解決済み
漫画家を志望している者です。漫画って、構想を練る際に題材や、題材に関わる様々な状況を熟知してないとリアルなストーリーって描けないですよね? 例えば、医師が主人公で、病院内で起こる様々な事を描きたいなら、患者の心境、医師の正しい対応、医師同士の関係性、患者に対しての身内の人達や知り合いの人達の接し方、医師のプライベート生活はどんなものか、など。 学園ものにしてもそうです。 学生が何かトラブルを起こしたら、先生はどう対応して、学校そのものはどう対応していくのか、先生にしか分からないような複雑な事情は何なのか、生徒の恋愛面については、どこで何をして発展させていくのか、例えばそこにライブハウスを絡めたとして、ライブハウス内で起こり得る様々な状況などを想定しないとキチンとしたストーリーは描けないと思うんです。 一体、どのようにして題材や、題材に関わる様々な状況を知り得てるのでしょうか? ネットで調べたり本を読んで知り得るにしても、限界があると思うんです。 でも、だからと言って直接題材に関わる現場で関係者から直接事情をきく時間もゆとりもないんじゃないかな?と思うんです。 詳しい事情を知っている方がいらっしゃいましたら、どうかご教示くださいm(_ _)m
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漫画家です。回答いたします。 あなたのおっしゃる通り、「お仕事もの」は①監修者(その道の経験者に初稿を読んでもらって間違っているところを指摘してもらう)、②経験(自分自身が経験者なので監修者がいらない)、③取材(興味があれば色々調べますよね。なければその題材を扱う必要はない)なしには手を出せません。 ただし、設定として使うだけなら①から③のどれも必要ありません。 例えば浦沢直樹のモンスターは医者が主人公ですが、主たる題材(ジャンル)はミステリーサスペンスです。外科医の設定がストーリーに密接に関係していることを確認してください。ブラックジャックは荒唐無稽な医療もので主たる題材(ジャンル)は実際のところ「お仕事もの」ではありません。「人情もの」が近いかな(とはいえ手塚治虫は医師免許を持っており医師としての経験はないでしょうが、③医学関連への興味は常にあったはずです)。外科医として命を救うストーリーを一話完結で描きまくっていますが、設定とストーリーは必ず関係があります。面白さとは関係ないですがストーリーと設定が完全に無縁では意味がない。 一方、例えば海外ドラマ『ER』は全米から医療関係者が実際に体験した話を制作陣に寄稿したという話を聞いたことがあります。つまり①監修者もいたと思いますが③も充実していたということです。とは言え、ドラマの面白さと情報や細部の正確性はほとんど関係がありません。それはもう、お仕事もののドラマを見れば一目瞭然です。例えば海外ドラマ『24』もお仕事ものです。国家機関であるテロ対策チームの一日を描きますが、仕事に関する会話の細部は意味不明ですし、正確性もあるとは思えません。ところが面白い。面白さはその仕事の細部描写とは関係がないのです。 ところがです。お仕事ものなのに仕事の細部がそれらしくさえ描かれないとどうなるか。それはもうお仕事ものである意味がありません。今なんとなく思い出したのが東京DOGSという古いドラマで、調べてみたら脚本家がコメディの人なので今から思えば納得ですが、お仕事ものである意味を持たないドラマだったことを記憶しています。細部は面白さとは無関係ですが、お仕事ものがお仕事ものであるために、細部を疎かにするべきではありません。そのために、お仕事ものは①から③を必ず必要とします。 ゆえに、純粋なお仕事ものは存在しません。つまり、お仕事ものをお仕事もの足らしめるものは、面白くもなんともない細部なわけですから、あなたは面白い作品を描くことに集中すべきです。面白さとは何か、必死に考え続ける、ここからの10年にしてください。10年以内に一家言手に入れることができたら御の字です。根気よく頑張ってくださいね。 まとめましょう。あなたのおっしゃる「その仕事の細部」は「面白さ」とはほとんど関係がないが、「お仕事もの」を描く際には必要になる。ゆえに①監修者または②経験または③取材が必須となる。ところが、あなたは敢えてお仕事ものを選ぶ必要がない。ここからはその話をします。 たとえば、刑事物がどうしても描きたいなら、③刑事ものの小説を読みまくる、というのが手っ取り早いですが、刑事ものが描きたいなら既にあなたは刑事ものを読んで好きになっているはず。先生ものをどうしても描きたいならあなたは既に先生ものの傑作に出会っているはず。 この世に開拓されていない題材はほとんどありません。その題材にはおそらく既に金字塔があり、金字塔の多くは教科書であり、あなたに超克してくれと望んでいます。 最近薬剤師を題材としたドラマがありました。面白くないのは金字塔の存在しない題材を描こうとしたからです。薬剤師を題材に面白い作品を描くには、「面白さ」についての高度な理解が必須となります。そしてそのような理解を持っていながら薬剤師を題材に選ぶ理由はほとんどありません。なぜなら、仕事の細部は面白さとは無縁だからです。「薬剤師ものは今までないから題材にしよう」という意思が透けて見えるようですが、wikiによると主たるテーマは「薬剤師法第24条で義務付けられている疑義照会を実践する薬剤師の考えや行動と周囲におよぼす影響」だそうです。これは薬剤師の仕事に関する情報の正確性や細部です。 何度も繰り返しますが、お仕事ものの細部は面白さに関係がないということを肝に銘じてください。お仕事ものの細部は主たるテーマにはなりません。大事なことなので二回言いますが、純粋なお仕事ものは存在しないのです。もし存在するとすれば、主たるジャンルを日常ものに設定するなどの工夫が考えられます。あるいはエッセイとか。 あなたには、どうしても描きたい「お仕事もの」がありますか?ないならば、今回の疑問「その仕事の細部は重要なのでは?」は忘れてください。重要ではありません。どうしても描きたいお仕事があるなら重要ですが、その場合はおそらくすでにその題材の金字塔と出会っているはずで、細部が面白さに直結していないがその題材である意味としての描写であることは観察できるはずです。 金字塔が存在しないが、興味のあるものがある場合。例えばスポーツものは、割とマイナーなスポーツもyoutubeで試合風景を見ることができます。魅力的な細部を観察することができます。このように、あなたが興味があればすでに細部を観察しているはずなので、今回の質問をするということは、もしかするとそういう興味のある題材もないのかなと推察いたします。もし、調べるにも限界のある題材に興味がある場合、例えばメンタリストとかマジシャンとか遠洋漁業の漁師とか大使館の仕事とかに興味があり題材にしたい場合は、いったん引き出しにしまうべきです。あなたはまず面白い作品を描かねばなりません。面白い作品を描けば、必ず売れます。売れたら①も③もハードルが下がりますし、経済的に余裕ができるので、例えば農業を描きたいなら②も視野に入ってきます。
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すでに良き助言は出ているので、補足的に意見を。 「 ネットで調べたり本を読んで知り得るにしても」について言及しますが、町の大書店で売っている本ではなく、専門書の扱っているところにある「その道の人が読む専門書」でないと、漫画家の役には立ちません。 たとえば医学書ならば、紀伊国屋書店ではなく、医科大学の学生生協とかにある医学部学生向けの本です(→一冊5000円~15000円とか)。当然相当の学力が要求されますが、その前に「基礎医学教科書」を読んでおけば、ある程度は行けます。 同じようにSFならば、理学部学生向けの本です。 十年以上にわたって活躍している漫画家さんは、みなさん実行していらっしゃいます。
なるほど:1
必ずしもリアルに拘る必要はありません。 確かに「医療の現場 告白ドキュメント!」とかいう 謳い文句で、医療現場のリアルな緊張感をドキュメンタリー 的に描くことがテーマの作品なら、緻密な取材が必要に なってきますけど 「龍の歯医者さん」(でしたっけ?読んだことはありませんが)の ような、架空の生き物の治療をするような物語だったりするなら、 爬虫類や鳥類を診療できる獣医師に取材することで何らかの ヒントや参考を得ることはできるかもしれませんが、 もっと「龍の歯の材質や、それに纏わる人間たちの欲望や 想い(その世界の医療的に貴重な資源であるとかキャラクターの 一人が片腕を奪われた牙であるとか)などに重きをおいた構成や ネームである場合」は、龍のモチーフが特定の爬虫類や鳥類で あっても、その治療譚を現実の獣医師に聞きに行っても、ドクターに 貴重なお時間を割いて頂く割には、取材としてそんなに得る ものはないかもしれませんし イコール「文献で充分な資料も多い」ということになります。 学園ものなんてその最もたるところで。 普通は、生徒でも先生でも「対象が同一であっても、個人個人の 見えている世界にあまりに差があるため」 余程、特殊な技能や考え方を学ぶ学校をモチーフに漫画を描く 場合のモデル校とかでもない限りは、何人に、何校に 取材しても「それぞれの人に見えていた学園生活が聞けるだけ」 ということになり、その内容は同じ「学園」という場を語って いても、千差万別な意見が聞けるだけで、そういう資料が必要なら (例えば、多くの生徒や学生にアンケートを取っている漫画で あるとか)ともかく、その授業内容やそこでの生徒や教師などの 対応などなら、やはり「文献(多くの生徒や学生や教師に 特定テーマでインタビューしている本)で充分」と言えることも 多いかもしれません。 例えば「少女革命ウテナ」というアニメをご存じですか? 学校の裏手に搭になった決闘場wが立ちはだかりww、 その上空には謎の城が浮かび、生徒会が一極支配するというw 極端な世界ですwww そして、生徒会が一極支配する世界とはいっても、 それにしても、学園であるにもかかわらず 「教師がまったくと言って良いほど登場しない」のですww (理事長はいますww …むしろラスボ… イエ何でもないですw) ここに関して、監督の幾原邦彦氏に「学園ものなのに教師が 全然物語に絡んでこないのはなぜですか?」と聞いた インタビュアーが、かつていたのですが、 それに対して氏は 「興味がなかったから。必要もなかったですし」 …と、短く答えていらっしゃったのをよく覚えていますww …つまり、幾原氏が「ウテナで描きたかったリアル」に 教師という存在は必要ではなかったので、登場させなかったので しょうし、 学校の裏手に搭になった決闘場wが立ちはだかりww、 その上空には謎の城が浮かび、生徒会が一極支配するというw 極端な世界を描くために、 「現 実 に 、 参 考 の た め に 取 材 で き る 学 園 なんてない」 ですよね? そういう例もありますから。 必ずしも「取材がものすごく大切」というわけでもありません。 取材したからと言って、必ずしもリアルなものが描けるわけでは ないからです。 とはいえ、質問者さんが「この作品には〇〇の取材が必ず 必要である」と、強くお思いになるのであれば、可能な限りは 行ったほうがよろしいのは確かです。 …まあ、しかし、 個人的に思うことなのですが、 たまに、というか結構いる、と私は思っている 『取材が必ずしも必要、とか言って、特定の職業の人とお知り合いに なりたいだけとか、取材先に旅行にいきたいだけの編集者や作家』 …という、しょーもない人種も結構いるのは確かですよ? 文献で充分なことを「わざわざ」取材しに行ってチャラチャラ 喜んでるヤツ。…おじさんの編集に多いです。 漫画本体を描く側としては、文献で充分なことはそれやネットで 済ませて、早く帰って構成を練りたいと思うことのほうが多いので なんでもかんでも「取材」させたがって、こちらの描く時間を 短くするのもどうかと思いますね。 そして、想像や妄想で描いたほうが、読者の心に響いて くれることも多いです。 読者は、作中で扱っている職業や出来事の専門家では ないことが殆どだからです。 学園もの(誰でも大抵は経験するような世界)などは 上記したような理由で、個人個人の目線が千差万別なので 「この描き手さんに見えていた学園や描きたかった学園は そうなんだ」という描き方をするしかありません。 さらに上記した「ウテナ」がわかりやすい例かと思います。 と、いうわけで文献ではない現実からのインプットに 拘りすぎても仕方ないかもしれませんよ? という話でした。 長文にて失礼いたしました。
なるほど:1
専門学生時代に近未来のテレビ局が舞台の児童漫画を投稿用に描いていたのですが、講師にローカルテレビ局の深夜番組に複数人いる学生の一人として出演させてもらい打ち合わせや現場のやり取りなどを見て大変参考になった事があります。 他にカメラ機材など細部まで書き込む為にテレビ局の本まで買って描きましたが、自分が思うに幾ら業界人の話を聞いて参考資料をかき集めて突貫で知識を詰め込んでも、それを読んで自分なりに噛み砕き理解し身に着くまでに10年ぐらいかかると思うので、先ずは、短い簡単な作品から描く横で本を沢山読み休みの日は、展覧会や美術館など取材旅行するなどして超大作の準備をしていくものだと思います。 背伸びした考証ができていない作品は、完成しても人様に見せれるレベルに達していません。 最後に自分なりにポイントがあるとすれば、「自分のフィルター」を持つと言う事です! どう言う事かと言うと時代物を書く場合でもスポーツものを描くにしてもライバルと同じ情報を受け取っても自分だけの解釈、答えが出てくるコレが一番最高だと思います。漫画家は、ただの絵描きでは、ないのです!漫画家とは、自分が思うに哲学者なのです!どんなジャンルの作品を描こうともそこにアナタがいなければ、漫画では、ないのです! アナタとは、アナタが社会に対して思う訴えたい想いなのです! なので良い漫画を描くための勉強は当たり前に必要ですが、どんなに知識や経験豊富でもこの想いの強さがあり良いフィルターが育っていないと魅力のあるアナタだけの漫画は、描けないのだと思います! これには、自分を曝け出す事を恥じない勇気が必要なのでしょう。
なるほど:1
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