解決済み
●裁量労働制除外の本音と建前 連合の顔色見て反対する野党 経済界の意向もある程度通る 2018年3月5日 裁量労働制をめぐり、国会が紛糾した。 安倍晋三首相の決断で、今国会に提出される法案は、裁量労働制拡大を除いたものになった。 これによって急転直下の解決になるのかどうか。 労働時間をめぐる不適切データが問題となったが、裁量労働制の労働時間というのは労働者本人すら分かりにくく、どう調査したのか気になっていた。 国会で加藤勝信厚労相が、調査は民主党政権時代に企画されたものだと答弁した。 今の役人は、前任か前々任者が企画したものについて国会対応しているわけで、釈然としないだろう。 そもそも裁量労働制の労働時間は、甚だ怪しいものだし、それを聞く労働基準監督署の人も、どのように聞くのかという根本問題もある。 今1度実態を明らかにする必要が出てきている。 野党も、今の厚労省の杜撰な話を追及して、自分たちが企画した調査自体がデタラメなものだったらどうするのだろうか。 ここで、裁量労働問題の関係者の政治力学を考えてみよう。 もともと経済界が労働市場に求めていたのは、ホワイトカラーエグゼンプション(労働基準法の適用除外)である。 ところが、これが「残業代ゼロ」として、批判を浴びた。 そこで、ホワイトカラーエグゼンプション(労働基準法の適用除外)を「高度プロフェッショナル制度」として対象者の年収を1075万円以上とするとともに、今回問題になっている裁量労働への2業務(課題解決型提案営業、裁量的にPDCAを回す職務)の追加と、労働界向けの残業上限規制をセットにして、今国会に提出しようとした。 野党は、3分裂した民進党がそれぞれの連合の支持を得ようと裁量労働の拡大に反対している。 というのは、残業上限規制はもちろん賛成だし、高度プロフェッショナル制度の対象が年収1075万円以上となって、対象者が4%程度と少ないことが誰の目にも明らかになったので、消去法として裁量労働の拡大反対を注力せざるを得なくなったからだろう。 実は、現在の裁量労働の対象者は2%程度しかいない。 仮に2業務を拡大しても、増える対象者は大した数にはならないだろう。 しかも、厚労省の調査自体が怪しいものだったこともあり、安倍首相は、裁量労働を外す決断をした。 この結果、高度プロフェッショナル制度と残業上限規制の2点セットで今国会に提出される見込みだ。 欧米における労働法制適用除外対象者の労働者に対する割合は、米国で20%、フランスで10%、ドイツで2%程度と言われている。 日本の高度プロフェッショナル制度が欧米並みとは言えないまでも、経済界の意向はある程度通り、労働上限規制が入ったので労働界のメンツも立ったというところだ。 もともと経済界では裁量労働の拡大要求はそれほでもなく、効果が限定的だったことも安倍首相の決断を後押ししたのだろう。 2018年度予算案の衆院通過にも支障が出てきた段階なので、野党への一定の配慮をすることとなったわけだ。 *PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。 ●裁量労働の労働時間は計れるか、本人も「分からない」のが実情 高橋洋一 日本の解き方 2018.2.24 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180224/soc1802240003-n1.html?ownedref=rensai_not%20set_newsList 裁量労働をめぐる厚生労働省の不適切なデータが問題になっている。 19日の衆議院予算委員会で加藤勝信厚労相は、平均的な残業時間について、一般労働者と裁量労働者で異なる基準で質問した不備を認め、謝罪した。 筆者の経歴をいえば、役人時代の二十数年、民間の大学教授として十余年で、前者では労働基準法の適用除外(いわゆるホワイトカラーエグゼンプション)、後者では裁量労働である。 厚労省は裁量労働について労働時間を調査したというが、一体どのような調査なのか興味深い。筆者の周りにいるかなりの人は裁量労働者であるので、試しに労働時間を聞いてみた。 正直にいえば、筆者を含めて「よく分からない」だった。 起きている間はすべて労働時間といえなくもない。 講義時間だけとすると、明らかに違う。 論文を1本書く時間と言われても分からない。 アイデア自体はかなり前からあって頭の中でずーっと考えてきたものでも、実際の執筆にかけた時間はごく短いということもしばしばある。 これは、多くが裁量労働者のマスコミ記者の事情も同じだろう。 記事1本にかける時間も個人差があり、人それぞれなのではないか。 こういう話をすると、 「今は適法な裁量労働は少なく、違法な裁量労働が多い」 という。 どのようなデータに基づいたものなのかも興味深いが、違法な裁量労働であれば、労働基準監督署が取り締まるべき問題だ。 野党は、裁量労働者の労働時間の再調査を要求しているが、適法な裁量労働者にとっても、答えようにも答えられない質問である。 本人でも労働時間が分からないのが裁量労働者だ。 筆者の役人時代は、労基法の適用除外であったので、振り返ってみると「労働時間」という概念が乏しい仕事ばかりだった。 一応、出勤時間と退庁時間は管理されていたはずだが、自分で記録した記憶はない。 月末になると、「ハンコを下さい」と総務係の人が来るのでその人が適当にやっていたのだろう。 役人の仕事といえば、国会答弁の作成、法案作成や海外制度の調査などである。 ともに原稿書きであるが、かかる時間は人それぞれだ。 速く作る者がより優秀で、労働時間が多いことは問題だともいえる。 労働時間が成果に結びつかない典型的な仕事だ。 残業手当もあったが、実際の残業時間とは関係なく、課に配分された予算に応じて、管理者が適当に職員に配分していたようだ。 現在では事情が違っているかもしれないが、現役の役人に聞いても、あまり変化はないようだ。 厚労省は国会対応などが最近増加しているが、その一方で人員は従来通りなので1人あたりの業務量は増えているだろう。 もしそれで裁量労働者の労働時間の調査などという意味のない仕事をしているというのなら、働き方改革を行うべきなのはまずは官僚ではないのか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
あのデータがおかしいことは、賢めの小学生でも指摘するでしょう。 そんな杜撰なデータでごり押ししようとすること自体、邪道です。
1日45時間の残業をした。之が一般労働者の中に有ったそうです。 1日8時間働いた=拘束9時間の意味残りは15時間しか無いのです。 こんなもの安倍が捏造しろと言ったに決まっています。
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