検察官と弁護士の違いについて

Question

検察官と弁護士の違いについて検察官と弁護士の違いについて教えて欲しいです たとえば給料 仕事の量 つらさ 休日の有無 職業病 またこの仕事について困ることを教えて欲しいです よろしくお願いします

Answer 1

【検察官】
○ 検察官は、検察庁において刑事事件を取り扱います。
具体的な業務は、
① 警察が送致した事件を受理する。
② 被疑者を取り調べる。
③ 被疑者を勾留するかどうかを決める。
④ 被疑者を起訴するかどうかを決める。
⑤ 公判において、被疑者の有罪について論告・求刑する。
もちろん、この中で必要に応じ捜索（ガサ）、検証、検視なども行います。
○ このほか、警察に対する指揮権、指示権があり、事件に関して指揮をすることがありますし、警察からの質疑に対して回答したり、協議したりします。
○ 警察から受理した事件ばかりではなく、自らが逮捕して取調べをすることもあります。その代表的なものが「特捜部」です。よく政治家や著名人を自ら捜査して逮捕しますよね。
○ 検察官は、公務員ですので基本は土日祝は休みです。しかし、土日に送致された場合は、休み返上になりますし、事件を多く抱える検事は、土日なしで夜遅くまで勤務することもあります。警察から事件が送致されれば、検察官は警察の逮捕から72時間以内に被疑者を起訴するかどうか、勾留の必要があるかどうかなどを決める必要があります。また、変死事案があった場合は、警察から連絡を受け、司法検視や司法解剖をすることがあります。
事件発生は曜日や時間帯に関係がありませんし、業務量もかなり多いことから、かなりハードな仕事だと思います。
○ 給料は、固定給で
初任給 227,000円～
検事長 1,230,000円（地方検察庁のトップ）
検事総長 1,512,000円
です。

【弁護士】
○ 弁護士は、法律の知識を生かして、依頼人やその他の権利や利益を守るために業務を行います。
その内容は、刑事事件（刑事裁判）のほか民事事件（民事裁判）を扱います。
刑事事件とは、窃盗、強盗、殺人、覚醒剤取締法違反など、警察が扱う事案です。
民事事件とは、警察が扱わない隣人との境界問題、お金の貸借問題、損害賠償問題など、対人的に起こるトラブルです。
そのほか、裁判外での個別な法律相談、企業間の吸収合併などの法律的な処理なども行います。
○ 弁護士の勤務時間は、基本的に自由です。
弁護士事務所に勤務しているか独立しているかで違いますし、その事務所の仕事量に より左右されます。事務所の人気や本人の力量によって仕事量も大きく変わります。
事務所で請け負った仕事のほか、弁護士会から国選弁護人として当番で回ってきます ので、その対応も必要です。若い時は、結構ハードな仕事かもしれません。
○ 弁護士の給料は、本人の力量、弁護士事務所の考え次第です。
歩合制のサラリーマンと同じで、勤務弁護士で、いつまでたっても20万円台の人もいますし、100万以上の人もざらにいます。
独立開業すれば、全てが収入になりますので、力量がある弁護士は、独立を好んでいるようです。また、若い弁護士同士が、経費節減のために、合同で事務所を構えることもあります。
弁護士が依頼人から受け取る報酬の額は、その力量によって大きく異なります。
刑事事件の弁護料は多くの場合「一件いくら」とか「一日いくら」で契約することとなりますが、贈収賄事件など社会的反響の大きな事件や取扱金額の大きな事件では、その額も自ずと大きくなってきます。以前、友人の弁護士（元検事）は、「一件500万円」で契約しましたし、元高検検事長の弁護士には、「一日100万円」で契約する人もいました。その人は、夕方被告人に面会して、翌日１時間の公判を務め、200万円の弁護料を受け取られました。
でも、一般的に刑事より民事の方が報酬は多く、これ以上の報酬を受けることも少なくありません。国際系、企業系の仕事が比較的、安定した高収入のようですよ。
【職業病】
○ 検事も弁護士も職業病というものは特にないと思います。
強いて言えば、多忙な人が許容範囲以上の仕事を抱えパニックになることや、検事が厳しい上司から追い込められて鬱になることくらいですかね。弁護士にも、しつこい依頼人のせいで鬱になった人もいますよ。
【職業選択】
○ 検事と弁護士のどちらになるのかを迷っているのであれば、仕事量や収入などではなく、「自分が被疑者取調べに向いているかどうか」を判断材料にした方がいいかもしれません。警察（刑事）が取調べをしたあとの被疑者を調べることが多いのですが、生理的に苦手な人も多いかと思います。
また、検事を数年務めて、その後弁護士になるいわゆる「ヤメ検」になるのも選択肢のひとつです。ヤメ検は、刑事事件にはめっぽう強い反面、民事事件は不得手になるのは仕方ないのですが・・・。