を交わしたのは、移籍してすぐの沖縄キャンプだった。和田がバットを担いでベンチ裏のロッカールームを出ると、細い通路の向こうから落合がやってきた。 指揮官はすれ違いざまに言った。 「お前は競争させねえからな」 和田はすぐには何のことかわからなかったが、続く言葉で合点がいった。 「開幕に合わせて、自分でやれ」 落合はそれきり監督室に入ってしまったが、和田はしばらくその場に立ち尽くしていた。そんなことを言われたのはプロ生活12年で初めてのことだった。 じつは和田には、新しいチームに対して僅かながら引け目があった。35歳の自分がフリーエージェントによる補強戦力として入ってきたことで、若い選手たちのポジションが1つ埋まってしまうからだ。 それが世の中に、とりわけ中日のような地方人気球団の熱狂的ファンに受け入れられ難いことはわかっていた。だが、落合はそんな和田の引け目を「お前は競争させねえ」という一言で吹き飛ばした。 メディアの前でもそう公言した。 「この世界は実力社会だ。年齢は関係ない――」 パ・リーグで首位打者の実績がある和田に対し、何も証明していない若手選手には競争する権利すらないというのだ。 シーズンに入ると、さらに意外なことがあった。 ある試合でノーアウト2塁の場面となった。クリーンアップを任された和田は、最低でも3塁へランナーを進めなければならないと考えた。だから定石通りに1、2塁間へゴロを打った。全体のために己を犠牲にするプレーであった。 すると試合後、ベンチ裏の監督室に呼ばれた。紙コップに入ったコーヒーがテーブルに置かれているだけの整然とした部屋だった。 落合は眉間に皺を刻んで、語調を尖らせた。 「いいか、自分から右打ちなんてするな。やれという時にはこっちが指示する。それがない限り、お前はホームランを打つこと、自分の数字を上げることだけを考えろ。チームのことなんて考えなくていい。勝たせるのはこっちの仕事だ」 和田は再び呆気にとられることになった。 それまで野球をやってきて、チームバッティングを讃えられたことはあっても、咎められたことなどなかったからだ。そうして、落合のイメージは180度変わっていった。 和田はシートから立ち上がろうと腰を上げた。その瞬間に思わず顔をしかめて崩れ落ちた。左足にかつてない痛みが走った。よく見ると、足首から先が右足の倍ほどに腫れ上がっていた。チームメイトに肩を借りて、ようやくバスを降りることができた。症状は思っていたよりも深刻だった。 和田はなんとかホテルの部屋にたどり着くと、ベッドに倒れ込んだ。天井を見つめながら、考えた。 明日から、どうする……。 やはり、自分ひとりで結論を出さなければならなかった。落合のチームにおいて、レギュラー選手は自分のために自分で決めたことをやればよかった。組織への献身よりも個の追求が優先された。そして、その代償として責任を負うのだ。 和田はホテルの部屋で天井を見つめていた。ベッドに投げ出した左足には、相変わらず疼くような痛みがあった。覚悟を決めるしかなかった。 たとえ走れなくても……やるしかない。 野球という団体スポーツにあって、落合のチームはひたすら個を追求していく。それは一見すると選手にとって理想の環境に映るのだが、いざその状況に身を置いてみると決して楽園などではないことがわかった。むしろ逃げ場のない地獄であると言えた。 例えば、どこかを傷めた選手に、落合は「大事を取って休め」とは決して言わなかった。 痛みを訴えてきた選手に対して、落合の口から出るのは「やるのか? やらないのか?」という問いだけだった。 「できません」と答えれば、次の日には二軍のロッカーにいることになる。それだけだ。 権利と引き換えに、冷徹に結果と責任も求められる。その天秤が釣り合わなくなれば、自分の指定席には別の誰かが座ることになる。 首根っこを押さえ付けられ、反吐を吐くまでやらされる。和田は日本野球界に根付いた根性論至上主義には耐えてきた自負があったが、落合には、それとはまったく種類の異なる怖ろしさがあった。 翌朝になっても痛みは引かなかった。和田はチームトレーナーに状態を報告すると、落合には、「今日はちょっと全力で走れないかもしれません」とだけ伝えた。落合は頷いただけで何も言わなかった。 そして、和田はいつものように打席に立った。横浜スタジアムのナイター照明を浴びて、 1本のヒットを放ち一つの四球を選んだ。ベースをまわる和田の足取りがいつもより鈍く歩幅が狭くなっていたことに気づいた者はほとんどいなかった。
回答受付中
からの指導の中で気になったことがあったので、質問させてください。 授業実習終了後に、指導を受ける際に、 「教員になる気ないでしょ?嘘とかじゃなくて本当のことを教えて欲しい。それで何かを変えると言うことはしないから」と言われました。 他の先生方にも言っている通りに「教員になりたくて大学に行きましたが、大学で授業を受けていく中でトレーナーという道にも行きたいなと気持ちが芽生え、教員かトレーナーかという二つの選択で悩んでいます」と答えました。 すると、「教員になるのであれば言うことはたくさんあるけど。じゃあ、大事なところの指導は省きます」と言われ、次回までに直す点として「体操時に出す声の大きさと片付けをスムーズにすること」この二つだけを指導されました。 正直、え?それだけ?となりました。仮にも教員になるか迷っている立場なので、この教育実習で教師とはどんなものなのか、どう言ったことが必要なのかなどを詳しく見ていきたいと思っていたし、授業もしっかりと真摯に行うつもりでいました。 ですが、この担当教員からは良い指導をうけられませんでした。 そのあとに何か質問はあるかと聞かれ、担当したクラスが問題児の多いクラスで現役の体育教師でも手こずるほどのクラスだったので、授業に参加せず寝てる生徒や座っている生徒、違うことをやり出す生徒がいました。 その生徒に対してどのようなアクションをかければいいのか、声かけで気をつけなければいけないところはどこなのか、と質問しました。 すると、「あなたは女性ですよね?あなたは私男なので、一定の距離を保ちながらじゃないと授業ができません。もう一度言います、あなたは女性ですよね?男性ではありませんね?女性ということだけで私よりも100歩も200歩もリードしています。それなのになぜわからない?女性ではないのですか?」と、女性なのに、女性なのに、と女性ということをすごく嫌味のように言われました。 私は幼少期からスポーツをやっており、一般的な高校生とは違い、サボったりすることがないクラスの雰囲気、学生生活の雰囲気の中で過ごしていたため、正直に言うとよくわかりません。 このことを伝えても、女なんだからわからないなんておかしい。なんでわからないんだ。と執拗に女を強調されました。 女なのにできないのか?はおかしいのではないでしょうか? 確かに進路に迷っていることは事実です。 ですが、それに対してこのような態度を取られると、え…なんで…となってしまいます。 これっておかしいと思いませんか? 教員の立場からみるとこれは普通なのでしょうか? 実習を頑張りたいと思っているので、 すごく残念で悲しい気持ちになりました。 何かわかる方、回答お願いします。
回答終了
り辛いです。 27歳でIT企業に勤める正社員(平社員)です。彼女も同じIT企業に勤めていて年齢は25歳です。彼女とは交際3年目で婚約もしています。(同棲は1年半前からしています。) 職場の同僚たちから彼女と結婚することについて陰口を言われていることを知ってしまってから、彼女と結婚したら自分が惨めになる気がして、迷っています。 婚約している彼女とこのまま結婚していいのか正直分からなくなってきました。 彼女は私より2年入社が遅い後輩です。元々は私が彼女のOJT期間のトレーナーでした。 私と彼女が勤める会社はIT企業ということもあり、新入社員のトレーナーも入社2〜3年目の若手社員が担当することが多く、私もトレーナーとして彼女を担当しました。 そして、仕事終わりに私が彼女を何回か食事や映画に誘い、そして私から告白をして彼女との交際が始まりました。 元々、私たちが勤めてるIT企業は大手で携帯電話(モバイル会社)やスポーツチームを所有しているので、世間からも名前が知られた会社です。 新卒から月給も30万円貰え、さらに昇給や昇進も年功序列ではなく完全に実力主義の会社です。 彼女はかなり仕事ができる人で、仕事覚えもかなり早かったです。なので、OJT期間中に営業の売上成績も同じ部署に配属された新入社員の中で彼女が1位で、部署全体でも彼女は夏の成績が3位でした。 そういうこともあり、彼女は2年目にマネージャーに昇進しました。 マネージャーとしてもマネージメント能力が評価されたみたいで、今年(入社3年目)から25歳という若さで副課長になりました。 一方で私は、営業成績は常に平均化、平均より少し低いので入社5年目ですが、現在も平社員で月給も新卒の頃とほぼ変わっていないです。 会社での今の彼女と私の関係は、同じ部署の上司(副課長)と部下(平社員)です。 婚約をするまでは彼女と交際していることは職場の同僚や先輩には隠していました。彼女もまた、私と交際していることを隠していました。 なので、職場で陰口を言われたこともなく劣等感みたいな気持ちはあまり感じませんでしたが、いざ婚約して職場に報告をしてからずっと劣等感というか惨めな気持ちになります。 彼女と自分の間に年収面や仕事の能力などで色々な差が大きすぎるからです。 まず年収です。私は年収は500万弱です。 彼女の年収は(役職手当とかも含まれて)850万くらいです。 だから身に付けている時計も着ている服やコート、靴も私と比べると彼女の方が全然値段が良いと一目瞭然でわかる物を持っています。 バッグとか鞄もブランド物でデートに来ることが多いです。 彼女が着ているコートの値段を自分で調べたことがありますが、10万くらいするコートが3着くらい持っていました。 彼女は性格も社交的で男友達も多く居ます。お酒も得意で飲める口(お酒に強いタイプ)なので、ビールや日本酒、ワインとか焼酎をおかずに合わせて飲んでいます。 一緒にご飯に行ったりすると時々たくさん飲む時もありますが顔色は全然変わらないで赤くならない人で次の日もお酒が残らないみたいです。 仕事帰りに飲みすぎて帰ってくることも3ヶ月に1回くらいあり、寝室とトイレを何往復もして吐いているときがあります。でもそういう時も顔は全然赤くなっていないです。彼女はどれほどお酒を飲んで、かなり酔っても顔に出ないタイプで、朝になると仕事なり家事なりを完璧にしてます。彼女が二日酔いになった所を見たことがないです。 私は年収も多くないですし、お酒も恥ずかしながらかなり弱いです。 一時期は彼女に合わせて飲めるようにしようと鍛えていた時期もありますが、ビールもコップ半分も飲むと全身が赤くなり、また吐き気がして戻してしまうのでそれも諦めたくらい弱いです。 また、今まで付き合ってきた人は今の婚約者の彼女が初めてで、それ以前の恋愛経験はありません。 彼女は顔も美人で、びれもすぐに分かるくらいスタイルも良いです。胸も日本人の平均サイズ以上はあります。 私と付き合う前に何人かと付き合って男性経験もあると彼女の方から打ち明けてくれたことがあるのですが、それもまた不安な気持ちになります。 付き合っていた時は別に生活グレードが違うことにそこまで惨めさを感じたことはないですが、結婚すると周囲の目線もあると思います。 また、将来子供が授かった時、父親としてのメンツや威厳も保てない気がします。 そして、何より自分自身が1番惨めになる気がして、予定通り結婚することを躊躇してしまう気持ちがあります。 私たちはこのまま結婚してうまくやっていけるでしょうか? 年収や飲酒の部分で格差が大きいのでその辺りもかなり不安です。
解決済み
年生をしている者(20)です。 中学生の頃からスポーツに携わる仕事をしたいと考えており、 将来的には部活動で頑張ってきた柔道に貢献できるように、メディカル系のトレーナーとして活動したいという理想があります。 最近は、 しっかり両方の国家資格を取得して、卒業したら 鍼の本場であるアメリカ留学に挑戦してみたいと考えるようになりました。 そこでいくつか質問したいのですが、 ①現在、両方の学科に通っているため、時間の余裕が無いので臨床経験が全くないのですが、 留学するのなら、経験を積んでからの方が勉強になるのでしょうか? 私の考えとしては、日本で働き始めて責任が伴ってからよりも、 アメリカで勉強してからでもまだ時間があると思っているのですが・・・ ②私が調べた限りでは、大卒という条件がまず引っかかってしまうのですが、 専門卒でも勉強できる学校はあるのでしょうか? 学校を探すにはどういった方法がありますか? ③②の条件の他にも条件はあるのでしょうか? 考えが浅はかなのかもしれませんが、動けるうちに様々な事に挑戦したいと思っています。 一つでもいいのでご回答していただけると幸いです。
ぱり理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸師の国家資格は必須でしょうか?
! 私は、救急救命士を目指している看護学生なんですが... どうしたらなれますか?? 詳しくお願いします。
年生になった現在、将来は体操教室の先生になりたいと言い出しました。先生になるには選手にならないとダメだと思い、アスリートコースへの転向をお願いしたところ、年齢的に難しいと断られてしまいました。 何とか道筋をつなげてやりたいのですが、どうしていいかわかりません。田舎のため、めぼしい体操教室はそこしかありません。 直接、体操協会に問い合わせしてみようかとも思いましたがそれもためらわれます。 何かいい案がありましたら教えて下さい。
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