解決済み
ISO9001、品質管理の監査があった場合、受入検査の記録として、客先の監査員の方にどのような書類を見せているのでしょうか?すみませんが、教えてください。宜しくお願い致します。
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まず、ISO9001認証の審査(第三者監査)と顧客企業による品質監査(第二者監査)は、分けて考えなければなりません。なぜなら、前者と後者とでは、目的も監査で調べる内容も違うからです。 前者は「品質保証」の「仕組み」の妥当性が、後者は「品質管理」の妥当性が監査の対象です。 極端な例を挙げると、前者の場合、決められた手順で、決められた通りに製品が作られていて、その製品が仕様通りであるなら(検査しているなら)、顧客が使用を開始して1ヵ月で故障するような粗悪品でも監査上は不合格になりません。(観察事項としては山ほど指摘が出るでしょうけど) 後者は違います。あらかじめ交わされた品質保証協定において、QCD上の理由から容認されている場合(現実には考えにくいですが)を除き、監査は不合格となり、プロセスの是正と製品品質の向上を要求されます。 この違いが理解いただければ、後者を満たしてれば前者は当然に満たせることも理解いただけると思います。 では、「客先の監査員の方にどのような書類」を見せればいいのか。 これは、その会社が請負生産を主とするのか(つまり、設計開発工程がほとんどないのか)、メーカーなのか(つまり、設計開発を伴う製品が主なのか)で違ってきます。 請負生産が主の場合は、契約の段階で検査に係る要件が仕様書に含まれているはずなので、自社における測定機器の管理や校正に関する記録類の提示が主になります。また、計測器と製品ロットのトレーサビリティが必要な場合もあります。いずれにせよ、顧客毎に対応するのが原則となります。 メーカーの場合は、創業から今日に至るまで検査に関する基礎部分は継承されているはずなので、製品の特性に応じて追加変更されることになります。 以上、貴社の業態や業種、設備やロットを含む品目が不明なため、漠然とした話しかできませんが、具体的なイメージを掴みたい場合は、品質管理に厳しい完成品メーカー(例えば、東芝)のサプライヤー向け品質基準マニュアル類を入手するなりしてください。 以下、個別の回答です。 >検収印押印済みの納品書は、受入検査のエビデンス、記録にならないのでしょうか? 納品書と受入検査記録とでは、記録としての目的が違います。品質を保証する上で、納品書は何の意味もありません。、納品書は、いつ、何を、何個、どこの供給者から納品されたかの記録です。購買品としての品質的な仕様を満たしているかどうかは、納品書からはわからないということです。 >受入検査の記録として、検収印押印済みの納品書がある場合、受入検査表は不要ですか? つまり、受入検査表は必要です。購買品が仕様を満たしていることの記録だからです。 ただし、その購買品が標準品で、少しぐらいなら不良が混ざっていても許容されるような場合は不要です。 例えば、それが1箱100個入りのM5ナットのような場合です。数個の不良が混ざっていたとしても、他のナットを使えば済む話ですから、受入検査(全数検査又は抜き取り検査)をする意味がありません。 しかし、同じM5ナットでも特殊品、例えば脱脂洗浄している場合は話が違ってきます。受入検査は必要ですし、その記録も必要です。これは、「客先の監査員」に見せるためというより、外注先等に対して是正の要求や指導をするための根拠として必要になります。 つまり、記録は何のためにとるのかということを考えてください。そうすれば、どの記録が必要でどの記録が不要なのかが分かるようになります。
受入検査の場合は、 ①伝票の保存 ②伝票を見て受け入れたという受取者のサイン ③受入ミスは発生していないか ④受入後に発生した発注ミスにはどのような是正処置をとっているか ⑤受入後に発生した商品の不良(不適合品)の扱いはどのようなルールなっているか ⑥それらがきちんと行われているか。 などを見ます。 とりわけ、伝票をまずチェックして受取印を見ます。 最近の受取の状況を確認して在庫をチェックします。 受入検査は在庫管理にも関係してきます。 適当に印鑑を押して商品を受け取っていることのないようにチェックします。 また、納入業者が適切な業者か、1年に1回ぐらいそういうチェックをしているか、基準は何を基準にそう決めているか、他の業者への変更検討はされたか、していない場合の理由は、納入品に不備があった場合、文書で是正を求めているか。 納入業者がきちんとしたものを納入しているという品質管理はどこでやっているのか(納入業者の責任ではなく、受入業者の責任です)。 などです。 私は審査員なので、一者監査、二者監査の視点とはまた違うかもしれませんし、第三者監査でも、このようにしない審査員もいるとは思いますが、参考になれば幸いです。 誤解が多いですが、書類とか文書とかは後からついてくるものです。 これとあれを見せればいいということでなく、実際の流れを手順が確認できなければいけません。 マニュアルがあっても、毎回それを見ながらやっているところも少ないので。 ですから、これらの一連の流れが説明できればいいと思います。伝票も是正報告書や、納入業者の監査報告書なども残っているでしょうから、それをその都度、見せればいいと思います。
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