危険ですが、自分が知る限り、事故は全て不注意から 起きています。今は別な仕事をしていますが、以前、 タンカー船の国際・国内船の配船オペレーターと船舶管理業務を していたことがありますが、大体2年に1人くらいお亡くなりに なられていました。 船自体、自社船と傭船とあるので、2年ごとくらいに亡くなって いたのは自社の船員さんばかりではありませんが、下記のような 状況下でお亡くなりになりました。 ①真冬の揚子江に落下。船長が凍死。 真冬の揚子江は凍り付いて北極さながらになるのですが、 そうなると船が氷で傷ついたり、航行不能に陥ったり するので、船員は常に氷の状況に気を配りながら進みます。 その際に船長が身を乗り出しすぎて船から落下。 真冬の氷の張る揚子江ですから、直ぐに救助も出来ず。凍死。 ②真夜中の荷役で海に落下。 会社の安全基準でライフベストを着用して荷役を 行うことを規則としていますが、船員さんの多くは ライフジャケットを着用すると荷役の邪魔になるので 嫌う人が多くいます。特に内向船の船員さんは昔堅気の 職人気質な人が多く「べらんめぇ」調の人がいるため、 ベテランになるほど、勝手に動きます。 で、更に真夜中の地方港など電灯も照明もほとんどない 中での荷役を行い、海に落下。ライフベストを付けておらず、 直ぐに周囲の人がきがついたものの、暗くてどこに落ちたかが わからず、所かまわず、救命器具を投げ入れましたが。 明け方溺死で発見。 ③朝起きたらいなくて行方不明。 タンカー船やコンテナ船など旅客船とは違いますから、 船の周囲に張り巡らされたフェンスなんてあってないような ものです。で、特に海が時化ているとちょっとしたジェットコースター 並みに船が揺れます。ある日、朝起きると若い船員さんが 行方不明になっていることが点呼で判明。 船内をくまなく探すも見つからず行方不明に。 足取りを追うと、その前日の夜、その船員さんが風呂に 入ってその後に外の空気を吸うため、船外に出たのを 最後に見た人がいて、それから行方不明・・・ということで、 船から落下したと結論。まだ結婚して日が浅く、子供も生まれた ばかりで、当時、総務にいたので、後処理の対応をしましたが、 奥さん、憔悴しきっていて本当に気の毒でした。 結局、行方不明で見つからず、5年後くらいに砂浜に 頭蓋骨があがり、鑑定の結果、その船員さんと判明。 執念で帰って来たのだと思います。 ④綱取りロープ激突で即死。 船は港に接岸した際に綱取りロープで船と岸壁の 間を固定しますが、そのロープが切れて跳ねて 船上で作業をしていた甲板員に激突。即死でした。 (トラックで外れたタイヤが激突するくらいの勢い があります) ⑤全身、モルテンサルファーを浴びて火傷死。 新造タンカー船の荷役装置(韓国製)が不良品で 80度を超えるモルテンサルファー(硫黄)が 荷役装置からあふれ出し、作業をしていた作業員が 全身に浴びて、全身火傷。数か月後に亡くなりました。 ⑥コンテナ荷崩れで圧死 洋上で大きくコンテナが崩れてそのコンテナに 潰される形で圧死。ほんと、ペチャンコな状態 だったようです。 (当時は既に配船業務から外れていて詳細不明。 同僚から聞いた話) 他にも死者は出ていませんが、荷役中に 大けがをしたとか、時化が酷くて階段上り下りした 際に落下して腰骨を折った・・・とか、怪我は 結構ありました。後は、変わったものだと、 大々的にニュースにもなりましたが、アデン湾で 退職間際に担当していたタンカー船がミサイルランチャーの 攻撃を受けて被弾したこともありましたね。 その時は怪我人出ませんでした。 なので、まぁ、ちらほらと死者や怪我人は 出てます。当然、年々、コンプライアンスや 安全重視で死傷者は減ってきてはいますが、どうしても ヒヤリハットではありませんが、油断と自然の猛威に より事故はつきものです。 自分も仕事で船内に宿泊したり、近海を船に乗って 航行したりしたこともありますが、寝るときとか ベッドで両手足をぴんって伸ばして壁とかに固定して 寝ないと揺れてベッドから落ちるくらい揺れるんですから。 そりゃあ、その中を歩いたり、階段上り下りしたり していれば、怪我もしますわな。
なるほど:3
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