ISO9001に不適合という言葉がありますが、ある事について経営者が現状に満足していなければ、その事については不適合と言…

Question

ISO9001に不適合という言葉がありますが、ある事について経営者が現状に満足していなければ、その事については不適合と言えるのでしょうか？

Answer 1

そうなりますね。
不適合の定義は「要求事項を満たしていないこと」（ISO9000の3.6.2）です。
また、「要求事項」とは「明示されている，通常，暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている，ニーズ又は期待」（同3.1.2）なので、経営者が満足していない事象（例えば売上げの伸び悩みや利益の悪化）は不適合ということになります。
ただし、その不適合に対して是正処置をとるとらない、あるいはとれるかどうかは別問題です。
「売上げの伸び悩みや利益の悪化」の主要因が自社にある（例えば、営業努力の不足など）のなら是正処置をとることができますが、自社にない（業界全体の景気低迷など）のならとりようがありません。
もし、こうしたこと（経営者の不満）にまで是正処置をとらなければならないと、誰か（審査員など）から指摘されたのなら、その指摘は的外れです。

なお、ISO9001は品質保証の規格であり、会社経営の規格ではありませんから、対象領域（品質保証）以外のことに適用しようとしても効果は得られません。規格票の表紙に「品質マネジメントシステム」と書いてあるため誤解しがちなので、ご注意ください。