを食い物にして、利益をあげているのが現実です。 ちなみに、メディアが発信するデータもあくまで目安であり、鵜呑みにするのは危険です。 世の中、弱肉強食の世界なので、 しょうがない構造かと思いますね。 正社員であっても、倒産や失業はある訳もあり、企業は人件費を押さえようとするに、そんな地位にこだわる必要があるのかが不思議です。 しっかり先を見据えた経験を持っていれば、雇用形態など気にせず安定した生活はできると私は思います。
1人が参考になると回答しました
< 質問に関する求人 >
配達(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る