技師さんが撮る時に放射線量をうっかり間違える…… なんてことはありえるのでしょうか? 再撮影が必要なやつは、絶対に無いとは断言できないですが、今ではかなり稀。 フィルム、アナログの時代とは違って、今は医療用の写真もデジタル化が進んでいるので、線量が多少(2倍とか3倍とか)多くても一応写真にはなります。多少のマージンはあるので、2割3割は線量が少なくても目で見て違いを実感する(線量過少を認識する)のは難しいことが多いと思います。5割少ないと目で見ても線量が少ない感じがちょっとだけすることと思いますし、物理指標的には(コンピュータを用いて解析すると値が)かなり悪化しますが。 だからうっかり間違えて再撮影になるのは稀です。 X線写真は、ある程度写真になる範囲内では、放射線量が増える程情報量が増えて、放射線量が減ると情報量が減ります。 どこまで患者から情報を取るべきかが決まらないと最適な放射線量は決まらないのですけど、どこまで患者から情報を取るべきかは派閥があります。他派閥の人が相手だと喧嘩の原因になるので、ある程度写真になる範囲内で他の人が使った線量について新人以外に本気で指摘すると、喧嘩になるので誰も何も言わないことが多いと思います。新人相手でも婉曲な表現で指摘する人もいます。 X線写真の最適な放射線量って何ぞ?という問題は、放射線技師の中で昔からずっと議論されてきた未解決問題なので。 うっかりではないですけど、体の厚みが厚い人にこれで行ける!と思ったら、線量が足りなかったみたいなことは、新人あるあるです。新人は一般に放射線量を低くしたがる傾向がありますから。 多少の線量過大はデジタルだと目視では発見困難です。 基本的に設定した線量以上に放射線は出ないし、思ったよりも(うっかりで)放射線が出る時間が長ければ手元のスイッチで電流を(放射線は電気を使って出していますので電流を止めると放射線も止まります)止めることができます。 普段、0.1秒とかそれ以下で切れるスイッチが1秒以上とか切れるのにかかったら撮影中に気が付きます。 極端に線量が多い(10倍や100倍とか)と再撮影が必要になりますけど、極端に線量が多い場合には、上記の通り手元のスイッチでも電流を切断できるので(やらかしても自分で止めれる、挽回のチャンスがあるので)実際に発生する頻度は低いです。 極端な過少線量でも再撮影が必要になりますけど、過少線量を設定するとスイッチは勝手に設定のところで切れるので挽回のチャンスが無いのでやっちゃいやすいです。 あと、この10年以内くらいの新しい機械だと事前にこの写真はこの放射線量!と決めておけば、電子カルテシステムや放射線科情報システムと連動で、その放射線量が勝手に入力される機能があります。それ以前の機械でも機械の中に「胸部X線写真」等のプリセットのボタンを押せば放射線量をプリセットに整えてくれる機能がありました。 また、胸部X線写真や、腹部X線写真等の良く撮影するX線写真ではAECと呼ばれる自動露光機を使うのが一般的です。放射線量の設定がイマイチでも自動露光機が文字通り自動的に切ってくれるので不適切な撮影をする頻度は更に下がります。 そういった補助機能を適切に設定してから使えば、新人がテキトーなことをしても、体格が普通の人であればそのまま補助機能通りに曝射してもそれなりに良い感じに撮影できます。 この写真はこの放射線量!と決めておくのは放射線技師の中でも特にX線写真の研究が専門の人が決めておく訳ですし、上記した通り2倍とか半分とかであれば一応写真になりますので、普通の範疇の体格の人が相手なら何も考えてなくてもそうそう外すことはまずないです。
ある程度大きさのある病院はAEC(自動露出機構)という、自動的にX線量を調整してくれる装置が付いています。そのため、その機能を切らない限りは当てすぎになることはほぼありません。 しかし、整形のクリニックなど小さいところはその機能がついてない装置もあるので、それは技師が毎回線量を調整すると思います。そちらの方が間違う可能性が高いのではないでしょうか。 じゃあ全てAECを使えば技師要らなくね?ってなりますよね笑 まあここからは専門的な話なので、深堀したいのであれば
>技師さんが撮る時に放射線量をうっかり間違える……なんてことはありえるのでしょうか?気になったのでお聞きしたいです。 --->すべて人間が行うことです。100%絶対ミスがないとは言いません。しかし、今のX線発生器は、プリセットされていてその撮影したい部位のボタンを押すだけで適正X線量が出るようにセットされています。ですのでその押し間違えがない限りは間違いが起こることはありません。
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